―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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結核半減記念祝いに就て

『栄光』161号、昭和27(1952)年6月18日発行

 先日、日本における結核死亡率が半減したというので記念祝いをしたが、これを吾々からみると余りに軽率どころか、馬鹿馬鹿しいとさえ思われるのである。というのは、なるほど死亡率は半減したが、患者の数は少しも減らないのみか、依然として増加の傾向にあるので、この点深く考えてみるべきである。なるほど患者の数が減ったなら、それこそどんな御祝いしても、吾々も喜んで賛成したいが、死亡者だけの減少では、到底楽観は出来難いのである。これも医学は根本が分っていないから仕方がないが、実は喜ぶどころか悲観した方がいいくらいである。それを今詳しく解説するが、これが分ったなら冷汗三斗の人が随分あるであろう。
 いつもいう通り、近来ストマイ〔ストレプトマイシン〕、パス〔パラ‐アミノ‐サリチル酸〕等次々新薬が出るが、これらの薬効は毒物による浄化作用停止の力を強めたまでで、一時的に病気症状が減るから利くと思うだけで、実は小康を得るにすぎないのである。従って単に死ぬのが延びただけで、もちろん長くは続かないから安心は出来ないので、これが死亡率は減っても患者の数は減らない根本原因である。では今まで通りにしていれば、今後どうなるかというと、無論時の経つに従い再び浄化が起り始め、患者の数も増すので、再び薬を用いるが、今度は以前程に効かないから、毒を一層強めた薬が出来る事になるのはもちろんで、ちょうど麻薬中毒患者と同様である。そうしている中にいよいよ効かなくなり、ついには全然効果がなくなると共に、今までの強い薬毒の浄化も加わって、悪性結核激発となり、急死する者数知れずという事になろうから、今よりも幾層倍の結核患者が出来るであろう。
 以上のような訳でその時になったなら、今度の記念祝典を憶い出して身が縮むであろう。私はこのような悲観的な事は言いたくはないが、そうなるのは今から判っている以上、警告せざるを得ないのである。ここで重ねて言うが、今日のごとき死亡率半減期間は一時的であるから、来年、再来年というように、再び頭をもち上げ始めるのはもちろんであるから、当局も一般人も大いに周章(あわ)て出し、結局今日の新薬が恐怖時代を作った事になるのである。としたらその迷言たるや言うべき言葉はないのである。しかも文化の発達した米国の医学者達までが、依然としてその迷言に目覚めない今日、ここに神様は大慈大悲の大御心によって、私をして世界に知らしめんとなし給うのである。
 ここで今一つ重要な事がある。右のごとく新薬の効果によって、直に死なない半病人が増えるから、毀れ物扱いをされなければならないような消極的健康人が氾濫し、元気よく長時間働く事も出来ず、軽作業がやっとくらいの人間がおびただしい数に上るであろう。としたら国家全体から見ても由々しき大問題である。
 そこへゆくと本教浄霊は、保有しているだけの毒素を溶かして排泄させるのであるから、真の健康者となるから、これ程素晴しい福音はないであろう。従って当局も医家もこれを知ったなら、私情や私利を度外し、一日も早く吾々の仕事に参加すべきで、これこそ最も賢明であり、医学者否文化人としての真のあり方であろう。いずれはそうせざるを得ない事になるのは明らかであるから、好むと好まざるとにかかわらず、断然百八十度の転換を勧めて止まないのである。