―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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天然痘

『結核信仰療法』昭和27(1952)年12月1日発行

 ここで天然痘について詳しくかいてみるが、この病気の原因は先天性毒素のためであって、この毒素はもちろん親譲りのものであるが、この原因も薬毒が代々の祖先を通じて遺伝したものである。医学では毒素の濃厚なのを遺伝梅毒といい、民間で昔から胎毒というのもそれである。ところがこの毒素が浄化作用によって天然痘となり、皮膚面から排泄されようとする。これを怖れて解決したのが彼の有名な英国の医学者、エドワード・ジェンナー氏であって、一七九六年種痘を発見したのである。これによれば天然痘が発病しないため、人類に救世主のごとく今なお仰がれているのであるが、実をいうと種痘によって、天然痘毒素は消滅したのではなく、毒素の浄化力を弱めたまでで、然毒は依然としてそのまま体内に残存する。これは医学でもいうごとく、種痘の効果はある期間だけとしているのはそのためである。しかしそれだけならいいが、この残存毒素があらゆる病原となり、特に感冒の原因ともなるので、間接的には結核の原因とも言えるのである。これについては今から数十年程前、フランスのある学者が種痘法施行後、結核が殖えたという説を唱えたが、余り関心をもたれなかったとみえて、立消えとなったようである。もちろん余りハッキリしていない結核よりも、ハッキリして醜い痘痕(とうこん)を残す天然痘の方を怖れたからであろう。そうして今一つ気の付かない一事がある。それはかの疥癬という皮膚病であって、人も知るごとく全身的に湿疹が出来、猛烈な痒みがあり、激痛の加わる場合もある。重症になると豆粒大の紫黒色のブツブツが皮膚一面に表われ、その状態は天然痘そのままであるから、まず慢性天然痘といってもいいものである。しかもこの病気は非常に長くかかり、軽くて一、二年、重いのになると五、六年に及ぶ者さえある。従って一、二週間で済む病気を、種痘のため何十倍にも延ばす訳である。
 ところが本教浄霊によれば、いかなる重症天然痘でも簡単に治り、菊石(あばた)など決して残らないのであるから、何と素晴しい療法ではあるまいか。それについての好適例を左に挿入してみよう。〔以下略〕