―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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平均浄化に就て

『救世』59号、昭和25(1950)年4月22日発行

 浄霊施術者に対し大いに注意すべき事がある、それは施術の場合平均浄化が起るという事である、例えば右の腕が痛いとする、それが良くなると今度は左の腕が痛くなる、ちょうど痛みが移行したように思えるが、実はこれが平均浄化である、つまり右の腕の毒素が除れ浄(きよ)まると、左の腕に毒素がある場合、右腕の状態と平均すべく自然浄化が発生するという訳である、もちろん腕には限らない、腹でも背中でも痛みが移動などは決してあるものではない、前記のごとく平均浄化のためである。
 またこういう事もある、例えば咳の患者を浄霊すればする程余計出る事があるが、これは見当違いのためである、その訳は数ケ所に毒結がある場合、一ケ所を浄霊すればする程他の個所にある毒結の平均浄化が起る、大いに咳が出るのである、従ってこういう時は見当違いを早く覚り他の患部を探すべきである、それによって急所が見つかり、そこを浄霊すれば咳はたちまち減るのである。
 ただ一つ注意すべきは例外のある事で、これは腹部の痛みに限るのである、原因は蛇霊であるが、これは腹部の一個所に激痛があり、それを浄霊すると逃げ廻るから根気よく追かけては浄霊する、すると漸次的に痛みは軽減しついに無痛となる、ところがこのようなのは一、二日経つとまた痛む、また右のごとく浄霊すると、その度に痛みは軽減し、ついに全治するのである。
 この平均浄化という事は治る医術であるからで、本教浄霊の特殊性で、他には決してない、何となれば他のあらゆる療法は治病の力がないから、平均浄化などあり得ないからである。