―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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火事と浄霊

『栄光』144号、昭和27(1952)年2月20日発行

 よく隣りまで焼けて来た火事が、御浄霊をするやたちまち風向が変り、助かったというお蔭話はよくあるが、これはどういう訳かというと、こうである。すなわち火事というものは火の浄化作用であって、物質に穢れが溜っているとその霊も曇っているから、これに火が移り易くなる。そこで浄霊をするとその曇りが消えるから、焼くべき材料が無くなり、火は方向転換するので全く自然である。従って火災を無くすには、何よりも物質の霊を曇らせないようにする事で、これより外に根本的火事を無くす法はないのである、としたらまず光明如来様を奉斎し、一家の霊界を浄めればいいのである。
 ところが近来のごとく各地に火災が多く、幾ら建てても焼失が多いので、住宅難の今日いつになっても解決出来ないのはもちろん、火災は物質の損害のみではなく、精神的損害も多大であり、回復するまでの労力や休業等の被害もすくなくないのであるから、当局も躍起となってベストを尽してはいるが、仲々思うようにゆかないのは、右のごとき霊的根本が分っていないからである。従って本当に火災無き日本とするには、大部分の人が本教信者になればいいんだが、そうもゆくまいから、今のところただ物質的防火法を行うより手段はないので、時を待つより致し方ないであろうが、いずれは神様が何とかして下さると思うのである。