――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ―――

 

御     歌

原   典

てらのもん むかしながらにゆかしけれ されどでんしゃのおとのひびきく
寺の門 昔ながらに床しけれ されど電車の音のひびき来
山と水 0695 S 8.**.** 滝野川
(田 端)
新東京を詠む
てんかいの しびのあるじにましませど このどすくいにあもりますかも
天界の 紫微の主に座ませど 此土救いに天降りますかも
御讃歌集
011
観音下生
てんくだけ ちはさけぬらんよのおわり しずかにみまもるまめひとのむれ
天砕け 地は裂けぬらむ世の終り 静かに見守る信徒のむれ
地上天国40
S27. 9.25
 
てんこうばやり どうです かねもちがびんぼうには
転向ばやり どうです 金持が貧乏には
山と水 1070
S 9. 2. 6
時 局
てんごくと じごくのさかいにためしなき しんりきふるうわれにぞありける
天国と 地獄の境に例しなき 神力揮ふ吾にぞありける
地上天国26
S26. 7.25
 
てんごくと みまがうばかりいわのまに しばくさつづらいももはなさける
天国と 見紛ふばかり岩の間に 芝草つづらひ百花咲ける
明麿近詠集
S24. 8.18
461
神仙郷
てんごくに みちびくもののちからこそ びのげいじゅつにまさるものなき
天国に 導くものの力こそ 美の芸術に勝るものなき
地上天国26
S26. 7.25
 
てんごくに よびとすくわむのぞみもて われまずてんごくにじゅうせむとすも
天国に 世人救わむ望みもて 吾先ず天国に住せむとすも
御讃歌集
303
芸 術
てんごくに よびとすくわんのぞみもて われまずてんごくのひととなるなり
天国に 世人救はむ望みもて 吾先ず天国の人となるなり
御讃歌集
(改)314
芸 術
てんごくの あれしをしらでれんごくの そこにうごめくむしんこうしゃよ
天国の 生れしを知らで煉獄の 底にうごめく無信仰者よ
「救世」63
S25. 5.20
 
てんごくの いしずえかたくきずかれぬ まがのまなこにうつらぬまにぞ
天国の 礎固く築かれぬ 曲の眼に映らぬ間にぞ
S26. 3.18 春季大祭
御歌12
てんごくの いしずえかたくきずかれぬ まがのまなこにうつらぬまにぞ
天国の 礎固く築かれぬ 曲の眼に映らぬ間にぞ
地上天国23
S26. 4.25
春季大祭を寿がれた御歌
てんごくの うづのみやいをうちたてし きょうのよろこびなににかたとえん
大神の 珍の宮居をうち樹てし 今日の慶び何にかたとえむ
明麿近詠集
S23. 5.**
351
早雲寮初祭
てんごくの うぶごえいまやあげんとし よはじんつうのなやみのなかなり
天国の 産声今や挙げんとし 世は陣痛の悩の中なり
明麿近詠集
S24. 6.17
444
神は十全
てんごくの うぶごえいまやあげんとし よはじんつうのなやみのなかなり
天国の 産声今や挙げんとし 世は陣痛の悩みの中なり
地上天国7
S24. 8.30
 
てんごくの うぶごえいまやあげんとし よはじんつうのなやみのなかなり
天国の 産声今や挙げむとし 世は神通の悩みの中なり
御讃歌集
(改)272
世の終り
てんごくの かたきいしずえようやくに このどのうえにうちたてられぬ
天国の 固き礎漸くに 此土の上に打樹てられぬ
御讃歌集
(改)297
地上天国
てんごくの かたきいしずえようやくに このどのうえにうちたてんかも
天国の 固き礎漸くに 此土の上に打ち樹てんかも
祭典時
S26. 2. 5
立春御詠04
てんごくの かたつくらんとささやかな みやいつくりぬかんれいのえに
天国の 型作らんとささやかな 宮居造りぬ函嶺の上に
明麿近詠集
S23. 5.**
350早雲寮初祭
てんごくの かみのみそのかかんれいの しんせんきょうをわれさすらえば
天国の 神の御苑か函嶺の 神仙郷を吾さすらへば
S26. 9.23 秋季大祭
御歌07
※函嶺、箱根山の異称。    
てんごくの げいじゅつもありじごくなる げいじゅつもありこころゆるすな
天国の 芸術もあり地獄なる 芸術もあり心ゆるすな
地上天国29
S26.10.25
神と恋
てんごくの じっそうあかすふみこそは いまわれつづるものにぞありける
天国の 実相証す書こそは 今吾綴るものにぞありける
地上天国26
S26. 7.25
 
てんごくの すがたうつしてばんにんを むげんのきょうにいざなうわれかな
天国の 姿映して万人を 夢幻の境に誘ふ吾かな
「栄光」164
S27. 7. 9
 
てんごくの そのうつよにうつしける ためしはいまだあらじとぞおもう
天国の 苑現し世に写しける 例しは未だあらじとぞ思ふ
箱根地上天国完成記念祭御歌 16
S28. 6.15
てんごくの そのうつよにうつしける ためしはいまだあらじとぞおもう
天国の 苑現し世に写しける 例しは未だあらじとぞ思ふ
地上天国49
S28. 6.25
箱根地上天国完成記念祭御詠
てんごくの そのにゆうゆうたのしみつ すくいのわざにいそしむわれかも
天国の 苑に悠々楽しみつ 救ひの業にいそしむ吾かも
箱根地上天国完成記念祭御歌 11
S28. 6.15
てんごくの そのにゆうゆうたのしみつ すくいのわざにいそしむわれかも
天国の 苑に悠々楽しみつ 救ひの業にいそしむ吾かも
地上天国49
S28. 6.25
箱根地上天国完成記念祭御詠
てんごくの そののもけいはあしびきの はこねのやまのうえにうまれぬ
天国の 苑の模型は足曳の 箱根の山の上に生れぬ
「光」 17
S24. 7. 9
天国の苑
てんごくの そののもけいをあしびきの はこねのやまのうえにたてなん
天国の 苑の模型を足曳の 箱根の山の上に立てなむ
明麿近詠集
S24. 5.13
399
天国の苑
てんごくの そのはかくやとおもおえて われしんせんきょうのなをつけにけり
天国の 苑は斯くやと思ほえて われ神仙郷の名をつけにけり
明麿近詠集
S24. 8.18
459
神仙郷
てんごくの ちいさきかたもておおいなる みろくのみよのいしずえたつるも
天国の 小さき型もて大いなる 五六七の御代の礎立つるも
S26. 9.23 秋季大祭
御歌10
てんごくの ちかめるしるしまざまざと わがめにうつりみちたらういま
天国の 近める徴まざまざと 我眼に映り満ち足らふ今
地上天国26
S26. 7.25
 
てんごくの はなにやあらんたかやまの いわおをつづりてさつきさくなり
天国の 花にやあらむ高山の 巌を綴りてさつき咲くなり
明麿近詠集
S24. 8.18
463
神仙郷
てんごくの みちをしらずばわれはいま よのうたてさになきくずれけん
天国の 道を知らずば吾は今 世のうたてさに泣きくづれけむ
山と水 1139
S 9. 9.10
天 国
てんごくの ゆめはいつしかまさゆめと なりていましもあれなんとする
天国の 夢はいつしか正夢と なりて今しも現れなむとする
明麿近詠集
S24. 6.17
476
最後の日
てんごくの ゆめをまざまざうつしよに あらわさんとするわがのぞみかも
天国の 夢をまざまざ現世に 現はさむとするわが望みかも
「救世」61
S25. 5. 6
 
てんごくは ちかづきにけりよのひとよ われにきたりてまなこひらけよ
天国は 近づきにけり世の人よ 吾に来りて眼開けよ
明麿近詠集
S21.11. 7
289
地上天国
てんごくは びのせかいなりじごくとは しこのせかいなりゆめわするるな
天国は 美の世界なり地獄とは 醜の世界なりゆめ忘るるな
「栄光」 210
S28. 5.27
 
てんごくは びのせかいなりしずのおも おみなもふうげつともとするなり
天国は 美の世界なり賤の男も 女も風月友とするなり
※賤=いやしい
「栄光」 218
S28. 7.22
 
てんごくは びのせかいなりすむひとの こころもともにうつくしかるなり
天国は 美の世界なり住む人の 心も共に美しかるなり
地上天国26
S26. 7.25
 
てんごくは びのせかいなればげいじゅつの いとゆたかなるところとしれかし
天国は 美の世界なれば芸術の いと豊かなる処と知れかし
「栄光」 165
S27. 7.16
 
てんごくは まずわがのりのにわちかく すでにきつるもよろこべよみな
天国は 先づ我教の庭近く 已に来つるも喜べよ悉
地上天国35
S27. 4.25
 
てんごくを うつせるみそのにひとしおの ふぜいをそゆるびのやかたかな
天国を 映せる御苑に一入の 風情を添ゆる美の館かな
地上天国51
S28. 8.25
箱根の夏
07
てんごくを このちのうえにつくるとう みわざのもとにいくるわれかな
天国を 此地の上に造るとう 御業の下に生くる吾かな
明麿近詠集
S21. 9.**
288
てんごくを このどにたつるわがねがい はやみえそめぬかすかながらも
天国を 此土に樹つるわが願ひ はや見え初めぬ微かながらも
岡田茂吉全集
S25. 2. 4
立春御歌
祭典時20
てんごくを このどにつくるおおみわざの しもべとなりしきょうのうれしさ
天国を 此土に造る大神業の 僕となりし今日の嬉しさ
御讃歌集
(改)112
斎き奉りて
てんごくを このどにつくるぶんめいは かみのみむねにひそめたまわん
天国を 此土に造る文明は 神の御胸にひそめ給はん
地上天国20
S26. 1.25
 
てんごくを このどにつくるぶんめいは かみのみむねにひそめたまわん
天国を 此土に造る文明は 神の御胸に秘め給はむ
御讃歌集
(改)167
大神業
てんごくを つくるもじごくをつくるのも こころのままなりひととうものは
天国を 作るも地獄を作るのも 心のままなり人とふものは
御讃歌集
(改)153
天国と
地獄
てんさいを うむじんさいのふかきりを あかすはしんちのかがくなりけり
天災を 生む人災の深き理を 分すは神智の科学なりけり
地上天国55
S28.12.25
 
てんさけび じしんかみなりとどろかん さいごのときのおそろしきさま
天叫び 地震雷轟かん 最後の時の恐しき状
S25.12.23 御聖誕祭
御歌13
てんちじん じゅんじょただしきたるみよを みろくのみよとわれはいうなり
天地人 順序正しき足御代を 五六七の御代と吾は曰うなり
明麿近詠集
S23.11. 3
372
てんにはじず ちにおそれなきひとにこそ かみがめぐもうせきしなるらん
天に恥ぢず 地に怖れなき人にこそ 神が愛もう赤子なるらむ
御讃歌集
(改)431
無題歌
てんにはじず ちにおそれなきひとにして かみがめぐまうせきしなるらん
天に恥じず 地に怖れなき人にして 神が愛まう赤子なるらん
地上天国11
S24.10.20
正直と嘘
てんねんと じんこうのびをこころゆく まであらわせるずいうんてんごく
天然と 人工の美を心ゆく まで表はせる瑞雲天国
地上天国16
S25. 8.15
瑞雲天国
てんねんと じんこうのびをこころゆく まであらわせるずいうんてんごく
天然と 人工の美を心ゆく まで表はせる瑞雲天国
御讃歌集
(改)377
瑞雲天国(一)
てんねんの びをおもうさまいかしつつ じんこうのびをそゆるしんえん
天然の 美を思ふさま生かしつつ 人工の美を添ゆる神苑
地上天国35
S27. 4.25
 
てんねんの ふうちをいかしじんこうの びにいろどりてしんえんなりぬ
天然の 風致を生かし人工の 美に彩りて神苑成りぬ
明麿近詠集
S24. 8.18
452
神仙郷
てんのちち えほばはいざなぎのみことなり われにみちからたまうかしこさ
天の父 エホバは伊邪那岐之尊なり 吾に御力給ふ畏さ
地上天国28
S26. 9.25
神と吾
てんのとき きたるをまちつおおもりの いおりにおきふすわがみなりける
天の時 来るを待ちつ大森の 庵におき伏す我身なりける
山と水 1011
S 8.**.**
待 つ
てんふるい ちじくゆるがんときこそは かみのちからにたよるほかなき
天震ひ 地軸揺がむ時こそは 神の力に頼る外なき
S25.12.23 御聖誕祭
御歌14
てんりおうの  みことはてんりんぼさつにて せいかんのんのけしんとぞおもう
天理王の 尊は転輪菩薩にて 聖観音の化身とぞ思う
※天理王の尊=天理教の親様
御讃歌集
079
圓満具足
てんわたる つきにそいつつきみがりに ゆきてみばやといくよおもいし
天渡る 月に添ひつつ君許に 行きて見ばやと幾夜思ひし
山と水 0070
S 6. 7. 1

(仮想歌)
てんをうつ どとうもかがみのごとくなぐ うみもかわらぬうみにぞありける
天を撃つ 怒涛も鏡の如く凪ぐ 海もかはらぬ海にぞありける
山と水 0168
S 6. 8.15
てんをます おおきもふたばのいとちさき ころもありけることしおもおゆ
天をます 大樹も双葉のいと小さき 頃もある〔り〕ける事し思ほゆ
地上天国出来るまで04
S25. 9.21
てんをます おおきもふたばのいとちさき ころもありけることしおもおゆ
天をます 大樹も双葉のいと小さき 頃もありける事し思ほゆ
光宝会資料
S25. 9.21
秋季大祭
御詠04
てんをます おおきもふたばのいとちさき ころもありけることしおもおゆ
天をます 大樹も双葉のいと小さき 頃もありける事し思ほゆ
「栄光」 72
S25.10. 4
秋季大祭
御歌04
てんをます おおきもふたばのいとちさき ころもありけるよにしあるなり
天をます 大樹も双葉のいと小さき 頃もありける世にしあるなり
御讃歌集
(改)416
ぐうかん
偶 感
※天をます=天を摩する。天に接するほど高い。    

 

 

御     歌

原   典

でぱーとの おくじょうにいてろくがつの そらをあおげばかぜすがすがし
デパートの 屋上に居て六月の 空を仰げば風すがすがし
山と水 1219
S10. 6.15
六月の空
でんえんを ふくあきあぜのつめたかり のがわにうつるみかづきのかげ
田園を ふく秋風の冷たかり 野川にうつる三ケ月の光
山と水 0985
S 8.10.10
冬近し
でんせつの おおかたあらんみずあおく よどみてふるものただよえるいけ
伝説の おほかたあらむ水青く 淀みて古藻のただよえる池
山と水 0304
S 6.10.20
古 池
でんせんがそらに つきのそらに かすかにふるえている はるはあさい
電線が空に 月の空に かすかにふるえてゐる 春は浅い
山と水 0439
S 7. 1.18
動 く
でんせんに しもいてりつききらきらと つきにひかりてひとあしたえける
電線に 霜凍りつききらきらと 月に光りて人足絶えける
山と水 0379
S 6.12.23
寒 夜
でんせんに ふるえるつゆをながめつつ はるさめのひをうっとうしむも
電線に ふるえる露をながめつつ 春雨の日をうつとうしむも
山と水 1195
S10. 3.11
雨 後
でんちゅうの かたがわかくせししらゆきの ひにとけかかりもじあらわれぬ
電柱の 片側かくせし白雪の 陽に溶けかかり文字あらわれぬ
山と水 0414
S 6.12.25

75首