―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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守護神

『天国の福音』昭和22(1947)年2月5日発行

 いかなる人間といえども正守護神、または守護霊なるものが霊界にあって付随し、常に守護している事である。そうして人は神の子であり、神の宮で あるといわれるが、既説のごとくそれは神から受命されたすなわち神の分霊を有しているからで、これが本守誰神であり、後天的に憑依せる動物霊が副守護神で あるが、動物霊とは狐、狸、犬、猫、馬、牛、猿、鼬(いたち)等の獣類もしくは種々の龍神、天狗、あらゆる鳥類等がおもなるものである。大抵は一人一種で あるが、稀には二、三種以上の事もある。こういう事については現代人は到底信じ難く嘲笑する位であろうが、私が幾多の経験によって動かすべからざる実体を 把握し得たのであるから、否定は不可能である。そうしてさきに説いたごとく、本守護神は善性であり、良心であり、副守護神はその反対で悪であり、邪念であ る。仏教においては良心を菩提心(ぼだいしん)または仏心といい、邪念を煩悩または般若という。そうして本副両守護神のほか初めに書いたごとき正守護神が ある。これは祖先の霊であって人が生まれるやそれを守護すべく祖霊中の誰かが選抜されるのである。この場合普通は人霊であるが、同化霊である龍神、狐、天 狗等もある。私といえども副守護神は烏天狗で、正守護神は龍神である。よく人間が危険に遭遇した場合、奇跡的に助かったり、また暗示を与えられたり、夢知 らせや虫が知らせる等の事があるが、皆正守護神の活動によるのである。また芸術家が創作の場合や発明家が熱中する時一種のインスピレーションを受けるが、 これらももちろん正守護神の暗示である。その他人間の正しい希望が実現したり、信仰によって御利益を得る場合、神が正守護神を通じて行なわれるのである。 昔から至誠天に通ずるとか、真心が神に通ずるとかいうのは、神が正守護神を通じてその人に恩恵を垂れるのである。