―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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神霊医学は民主的医学なり

『光』22号、昭和24(1949)年8月13日発行

 現代医学は、人々はあまり気がつかないが、実はすこぶる差別的、非民主的である、貧乏人では高価な薬は買えない、病院に入院することも出来ない、また永く療養を続ける事は、経済的負担に堪えられない、従って療養の機会均等は望み得べくもない、それがため政府においてもやむを得ず健康保険法によって解決しようとしているが、これがまた思うようにゆかない、被保険の患者が、病気に罹った場合、保険医へ行っても、保険医は普通の患者と扱い方が違うという声はよく聞くところである、それがため被保険者でありながら、普通患者のごとく装い普通料金を払うという馬鹿馬鹿しい結果になる、とすれば、現代医学はおよそ民主的とは掛け離れた存在であるといえよう、しかし、これも現在社会の経済的実状としては、またやむを得ないところで、差当って改善の方法は見つからないようである。
 しかるにわが神霊療法は金持も貧乏人も何ら差別がない、何となれば、物質は一切用いないからで、ただ眼に見えざる霊の作用で、人体から放射する光波をもって体当りする。それで医療の何倍かの効果を奏するのであるから、全く理想的というべきであろう。
 以上のごとくであるから、本療法こそ、文字通り民主的医学といえよう。
 最近の毎日紙上日本医師会理事古畑積善氏の言によれば――

「普通の患者であればフトコロと相談の上の治療であって、ある者はちょっとの事でもこれを注射し、ある者は是非注射しなければならない場合でも、フトコロ具合でそれが出来ないというのが多い、この場合医師として採るべき態度は、残念ながら患者が決めてくれるので容易であり行きすぎる場合は少ない。
 いままでのように自由診療の面にこそ制限診療が事実において行われていたが、保険診療にこそ制限のない立派な治療が行わるべきである、従って自由診療の場合患者の負担となる診療費以上のものが保険診療に計上さるべきであり、これが実行されぬ限りはやはりわれわれ医師は事実において貧弱なる国家の財布と相談して行わざるを得なくなり、制限なしの診療もカラ念仏となるであろう。」

以上は全く前記の説の裏付であろう。