――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ―――

各式典における御讃歌

昭和11年

     
    春の大御祭      昭和11年 5月15日  岡田茂吉全集  
1 はなわらい ももとりうたいさながらに あまつみそのかこれのたかぞの
花笑ひ 百鳥歌ひさながらに 天津御苑かこれの高園
 
2 はらからに ますしたしさのおもうどち うちよりつどうきょうのみまつり
同胞に 増す親しさの思ふどち 打寄り集ふ今日の御祭
 
3 よをすくう むげのこうみょうくまもなく てらすゆにわかぎょくせんのその
世を救ふ 無礙の光明隈もなく 照す斎場か玉川の苑
 
4 かぎりなき おおみめぐみをたたえさせ たまえといのるきょうのみまつり
限りなき 大御恵を称へさせ 給へと祈る今日の御祭
 
5 たたえても たたえつくせぬものみなの おおきいのちをたまうみめぐみ
称へても 讃へつくせぬはものみなの 大き生命を賜ふ御恵
 
6 むらきもの いのちたまいしよろこびを おうたにこめてきょうぞうたわん
村肝の 生命賜ひし喜びを 御歌にこめて今日ぞ歌はん
 
7 よろこびの なみだおさえしめにうつる こうごうしさのきみがみすがた
喜びの 涙制へし目にうつる 神々しさの君が御姿
 
8 はなちりて もものきのえもみのりけり ぐせのみわざのさかえみるがに
花散りて もも木の枝も実りけり 救世の御業の栄え見るがに
 
9 くさもきも はなちりぬれどいやしげる たのしきなつのちかくなりける
草も木も 花散りぬれどいや繁る 楽しき夏の近くなりける
 
10 はなちりて みのるぞてんちのさだめなり みのりのときのまたれぬるかも
花散りて 実るぞ天地のさだめなり 実りの時の待たれぬるかも
 
11 はなにおい ふくかぜかおるおおどのに たのしくうたうはるのみまつり
花匂ひ ふく風薫る大殿に たのしく歌ふ春の御祭
 
     
     
    万照殿仮地鎮祭  三恵四恩  昭和11年 6月23日  岡田茂吉全集  
     
1 うれしけれ うちとのかきのとれにける またれしやすきたるみよはきぬ
嬉しけれ 内外の垣の除れにける 待たれし安き足御代は来ぬ
 
2 ひのもとの たみもよろずのくにびとも かみのみめにはけじめなからめ
日の本の 民も万の国人も 神の御眼には差別なからめ
 
3 くにぐにの さかいはあれどひのもとも とつくにびともおなじかみのこ
国々の 境はあれど日の本も 外国人も同じ神の子
 
4 あまてらす すめおおかみはおおぞらに かがやきましてひるまもらすも
天照 皇大神は大空に 輝きまして昼守らすも
 
5 ひさかたの よごとのそらのかげなごめ みよもりたまうつきよみのかみ
久方の 夜毎の空の光和め 御代守り給ふ月読神
 
6 ひとつきの めぐみのさちにうつしよの いきとしいきるものぞさかゆる
日と月の 恵みの幸に現世の 生きとし生ける物ぞ栄ゆる
 
7 うちそとの へだてもなごみやおよろず かみひとむつみあうみよはきぬ
内外の へだてもなごみ八百万 神人睦み合ふ御代は来ぬ
 
8 とうほうの ひかりはひろぎひろごりて にしのはてまでてらしゆくらん
東方の 光はひろぎひろごりて 西の涯まで照しゆくらん
 
9 ひとつきと つちのめぐみをいやたたえ みつのごおんといまゆとなえん
日と月と 土の恵みをいや讃へ 三つの御恩と今ゆ唱へん
 
10 おおきみの みとくをたたえおやとすと しゅじょうのさちをしおんといいける
大君の 御徳をたたへ親と主と 衆生の幸を四恩と言ひける
 
11 さんけいしおん こころにきざみくにのため よのためつくせひととうまれて
三恵四恩 心に刻み国の為 世の為竭せ人と生れて
 
     

昭和23年

     
    新年の御歌     昭和23年1月1日  御光話録(補)  
1 いたつきの ようやくいえてあらたまの としのはじめをむかううれしさ
いたつきの 漸く癒てあらたまの 年の始を迎ふうれしさ
 
2 あらたまの としをむかえてみもたまも きよきかりけりかみとあるみは
あらたまの 年を迎へて身も魂も 清きかりけり神とある身は
 
3 ぬばたまの やみじもつきてこうみょうの みちふみそめしここちこそすれ
ぬばたまの 闇地〔路〕も尽きて光明の 道踏み初めし心地こそすれ
 
4 じつげつち さんみいったいのみちからを ぐびしていでますみろくおおかみ
日月地 三位一体の御力を 具備して出でます彌勒大神
 
     
    立春の日の御歌   昭和23年2月4日  御光話録(補)  
1 たつはるの ことしきょうのひなにかしら ゆくてあかるきここちこそすれ
立つ春の 今年今日の日何かしら 行手明るき心地こそすれ
 
2 としごとに いわうはるたつこのよきひ ことにまつらんかみのみまえに
年毎に 祝ふ春立つ此のよき日 ことに祀らむ神の御前に
 
3 きょうはしも ことしはるたつよきひなり わがわざひらくるはじめとぞおもう
今日はしも 今年春立つよき日なり 吾業開くる始とぞ思ふ
 
     

 

昭和24年

     
    立春の御歌   昭和24年2月4日  御光話録4号  
1 きびしかりし ふゆのさむさにとばりして いとおおらかにはるはきにけり
きびしかりし 冬の寒さにとばりして いと大らかに春は来にけり
 
2 かんざくら はやちりそめてあたたかき ゆのまちあたみにはるはたちけり
寒桜 早や散り初めてあたゝかき 湯の町熱海に春は立ちけり
 
3 しらうめの こずえにあたるひさきにも それとしられてはるたちそめぬ
白梅の 梢にあたる日先にも それと知られて春立ちそめぬ
 
4 ながかりし ふゆのさむさもはるたちて はなさきももとりうたふとききぬ
永かりし 冬の寒さも春立ちて 花咲き百鳥歌ふ時来ぬ
 
5 ふゆすぎて たつはるのごとわがわざも はなさきにおうときとなりぬる
冬過ぎて 立つ春の如吾業も 花咲き匂ふ時となりぬる
 
6 うめがかの におうにわべにわれたちて はるたつきょうのおもひふかしも
梅が香の 匂ふ庭辺に吾立ちて 春立つ今日の思ひ深しも
 
7 あずさゆみ はるたつきょうのうれしさよ まことのひとたちつどうこのよい
梓弓 春立つ今日のうれしさよ 誠の人たち集ふこの宵
 
8 たつはるを いわうこのよいでんとうの ほかげにはゆるひとびとのおも
立つ春を 祝ふこの宵電灯の 灯かげに映ゆる人々の面
 
     
           昭和24年4月4日   御光話録7号  
1 ああときは せまりきにけりまちわびし みろくのみよはほのみえそめぬ
あゝ時は 迫り来にけり待ち佗びし 弥勒の御代はほの見え初めぬ
 
2 みろくのよ みえそむるともこころせよ まがはひまなくねらいつめおり
弥勒の世 見え初むるとも心せよ 曲は隙なく狙ひつめ居り
 
3 きりすとに さたんしゃかにだいばあり われにもありぬもろもろのまが
キリストに サタン釈迦に提婆あり 我にもありぬもろもろの曲
 
4 まがかみは いかにさやるもおそれまじ われにはむげんのしんりきありせば
曲神は 如何に障るもおそれまじ 我には無限の神力ありせば
 
5 よのひとよ いまわがふるうちからより うえのちからはなしとこそしれ
世の人よ 今我が揮ふ力より 上の力はなしとこそ知れ
 
6 うつしよの みだれをただしじゅんじょよき みようちたてんわがのぞみかな
現世の 乱れを釐し順序よき 御代打樹てんわが望みかな
 
7 みろくとは ひみずつちのじゅんじょよき まったきのよをいうにありけり
五六七とは 火水土の順序よき 完きの世をいふにありけり
 
8 わがふるう ちからはいまだうつしよに あれたることなきちからにぞある
わが揮ふ 力は未だ現し世に 現れたる事なき力にぞある
 
9 きりすとも しゃかもこうしもまほめっとも わがあれいずるまでのくさびそ
キリストも 釈迦も孔子もマホメットも わが現れ出づるまでの楔そ
 
10 まちのぞむ めしやのちからもわがふるう ちからもおなじちからなりけり
待ち望む メシヤの力もわが揮ふ 力も同じ力なりけり
 
11 えいこうの くもよりくだるきりすとの よにしれわたるときぞちかみぬ
栄光の 雲より降るキリストの 世に知れ渡る時ぞ近みぬ
 
12 あなとうと てんよりくだるきりすとを いわうはれるやのこえぞうれしき
あな尊と 天より降るキリストを 祝ふハレルヤの声ぞ嬉しき
 
13 きりすとも しゃかもめしやもかんのんも ひとのすがたのかみにぞありける
キリストも 釈迦もメシヤも観音も 人の姿の神にぞありける
 
14 こえがたき このうつしよのおおとうげ やすくこえなむかみのめぐみに
越え難き 此の現世の大峠 安く越えなむ神の恵みに
 
15 おおいなる かみのちからをみするとも あわれめしいのめにはうつらじ
大いなる 神の力を見するとも 哀れ盲の眼には映らじ
 
16 おおかみの ふかきしぐみはもろびとの まなこにうつらぬものとしれかし
大神の 深き仕組は諸人の 眼に映らぬものと知れかし
 
17 おおいなる かみのしぐみのいとちさき ひとのまなこになどうつらめや
大いなる 神の仕組のいと小さき 人の眼になど映らめや
 
18 ひかりなり ああひかりなりいあならん こきやみとてもうちはるるなり
光なり あゝ光なりいかならん 濃き闇とても打ちはるゝなり
 
19 いやはてに てんよりくだるきりすとに よのもろもろはよみがえるらむ
いやはてに 天より降るキリストに 世のもろもろは甦るらむ
 
     

 

昭和25年

     
    新年御歌   昭和25年元旦    光宝会資料より  
 

  後に地上天国13号に「大浄化」として加筆掲載

 
1 ことしはも ただならぬよとなりぬらん ただありやかにいえぬがかなし
今年はも ただならぬ世となりぬらむ ただありやかに言へぬが悲し
 
2 うつしよに ためしとてなきおおいなる うつりかわりのひにせまりくも
現世に 例しとてなき大いなる 移り変りの日にせまり来も
 
3 あらたまの としをむかえてことほがん かみのしぐみのひらくきざしに
新玉の 年を迎へて祝がむ 神の仕組の開くきざしに
 
4 まちのぞむ みろくのみよはととのいて きよきちじょうにたてなんとすも
待ち望む 五六七の御代は整ひて 清き地上に建てなんとすも
 
5 ゆきづまり ゆきももどりもならぬよは しゅうまつのよのしるしなるらん
行き詰り ゆきも戻りもならぬ世は 終末の世のしるしなるらん
 
6 ながきよを つもりつもりしちりあくた きよめてあるるちじょうてんごく
長き代を 積りつもりし塵芥 浄めて生るる地上天国
 
7 ことのはも ふでにもなどかつくすべき このうつしよのおわりのさまはも
言の葉も 筆にもなどか尽すべき 此現代の終りの状はも
 
8 まちわびし ことしのよきひきたりけり いざはらおびをかたくしめなん
まちわびし 今年のよき日来りけり いざ腹帯を固く締めなむ
 
9 いとふかき かみのしぐみはことしより いちぢるしけれこころせよみな
いと深き 神の仕組は今年より いちぢるしけれ心せよみな
 
10 いかならむ ことおこらんかおおかみの うずのしぐみのいとふかければ
いかならむ 事起らむか大神の 珍の仕組のいと深ければ
 
11 いかならん よやきつるとておおかみの まもりあるみのなどおそれめや
如何ならむ 世や来つるとて大神の 護りある身のなど恐れめや
 
12 ただかみに うちまかすよりせんなけれ ちからとてなきひとのみたまは
ただ神に うち委すより詮なけれ 力とてなき人の身魂は
 
13 みもたまも かみにまかせばやすかりぬ ただならぬよのいまきつるとて
身も魂も 神に委せば安かりぬ ただならぬ世の今来しつるとて
 
14 かみはなしと いとほこらげにいいしひと ほろびゆくさまみるぞかなしき
神はなしと いと誇らげに言ひし人 滅びゆく状見るぞ悲しき
 
15 くずれゆく このうつしよをまことなき ひとのちからにささえうべきや
崩れゆく 此うつし世を誠なき 人の力に支え得べきや
 
16 まことなき ひととまことのあるひとの けじめつくよぞおわりなりけり
誠なき 人とまことのある人の けじめつく世ぞ終りなりけり
 
17 かみをそしり おろがむひとをあなどりし ひとのもがかんよのおわりくも
神をそしり 拝む人を侮りし 人のもがかむ世の終り来も
 
18 ぜんいんぜんか あくいんあっかのありやかに しらるるときぞよのおわりなる
善因善果 悪因悪果のありやかに 知らるる時ぞ世の終りなる
 
19 ぜんがさかえ あくのほろぶるときこそは みろくのみよのはじまりにぞある
善が栄え 悪の滅ぶる時こそは 五六七の御代の始まりにぞある
 
20 やおよろず くにとうくにはあいむすび ひとつになるぞみろくせいだい
八百万 国とふ国は相結び 一つになるぞ弥勒聖代
 
21 ながきよの ゆめはまこととなりぬらん そのきざしはもはやみえそめぬ
長き世の 夢はまこととなりぬらむ その徴しはも早や見え初めぬ
 
22 こころから きょうのよきひをことほがん みろくのみよのさかいなりせば
心から 今日のよき日を祝がむ 弥勒の御代の境なりせば
 
23 うつしよは いまだみろくのよのすがた みえねどひそかにめぐみそめける
うつし世は 未だ弥勒の世の姿 見えねどひそかに芽ぐみ初めける
 
24 れいかいの たかきまなかにかがやける みろくのみよははやきずかれぬ
霊界の 高き真中に輝ける 弥勒の御代ははや築かれぬ
 
25 おおかみの ひかりはいよよかがやいて まがかみふためくさまのおかしさ
大神の 光はいよよかがやひて 曲神ふためくさまの可笑しさ
 
26 わざわいと よきこといちどにきつるなり よのかわりめのときとなりなば
禍と 吉き事一度に来つるなり 世の替り目の時となりなば
 
27 ながきよを もちあらしたるまがつかみ かみにひれふすときぞちかみぬ
長き世を 持ち荒したる曲津神 神にひれ伏す時ぞ近みぬ
 
28 ただならぬ よのおおとうげきつるとき ひとみなかみのみなをとなえん
ただならぬ 世の大峠来つるとき 人みな神の御名を唱へむ
 
29 つみけがれの おもきにおうておおとうげ あえぎのぼるもはやかいなけれ
罪穢の 重き荷負ふて大峠 喘ぎ登るもはや甲斐なけれ
 
30 つみのおもに せおうにたえでおおとうげ うえよりおつるひとさわならん
罪の重荷 背負ふに堪へで大峠の 上より落つる人沢ならむ
 
31 こうみょうの いやかがやくやいかならん まがのたくみもかくすによしなし
光明の いや輝くや如何ならむ 曲の企みも隠すに由なし
 
32 かみありや なしやのなぞもありやかに ひとのめにみゆよのおわりかな
神ありや なしやの謎もありやかに 人の眼に見ゆ世の終りかな
 
33 きりすとも しゃかももろもろせいじゃたちの おしえをいかすわれにぞありける
キリストも 釈迦も諸もろ聖者たちの 教を生かす吾にぞありける
 
34 いにしえの せいじゃのよげんわれがてに あかしをたてんよぞきつるなり
古への 聖者の予言吾が手に 証を立てむ世ぞ来つるなり
 
35 うつしよに われのあるるをいくちとせ まちわびにけんもものせいじゃよ
現世に 吾の生るるを幾千歳 待ちわびにけむ諸の聖者よ
 
36 あやまれる よのことごとをこうみょうに てらしてただしくきためんとすも
誤れる 世の悉を光明に 照らして正しくきためんとすも
 
37 むかしより もものせいじゃはいでしかど やまいのもとをしるひとぞなき
昔より 諸の聖者は出でしかど 病の因を知る人ぞなき
 
38 やまいなき ひとをつくらんかむわざは ひとをつくりししんりきなりけり
病なき 人を作らむ神業は 人を作りし神力なりけり
 
39 やまいなき よとなりぬればまずしきも いさかいもきゆことわりしれかし
病なき 世となりぬれば貧しきも 争も消ゆ理知れかし
 
40 きゅうせいの わざとしいえどやまいなき ひとをつくらんことにぞありける
救世の 業としいえど病なき 人を作らむ事にぞありける
 
41 ひとのやまい なおすちからをもたずして などこのうつしよをすくいうべきや
人の病 治す力を持たずして など此現世を救ひ得べきや
 
42 やまいなき ひとをしつくるちからこそ ばんゆうすくうちからにぞある
病なき 人をし作る力こそ 万有救ふ力にぞある
 
43 きゅうせいの みちからふるわんいましよは くずれんとするぜんやなりせば
救世の 神力揮はむ今し世は 崩れんとする前夜なりせば
 
44 いまのよに われうまれずばあめがした もののいのちはいかになりなん
今の世に 我生まれずば天が下 ものの命は如何になりなむ
 
45 よのおわり きつるいまはもおおかみは われあれしめてよぞすくうなり
世の終り 来つる今はも大神は 我生れしめて世ぞ救ふなり
 
46 おおかみの よさせたまいしおもきにん われうべないてふるいたつなり
大神の 委せ給ひし重き任 吾うべなひて揮ひ起つなり
 
     
     立春御歌   昭和25年2月4日   岡田茂吉全集より  
 

         光宝会資料では初めの7首。後「救世」49号に掲載

 
1 このとしの はるたつきょうをめでたくも メシヤきょうかいそうりつなしける
此年の 春立つ今日を目出たくも 救世教会創立なしける
 
2 ながきよを かくろいませしとこたちの かみいでまさんはるたつきょうのひ
長き世を かくろいませし常立の 神出でまさむ春立つ今日の日
 
3 はるたつとう ことのはさえもなにがなし ときめくこころのわきてくるかも
春立つとう 言の葉さえも何がなし 時めく心の湧きてくるかも
 
4 ふゆのひの ながきをしのぎしのぎきて にわのしらうめふくらみにける
冬の日の 長きを凌ぎ凌ぎ来て 庭の白梅ふくらみにける
 
5 ものいはぬ しらうめでさえはるたつを しるやみつよつはなのさきいづ
物言はぬ 白梅でさえ春立つを 知るや三つ四つ花の咲きいづ
 
6 むそななつ としかさねくもこのとしの たつはるきょうのまたなきおもい
六十七つ 歳重ね来も此年の 立つ春今日のまたなき思ひ
 
7 はるたちて もゆるおもいはふゆすぎし のやまのいろにもさもにのわがこころ
春立ちて 燃ゆる想いは冬過ぎし 野山の色にもさも似のわが心
 
8 かんのんの じひとはぜんあくむさべつに みそなわせたまうことにぞありける
観音の 慈悲とは善悪無差別に 鑒はせ給ふ事にぞありける
 
9 よしとあし たてわけさばきのみちからを ふるうめしやのみわざかしこし
善と悪 立別裁きの御力を 揮ふメシヤの御業畏こし
 
10 かんぜおん またのみなだいひぼさつとは ぶつめつのよのかなしみにぞある
観世音 又の御名大悲菩薩とは 仏滅の世の悲しみにぞある
 
11 ぜんをたたえ あくをとがめぬかんぜおん ぼさつのみこころこころとせよみな
善を讃へ 悪を咎めぬ観世音 菩薩の御心心とせよみな
 
12 かんぜおん ぼさつのおんなようきさせ めしやのみなによぞすくうなり
観世音 菩薩の御名揚棄させ メシヤの御名に世ぞ救ふなり
 
13 かんのんの ころもをかなぐりすてたまい めしやとあるるおおいなるとき
観音の 衣をかなぐり捨て給ひ メシヤと現るる大いなる時
 
14 ぜんはさかえ あくはほろびんよはいまや きたらんとすもうれしからずや
善は栄え 悪は滅びむ世は今や 来らむとすも嬉しからずや
 
15 しこのよは すみきわまりてすがすがし うましのみよははやあれしなり
醜の世は 澄み極まりて清すがし 美しの御代ははや生れしなり
 
16 いくちとせ しいたげられしまさみちの ひかりはようやくかがやきそめける
幾千歳 虐げられし真道の 光は漸くかゞやき初めける
 
17 しゃくそんの となえしぶつめつのよはすみて いよようまるるかみのおおみよ
釈尊の 唱へし仏滅の世はすみて いよゝ生るゝ神の大御代
 
18 きりすとの となえたまいしよのおわり とはよるのおわりにぞある
キリストの 唱へ給ひし世の終り とは夜の終りにぞある
 
19 よるはすみ あかるきひるのよとなれば ちりもあくたもきえてあとなし
夜はすみ 明るき昼の世となれば 塵も芥も消えて跡なし
 
20 てんごくを このどにたつるわがねがい はやみえそめぬかすかながらも
天国を 此土に樹つるわが願ひ はや見え初めぬ微かながらも
 
21 うるわしき てんごくらくどのじっそうは ひとのちえもてはかりがたなき
美はしき 天国楽土の実相は 人の智慧もて測りがたなき
 
22 かんのんめしや みろくこうみょうにょらいとう みなはかわれどひとつかみなり
観音メシヤ 五六七光明如来とふ 御名は変れど一つ神なり
 
23 たてよこを むすびていよよやそくにの ひとつにならんときぞちかきも
経緯を 結びていよゝ八十国の 一つにならん時ぞ近きも
 
24 かりこもの みだれたるよをたてよこの ひとつにむすぶみわざとうとき
苅菰の 乱れたる世を経緯の 一つに結ぶ神業尊し
 
     
     五六七祭御歌  昭和25年3月5-7日 五六七大教会春季祭典  
 

   『救世』第53号、昭和25年3月11日

 
1 かしこくも だいじだいひのかんぜおん ぼさつはめしやのみなになりませり
畏くも 大慈大悲の観世音 菩薩はメシヤの御名になりませり
 
2 よるのよの おわりせまりぬほのぼのと かみのひかりはいでそめにける
夜の世の 終り迫りぬほのぼのと 神の光は出で初めにける
 
3 かんぜおん メシヤとならせたまいしは だいしんぱんのせまればなりけり
観世音 救世主とならせ給いしは 大審判の迫ればなりけり
 
4 はれるやの かんこのこえにかがやいて くだるめしやをあおぐうれしさ
ハレルヤの 歓呼の声に輝いて 降るメシヤを仰ぐ嬉しさ
 
5 あんうんの まくうちやぶりひのごとく めしやのすくいのひかりいでなん
暗雲の 幕うち破り日の如く メシヤの救の光出でなむ
 
6 たちこむる よのあんうんをうちはらい えほばをおうてくだるめしやは
立罩むる 世の暗雲をうち払い エホバを負うて降るメシヤは
 
7 きりすとの さいりんメシヤのこうりんも みろくげしょうもおなじいみなる
キリストの 再臨救世主の降臨も 弥勒下生も同じ意味なる
 
8 ひかりなごめ ちりにまじこりおうしんの みろくのかむわざはやすみにける
光和め 塵に同こり応身の 弥勒の神業はやすみにける
 
9 げんばくの ふかきしぐみにほろぶよを すくいますらんおおみちからに
原爆の 深き仕組に滅ぶ世を 救いますらむ大神力に
 
10 おおみわざ ふかきしぐみはそこしらず ただみこころのままにまかせよ
大御業 深き仕組は底知らず 只御心のままに委せよ
 
11 ああかみの おおみめぐみをもろびとに しらさんとしてこころくだくも
嗚呼神の 大御恵をもろ人に 知らさむとして心砕くも
 
12 みろくしん たたえるきょうのみまつりに つどうまめひとのおもかがよえる
みろく神 讃える今日の御祭りに 集う信徒の面輝よえる
 
13 わこうどうじん おうしんのわざようやくに すみにけらしもゆめのごとくに
和光同塵 応身の業やうやくに すみにけらしも夢の如くに
 
14 かしこくも おうしんのきぬかなぐりて たたむめしやのいさぎよきかも
畏くも 応身の衣かなぐりて 起たむメシヤのいさぎよきかも
 
15 るいらんの あやうきよとはなりにけり すくいのぬしのはやいでませよ
累卵の 危き世とはなりにけり 救いの主のはや出でませよ
 
16 とこやみの よやてのひらをうちかえす ごととこはるとなるぞうれしき
常暗の 世や掌を打かえす 如常明となるぞ嬉しき
 
17 ぬばたまの やみうちはらすにょいのたま いでてあかるきよとなりぬらん
奴羽玉の 暗打晴らす如意の珠 出でて明るき世となりぬらん
 
18 いかならん まがつといえどとこたちの かみのちからにはむかいうべしやは
如何ならむ 曲津といえど常立の 神の力には向いうべしやは
 
     
     光宝会大祭御歌   昭和25年3月**日   光宝会資料より  
1 かしこくも だいじだいひのかんぜおん ぼさつはめしやのみなになりませり
畏くも 大慈大悲の観世音 菩薩はメシヤの御名になりませり
 
2 よるのよの おわりせまりぬほのぼのと かみのひかりはいでそめにける
夜の世の 終り迫りぬほのぼのと 神の光は出で初めにける
 
3 かんぜおん メシヤとならせたまいしは だいしんぱんのせまればなりけり
観世音 救世主とならせ給いしは 大審判の迫ればなりけり
 
4 あんうんの まくうちやぶりひのごとく めしやのすくいのひかりいでなん
暗雲の 幕うち破り日の如く メシヤの救の光出でなむ
 
5 たちこむる よのあんうんをうちはらい えほばをおうてくだるめしやは
立罩むる 世の暗雲をうち払い エホバを負うて降るメシヤは
 
6 きりすとの さいりんメシヤのこうりんも みろくげしょうもおなじいみなる
キリストの 再臨救世主の降臨も 弥勒下生も同じ意味なる
 
7 ひかりなごめ ちりにまじこりおうしんの みろくのかむわざはやすみにける
光和め 塵に同こり応身の 弥勒の神業はやすみにける
 
8 げんばくの ふかきしぐみにほろぶよを すくいますらんおおみちからに
原爆の 深き仕組に滅ぶ世を 救ひますらむ大神力に
 
9 おおみわざ ふかきしぐみはそこしらず ただみこころのままにまかせよ
大御業 深き仕組は底知らず 只御心のままに委せよ
 
10 ああかみの おおみめぐみをもろびとに しらさんとしてこころくだくも
嗚呼神の 大御恵をもろ人に 知らさむとして心砕くも
 
11 くずれゆく このどをめしやのちからもて たてなおさんとわれはいそしむ
崩れゆく 此土をメシヤの力もて 建直さんと吾はいそしむ
 
12 たおれんと するよをこんごうりきをもて ささえたまわんとこたちのかみ
倒れんと する世を金剛力をもて 支え給はむ常立の神
 
13 みせんざん いとどながめのよきところ すいしょうせかいのかたつくらんとすも
弥仙山 いどと眺めの好き所 水晶世界の型造らんとすも
 
14 ちりけがれ はらいきよめておおかみは すいしょうせかいうちたつるなり
塵汚れ 祓い浄めて大神は 水晶世界打樹つるなり
 
15 はれるやはれるやの かんこのこえにむかえられ あめよりくだるめしやまつなり
ハレルヤハレルヤの 歓呼の声に迎えられ 天より降るメシヤ待つなり
 
16 あたらしき うるわしのみよはあれんとし よはじんつうのなやみのなかなる
新しき 美はしの御代は生れんとし 世は陣痛の悩みの中なる
 
17 かがやいて しょうりのみやこへあまくだる めしやはかんぜおんぼさくにおわすも
輝いて 勝利の都へ天降る メシヤは観世音菩薩に在すも
 
18 ぬばたまの やみじさまようこひつじを あわれみたえるみろくおおかみ
奴羽玉の 暗路さ迷ふ小羊を 哀れみ給えるミロク大神
 
19 ぬきもさしも ならぬこのよにめしやきょう いでずばみらいはいかになるらん
抜きも差しも ならぬ此世にメシヤ教 出でずば未来は如何になるらむ
 
20 かげんみの じっそういともありやかに しらすめしやのおしえとうとし
過現未の 実相いともありやかに 知らすメシヤの教尊し
 
21 さながらに てんごくなれやまめひとの みなかがよえるきょうのみまつり
宛らに 天国なれや信徒の みな輝よえる今日の御祭
 
     
     春の大祭  昭和25年3月**日  天国大教会に寄せられた御歌  
 

『救世』第58号、昭和25年4月15日

 
1 ちじょうてんごく たつるずいうんさんのもと はるのみまつりいわうめでたさ
地上天国 建つる瑞雲山の下 春の御祭祝ふめでたさ
 
2 ちじょうてんごく いまうちたつるつちのねは そらにひびかいいさましきかも
地上天国 今打樹つる槌の音は 空にひびかい勇ましきかも
 
3 ちよよろず としをかさねておおかみの しぐみはいましなりなんとすも
千代万 歳を重ねて大神の 仕組は今し成りなむとすも
 
4 いくちとせ またれぬるかもあくがれの ちじょうてんごくいまあれなんとすも
幾千歳 待たれぬるかもあくがれの 地上天国今現れなむとすも
 
5 めでたけれ おもうがままにてんごくの せっけいなりぬかみのまもりに
芽出度けれ 思ふがままに天国の 設計成りぬ神の守りに
 
6 さぞやさぞ ずいうんてんごくうちたつる あかつきよびとめぞみはるらん
さぞやさぞ 瑞雲天国打樹つる 暁世人目ぞ瞠るらん
 
7 よをあげて いまわしきことどもしげかるは かみをわすれしつみなればなり
世を挙げて 忌はしき事ども繁かるは 神を忘れし罪なればなり
 
8 さながらに じごくえまきのうつしよを そとにてんごくつくるたのしさ
宛らに 地獄絵巻の現し世を 外に天国造るたのしさ
 
9 おおかみの よさしのままにすすむわざ ぜんとひにひにひろぎゆくなり
大神の 任さしのままに進む業 前途日に日にひろぎゆくなり
 
10 けがれたる このどをきよめうるわしき てんごくたつるよろこびにおり
穢れたる 此土を浄め美はしき 天国樹つるよろこびにをり
 
11 くずれゆく このどをめしやのちからもて たてなおさんとわれはいそしむ
崩れゆく 此土をメシヤの力もて 建直さんと吾はいそしむ
 
12 たおれんと するよをこんごうりきをもて ささえたまわんとこたちのかみ
倒れんと する世を金剛力をもて 支え給はむ常立の神
 
13 みせんざん いとどながめのよきところ すいしょうせかいのかたつくらんとすも
弥仙山 いどと眺めの好き所 水晶世界の型造らんとすも
 
14 ちりけがれ はらいきよめておおかみは すいしょうせかいうちたつるなり
塵汚れ 祓い浄めて大神は 水晶世界打樹つるなり
 
15 はれるやはれるやの かんこのこえにむかえられ あめよりくだるめしやまつなり
ハレルヤハレルヤの 歓呼の声に迎えられ 天より降るメシヤ待つなり
 
16 あたらしき うるわしのみよはあれんとし よはじんつうのなやみのなかなる
新しき 美はしの御代は生れんとし 世は陣痛の悩みの中なる
 
17 かがやいて しょうりのみやこへあまくだる めしやはかんぜおんぼさくにおわすも
輝いて 勝利の都へ天降る メシヤは観世音菩薩に在すも
 
18 ぬばたまの やみじさまようこひつじを あわれみたえるみろくおおかみ
奴羽玉の 暗路さ迷ふ小羊を 哀れみ給えるミロク大神
 
19 ぬきもさしも ならぬこのよにめしやきょう いでずばみらいはいかになるらん
抜きも差しも ならぬ此世にメシヤ教 出でずば未来は如何になるらむ
 
20 かげんみの じっそういともありやかに しらすめしやのおしえとうとし
過現未の 実相いともありやかに 知らすメシヤの教尊し
 
21 さながらに てんごくなれやまめひとの みなかがよえるきょうのみまつり
宛らに 天国なれや信徒の みな輝よえる今日の御祭
 
     
      秋季大祭御詠  昭和25年9月21日   光宝会資料より  
 

 「栄光」 72号 S25.10. 4に加筆掲載

 
1 ちじょうてんごく いよいよなりてめでたくも よろこびいわうきょうのみまつり
地上天国 弥よ成りて目出度も 喜び祝う今日の御祭
 
2 いとちさき かたにしあれどおおかみの めぐみのさちにてんごくなりぬる
いと小さき 型にしあれど大神の 恵みの幸に天国成りぬる
 
3 よをあげて たたえんときぞまたれける わがかむわざのよにしらるれば
世を挙げて 讃えん時ぞ待たれける 我神業の世に知らるれば
 
4 てんをます たいじゅもふたばのいとちさき ころもありけることしおもほゆ
天をます 大樹も双葉のいと小さき 頃もありける事し思ほゆ
 
5 このうずの しんせんきょうのすがたこそ やがてあれなんてんごくのかた
此珍の 神仙郷の姿こそ やがて生れなむ天国の型
 
6 いくまんねん またれたまいしおおかみの しぐみはいましことはじむなり
幾万年 待たれ給ひし大神の 仕組みは今し事はじむなり
 
7 しんぜんび まったきすがたひとのめに うつるなるらめしんせんきょうはも
真善美 完き姿人の眼に 映るなるらめ神仙郷はも
 
8 とこやみの よをてらさんとひのかみは にっこうでんをつくらせたまいぬ
常闇の 世を照さむと日の神は 日光殿を造らせ給ひぬ
 
9 ひのかみの てらすゆにはにききとして えらぎつどえるまめひとのむれ
日の神の 照す斎場に喜気として 歓ぎ集へる信徒の群
 
10 めにみみに たのしききょうのみまつりは みろくのみよぞしのばれにける
目に耳に 楽しき今日の御祭は 五六七の御代ぞ偲ばれにける
 
     
     御聖誕祭御歌  昭和25年12月23日   光宝会資料より  
1 しゃかこうし やそまほめっとたちまちのぞむ ちじょうてんごくわれつくるなり
釈迦孔子 耶蘇マホメットたち待望む 地上天国吾作るなり
 
2 ちょうせんの しょうどのさまのおそろしさ やがてきたらんちのことごとに
朝鮮の 焦土の状の恐ろしさ やがて来ぬらん地の悉に
 
3 せんれいの ひのてはすでにちょうせんに もえそめにけりこころせよみな
洗霊の 火の手は已に朝鮮に 燃え初めにけり心せよみな
 
4 すさまじき ひのせんれいのきぬるとて いとやすからめかみにあるみは
凄じき 火の洗霊の来ぬるとて いと安からめ神にある身は
 
5 げんばくの あめにひとびとにげまどう ときのきぬるをかくごせよみな
原爆の 雨に人々逃げまどふ 時の来ぬるを覚悟せよみな
 
6 かみをせに かがくにたよるもろびとの ほぞをかむひのちかまりにける
神を背に 科学に頼る諸人の 臍を噛む日の近まりにける
 
7 やがてこん さばきのとうげやすらけく こすひととなれみたまみがきて
やがて来む 審判の峠安らけく 越す人となれ身魂磨きて
 
8 せんれいの ひのうずまきはちのうえを なめつくすなりきよどのこして
洗霊の 火の渦巻は地の上を 舐め尽くすなり浄所残して
 
9 かみなしと いいしはなたかびとたちの ひれふすすがたみるぞうたてき
神無しと いひし鼻高人達の 平伏す姿見るぞうたてき
 
10 かみありと いうひとかみなしというひとの たてわけらるるだいしんぱんかな
神ありと 言ふ人神無しと言ふ人の 立別けらるる大審判かな
 
11 かみにそむき よをみだしたるまがびとの かみにいのるもせんなきしゅうまつ
神に背き 世を紊したる曲人の 神に祈るも詮なき終末
 
12 ひたぶるに かみにいのるもせんなけれ よをみだしたるつみとがのみは
ひたぶるに 神に祈るも詮なけれ 世を紊したる罪とがの身は
 
13 てんさけび じしんかみなりとどろかん さいごのときのおそろしきさま
天叫び 地震雷轟かん 最後の時の恐ろしき状
 
14 てんふるい ちじくゆるがんときこそは かみのちからにたよるほかなき
天震ひ 地軸揺がむ時こそは 神の力に頼る外なき
 
15 しんぱんの ひのすさまじさてんあおぎ かみにいのるもすでにおそかり
審判の 火の凄じさ天仰ぎ 神に祈るも已に遅かり
 
16 いやはてに ほろびんとするうつしよを すくうはめしやのちからにぞある
いやはてに 滅びんとする現世を 救ふはメシヤの力にぞある
 
17 えいこうの くもよりくだるだいメシヤに しょうどはたちまちてんごくとかすらん
栄光の 雲より降る大救主に 焦土は忽ち天国と化すらん
 
18 たいぞうの みろくはすでにあれたまい たてなおすひをまたれぬるかな
胎職の ミロクは已に生れ給ひ 建直す日を待たれぬるかな
 
     

 

昭和26年

     
     新年御歌  昭和26年元旦   光宝会資料より  
1 あらたまの としのはじめのきょうはしも さらつのやかたにはつのみまつり
新玉の 年の初めの今日はしも 新つの舘に初の御祭
 
2 おおみひかり いでまさんとすることしはも よのひとのめにうつらざらめや
大御光 出でまさんとする今年はも 世の人の眼に映らざらめや
 
3 あくのよは ほろびてぜんのよとなれば ひとはひとたるものとなりなん
悪の世は 滅びて善の世となれば 人は人たるものとなりなむ
 
4 よのおわりの きざしみえそむときぞきぬ みたまきよめてこころそなえよ
世の終りの 兆し見え初む時ぞ来ぬ 身魂浄めて心備へよ
 
5 いかならん めしいなりとてきゅうせいの たまのひかりにまなこさめなん
如何ならむ 盲なりとて救世の 玉の光に眼醒めなむ
 
     
     新年御歌  昭和26年元旦   岡田茂吉全集より  
1 あらたまの としのはじめのきょうはしも さらつのやかたにはつのみまつり
新玉の 年の初めの今日はしも 新つの館に初の御祭
 
2 おおみひかり いでまさんとすることしはも よのひとのめにうつらざらめや
大御光 出でまさんとする今年はも 世の人の眼に映らざらめや
 
3 ひさかたの あめよりくだるいとたかき すくいのぬしのみひかりあおがん
久方の 天より降るいと高き 救の主の御光仰がん
 
4 あくのよは ほろびてぜんのよとなれば ひとはひとたるものとなりなむ
悪の世は 滅びて善の世となれば 人は人たるものとなりなむ
 
5 よのおわりの きざしみえそむときぞきぬ みたまきよめてこころそなえよ
世の終りの 兆し見え初む時ぞ来ぬ 身魂浄めて心備へよ
 
6 いちりんの たまのひかりはひにつきに とこやみのよにひろぎゆくなり
一厘の 玉の光は日に月に 常暗の世に拡ぎゆくなり
 
7 さんがいばんれい もれなくかんきにひたるらん すくいのひかりあおぐたまゆら
三界万霊 もれなく歓喜に浸るらん 救の光仰ぐたまゆら
 
8 びょうひんそうに なやみくるしむぶんめいは いつわりのぶんめいにあればなりけり
病貧争に 悩み苦しむ文明は 偽りの文明にあればなりけり
 
9 われもしも うまれざりせばひとのよは やがてついえなんとふとおもいける
吾もしも 生れざりせば人の世は やがて潰えなむとふと思ひける
 
10 きゅうせいの かみのみちからおおけなくも われにたまいてよさせたまいぬ
救世の 神の御力おほけなくも 吾に給ひて任せ給ひぬ
 
11 ひとのよに ためしとてなきおおいなる おしえのふみをわれかきつづりおり
人の世に 例しとてなき大いなる 教の書を吾かき綴りをり
 
12 きりすとの またれたまいしてんごくの ふくいんわれはつたえんとすも
キリストの 待たれ給ひし天国の 福音吾は伝へんとすも
 
13 きりすとや しゃかまほめっとさえおこなわぬ おおいなるすくいわれおこなわんとすも
キリストや 釈迦マホメットさへ行はぬ 大いなる救吾行はんとすも
 
14 ばんみんの つみのあがないぬしにあらで めしやはつみのすくいぬしなる
万民の 罪の贖ひ主にあらで メシヤは罪の赦し主なる
 
15 ばんみんの すくいのぬしはよのおわりに あるるとキリストのきみはいいける
万民の 救の主は世の終りに 生るると基督の君は言ひける
 
     
     立春祭御歌  昭和26年2月5日   
1 りっしゅんの きょうのめでたさいざなぎの かみゆもものみたまわりしなり
立春の 今日の目出たさ伊邪冊岐の 神ゆ百の実給はりしなり
 
2 ことしはも りっしゅんのきょうおおいなる めでたきひにぞありにけるかも
今年はも 立春の今日大いなる 目出たき日にぞありにけるかも
 
3 りっしゅんの きょうをさかいにわがわざは ひのでのごとくかがよいわたらん
立春の 今日を境に我業は 日の出の如く輝ひわたらむ
 
4 てんごくの かたきいしずえようやくに このどのうえにうちたてんかも
天国の 固き礎漸くに 此土の上に打ち樹てんかも
 
5 めにみゆる このうつしよはくらけれど はやれいかいはひのでのあかるさ
目に見ゆる 此の現世は暗けれど はや霊界は日の出の明るさ
 
6 ひとのめに うつるがごときしぐみもて さんぜんせかいをすくいうべしや
人の目に 映るが如き仕組もて 三千世界を救ひ得べしや
 
7 よのおわり のばしのばしてひとりだも おおくすくわすかみのみこころ
世の終り 延ばし延して一人だも 多く救はす神の御心
 
8 まなこひらき わがわざをみよよのたれも しらぬことどもばかりなるらん
眼開き 我業を見よ世の誰も 知らぬ事どもばかりなるらん
 
9 ことしげく わがなすわざのひとひらも ふかきしんいのこもれるとしれ
事繁く 我為す業の一片も 深き神意の籠れると知れ
 
10 かしこくも はかいのうらにそうぞうの おのをふるわすみわざみよかし
畏くも 破壊の裏に創造の 斧を揮はす神業見よかし
 
11 けんしんじつの わがめにうつるうつしよは ちりやあくたにうずもりており
見真実の 我目に映る現世は 塵や芥に埋もりてをり
 
12 ふみまよい ゆくてもわかぬこひつじを いとねもごろにみちぴくぞわれは
踏み迷ひ 行手もわかぬ小羊を いと懇ろに導くぞ吾は
 
13 しじゅうごさい われけんしんじつになりてより ときしことごとしんりなりける
四十五歳 吾見真実となりてより 説きし悉真理なりける
 
14 みすまるの いおつのひかりひにつきに かがやきませどめにうつらまじ
美須真留の 五百津の光日に月に 輝きませど眼に映らまじ
 
15 にょいのたま うちふるいなばいかならん ひととしいえどまなこくらまん
如意の珠 打揮いなば如何ならむ 人としいへど眼くらまん
 
16 しゅうきょうを かがくもてときかがくをば しゅうきょうにあかすわがふみにぞあるなり
宗教を 科学もて解き科学をば 宗教に明す我書にぞあるなり
 
17 じんちにて じごくをつくりしんちにて てんごくつくることわりしれかし
人智にて 地獄を作り神智にて 天国作る 理知れかし
 
18 きりすとも しゃかもめしやのあれまさん ときくるまでのつゆはらいなる
キリストも 釈迦もメシヤの生れまさむ 時来る迄の露払ひなる
 
     
     春季大祭御詠  昭和26年3月18日  
1 あたらしき かみのやかたのはつまつり よろこびつどうはるのあかるさ
新しき 神の館の初祭 喜び集ふ春の明るさ
 
2 ささやかな これのやかたもおおいなる さんぜんせかいのかたにぞありける
小やかな これの館も大いなる 三千世界の型にぞありける
 
3 はるはあたみ あきははこねのきよどのに かみのみまつりおこなうわれかも
春は熱海 秋は箱根の清殿に 神の御祭行ふ吾かも
 
4 おちこちゆ まことのまめひとよりつどい ことほぐきょうのみまつりぞよき
遠近ゆ 誠の信徒寄集ひ 寿ぐ今日の御祭ぞ佳き
 
5 おおかみの いさおしたかくほめたたう きよきことたまてんちにひびかん
大神の 勲し高く褒め讃ふ 清き言霊天地に響かむ
 
6 いかならん にごりしよとてきよまなん まことのことたまひびきわたらば
如何ならむ 濁りし世とて清まなむ 誠の言霊響き亘らば
 
7 まことこめて のることたまのとうとけれ ちのはてしまできよめすみなん
誠こめて 宣る言霊の尊けれ 地の涯しまで清め澄みなむ
 
8 まめひとの まことごころにほとばしる こえぞせかいのうごかざらめや
信徒の 誠心に迸しる 声ぞ世界の動かざらめや
 
9 びょうひんそう まったくなみけるさちこそは このすくいよりほかなどあるべきや
病貧争 全く無みける幸こそは 此救より外などあるべきや
 
10 たがめにも うつらぬほどのひそけさに かみのしぐみはすでになりにけり
誰が眼にも 映らぬ程のひそけさに 神の仕組は已に成りけり
 
11 めにみゆる ものをうごかすちからこそ みえぬみかみのちからなりけり
眼に見ゆる ものを動かす力こそ 見えぬ御神の力なりけり
 
12 てんごくの いしずえかたくきずかれぬ まがのまなこにうつらぬまにぞ
天国の 礎固く築かれぬ 曲の眼に映らぬ間にぞ
 
13 このすくい いかにまちけんきりすとや しゃかまほめっとたちよろこびたらはん
此救 如何に待ちけむキリストや 釈迦マホメット達喜び足らはむ
 
14 たたかいも やまいなきよをつくらんと みちからふるうわれにぞありける
戦いも 病も無き世を造らむと 神力揮ふ吾にぞありける
 
15 われはいま みろくのみよのせっけいを いとまつぶさにかきているなり
吾は今 弥勒の御代の設計を いとま細さにかきてゐるなり
 
16 おおかみは われによさしぬもろもろの まがれるみちをたださんとして
大神は 吾に任しぬ諸々の 曲れる道を直さむとして
 
17 ちいさなる まなこをもちておおいなる かみのしぐみのわからざらめや
小さなる 眼をもちて大いなる 神の仕組のわからざらめや
 
18 いやはて せかいをあげてわがわざを たたえんときのきつるぞうれしき
弥果に 世界を挙げて我業を 讃へむ秋の来つるぞ嬉しき
 
     
     日光殿落成記念祭御歌  昭和26年6月15日  
1 みちとせの ながきよるのよすみにけん ひのおおかみののぼりたまいて
三千歳の 長き夜の世すみにけむ 日の大神の昇り給ひて
 
2 しょうわむとし むつきじゅうごのこのよきひ いとひそやかにいわとひらけぬ
昭和六年 六月十五の此佳き日 いと窃やかに岩戸開けぬ
 
3 ながきよを かくろいませにしあまつかみ いでますきょうぞめでたかりける
長き世を 隠ろひませにし天津神 出でます今日ぞ目出たかりける
 
4 ありがたし ああありがたしとこやみの うつしよいよよあけそめにけん
有難し 嗚呼有難し常暗の 現世いよよ明け初めにけん
 
5 ながきよの やみのとばりはひらかれて さんがいばんれいよみがえるいま
長き世の 闇の帳は開かれて 三界万霊甦へる今
 
6 さくくしろ いそすずがわのいときよき ながれはいましひかりそめなん
さくくしろ 五十鈴川のいと清き 流れは今し光り初めなむ
 
7 わだのはら はてしもしらにあかあかと てらしてのぼるあさひこのかげ
和田の原 果しもしらに紅々と 照らして昇る朝日子の光
 
8 みはるかす かぎりのあさのうなばらは はやしらじらとあかるみにける
見遥かす 限りの朝の海原は はや白々と明るみにける
 
9 あなうれし かみのみひかりてりはえて さんぜんせかいのやみぞきえなん
あな嬉し 神の御光照り映えて 三千世界の闇ぞ消えなむ
 
10 きりすとの さいりんのなぞとけぬらん めしやのいずるときのきぬれば
キリストの 再臨の謎解けぬらん メシヤの出づる時の来ぬれば
 
11 よのおわり ちかむにつれてきりすとの まことのみたまよにしれぬらむ
世の終り 近むにつれてキリストの 真の御霊世に知れぬらむ
 
12 きりすとは メシヤなりけりいやはての よにあれまするしぐみなりける
キリストは 救世主なりけりいやはての 世に現れまする仕組なりける
 
13 ひかりなごめ ちりにまじこりみをやつし すくうみたまぞとうときろかも
光和め 塵に同こり身をやつし 救ふ御魂ぞ尊きろかも
 
14 たたえても たたえつくせぬすのかみの みめぐみかかぶるわれにぞありける
讃へても 讃へ尽くせぬ主の神の 御恵かかぶる吾にぞありける
 
15 じつげつの ひかりそなえてじゆうむげ よをすくいますいずのめのかみ
日月の 光具へて自由無碍 世を救ひます伊都能売神
 
16 いずのめの みかみこのどにあもりなば みろくのみちからふるいますらん
伊都能売の 御神此土に天降りなば 五六七の御力揮ひますらむ
 
17 るいらん あやうきみよをたてなおす ちからはめしやのほかなかりけり
累卵の 危ふき御代を立て直す 力はメシヤの外なかりけり
 
18 たてとよこ むすばれじゅうじになるときし またれたまいしきりすとのかみ
経と緯 結ばれ十字になる時し 待たれ給ひしキリストの神
 
     
     秋季大祭御詠  昭和26年9月23日  
1 めでたくも きょうふたまわりのあきまつり いわいつどえるよろこびのこえ
芽出度くも 今日二周りの秋祭 祝ひ集へる喜びの声
 
2 ちりひとつ なききよらなるたかやまの うえのかむみやのきょうのみまつり
塵一つ 無き清らなる高山の 上の神宮の今日の御祭
 
3 きよらけき はこねのやまのいただきに かみをたたゆるきょうのうれしさ
清らけき 箱根の山の頂に 神を称ゆる今日の嬉しさ
 
4 あしびきの やまのおのえのみまつりは このよながらのてんごくのさま
足曳の 山の尾の上の御祭は 此世ながらの天国の状
 
5 つたえきく てんごくしびのかむみやを まのあたりおろがむここちこそすれ
伝え聞く 天国紫微の神宮を 目の当り拝む心地こそすれ
 
6 ちはやぶる かみのみいつはごうらなる しんせんきょうよりかがやきいずなむ
千早振る 神の御稜威は強羅なる 神仙郷より輝き出づなむ
 
7 てんごくの かみのみそのかかんれいの しんせんきょうをわれさすらえば
天国の 神の御苑か函嶺の 神仙郷を吾さすらへば
 
8 しんせんきょう このうるわしきみそのこそ やがてはせかいのたからとなるらん
神仙郷 此麗はしき御苑こそ やがては世界の宝となるらむ
 
9 ささやかな かたにしあれどしんせんの さとぞみろくのみよの-すがた
小やかな 型にしあれど神仙の 郷ぞ五六七の御代の御姿
 
10 てんごくの ちいさきかたもておおいなる みろくのみよのいしずえたつるも
天国の 小さき型もて大いなる 五六七の御代の礎立つるも
 
11 おおかみの ふかきしぐみはちいさなる まなこみはるもなどみゆべしや
大神の 深き仕組は小さなる 眼瞠るもなど見ゆべしや
 
12 おおいなる しぐみをふかくむねにひめ われもくもくとかむわぎすすめん
大いなる 仕組を深く胸に秘め 吾黙々と神業進めん
 
13 まめひとよ やがてまなこをみはるらん しぐみのふたをひらくるあかとき
信徒よ やがて眼を瞠るらむ 仕組の蓋を開くるあかとき
 
14 めずらしき しぐみのふたをあよとて かみのみこえはひにせきたまう
珍らしき 仕組の蓋を開けよとて 神の御声は日にせき給ふ
 
15 きょううたう かみのみうたはいとふかき しぐみあるなりこころにとどめそ
今日詠ふ 神の御歌はいと深き 仕組あるなり心に止めそ
 
16 まめひとら うれしうれしのこえあげて よろこびあわんときぞちかめる
信徒ら 嬉し嬉しの声挙げて 喜び合はん時ぞ近める
 
17 ひとのめに うつるがごときものなれば かみのしぐみにあらじとぞおもえ
人の眼に 映るが如きものなれば 神の仕組にあらじとぞ思へ
 
18 ありやかに わがめにうつるかむわざの ひにいちじるくなるぞうれしき
ありやかに 我眼に映る神業の 日にいちぢるくなるぞ嬉しき
 
     
     御生誕祭御歌  昭和26年12月23日  
1 きょうはしも われよにあれてしちじゅうねんの よきひことほぐまめひとのむれ
今日はしも 我世に生れて七十年の 佳き日祝ぐ信徒のむれ
 
2 ただびとと あまりにちがうわれなりき しちじゅうねんをふりさけみれば
凡人と 余りに異ふ吾なりき 七十年を振りさけみれば
 
3 おおいなる すくいをわれによさしける かみのみむねのはかりしれずも
大いなる 救ひを吾に任しける 神の御胸の測り知れずも
 
4 きりすとは ばんにんのつみおいしかど われはばんにんのつみゆるすなり
キリストは 万人の罪負ひしかど 吾は万人の罪赦すなり
 
5 しょくざいぬしと すくいぬしとのちがいさを よにしらさんとおもうべらなる
贖罪主と 救主との異ひさを 世に知らさんと思ふべらなる
 
6 むかしより もものせいじゃはありつれど まことのちからもたざりしなり
昔より 諸の聖者はありつれど 真の力有たざりしなり
 
7 にんげんの とうときいのちすくわする ちからぬしはめしやよりなき
人間の 尊き生命救はする 力の主はメシヤよりなき
 
8 われいでて はじめてまことのしんりきを よにしめすなりあおぎみよかし
吾出でて 初めて真の神力を 世に示すなり仰ぎ見よかし
 
9 ながきよを かみとあおぎしちよろずの かみはえだはのかみにぞありける
長き世を 神と仰ぎし千万の 神は枝葉の神にぞありける
 
10 ひとのやまい なおすちからをもたぬかみ などうつしよをすくいうべしや
人の病 治す力を有たぬ神 など現し世を救ひ得べしや
 
11 やくどくと ひどくじゃどくのことごとを しなどのかぜにふきはらうわれ
薬毒と 肥毒邪毒の悉を 科戸の風に吹き払ふ吾
 
12 やおよろず かみをすくいてたまのよに まずてんごくをうちたてんかも
八百万の 神を救ひて霊の世に 先ず天国を打樹てんかも
 
     

 

昭和27年

     
     立春祭御歌   昭和27年2月5日  
1 たつはるの きょうのよきひをまいつどう まめひとのおもみるぞたのしき
立つ春の 今日のよき日を参い集ふ 信徒の面見るぞ楽しき
 
2 としごとに たつはるいわうみまつりに おもいぞうつるわれにぞありける
年毎に 立つ春祝ふ御祭に 思ひぞ移る吾にぞありける
 
3 おおみわざ いよよひらくるよろこびは はるたつごとにふかまりゆくなり
大神業 弥よ開くる喜びは 春立つ毎に深まりゆくなり
 
4 ことしはも うずのかむわざよのひとの めぞそばたてんたのしさおもうも
今年はも 珍の神業世の人の 目ぞそばだてん楽しさ思ふも
 
5 いがくひりょう むしんのさんだいめいしんを たださるるらんかみのみわざに
医学肥料 無神の三大迷信を 正さるるらん神の御業に
 
6 ぶんかめいしん うちくだかなんおおかみの こんごうりきをふるいたまわば
文化迷信 打ち砕かなむ大神の 金剛力を揮ひ給はば
 
7 じょうはりの かがみにてらせばうつしよの ちりもあくたもみなうつるなり
浄玻璃の 鏡に照らせば現し世の 塵も芥もみな映るなり
 
8 しんをおしえ ぜんをおこないびをたのしませ ひとみちびくなりてんごくのみちへ
真を教へ 善を行ひ美を楽しませ 人導くなり天国の道へ
 
9 しんぜんび まったきみよをつくらんと ひによにこころをくだくわれはも
真善美 完き御代を作〔造〕らんと 日に夜に心を砕く吾はも
 
10 こいのなき びのなきいしをかむごとき おしえによびとすくわれうべしや
恋のなき 美のなき石を噛む如き 教へに世人救はれ得べしや
 
11 きりすとの きせきといえどわがでしは ひごとよごとにあらわしいるなり
キリストの 奇蹟といえど我弟子は 日毎夜毎に顕わしゐるなり
 
12 やおよろず かみやほとけのあやまりを たださんがためわれいでしなり
八百万 神や仏の過りを 匡さんが為吾出でしなり〔る〕
 
13 かりこもの みだれみだれしよぞすくい ちじょうてんごくたつるわれかも
刈菰の 紊れに乱れし世ぞ救ひ 地上天国樹つる吾かも
 
14 とよあしはら みずほのくににひりょうもて けがせしとがにあえぐぞあわれ
豊葦原 瑞穂の国を肥料もて 穢せし尤に喘ぐぞ哀れ
 
15 かむながら おつちをきよめきよきたね まけばゆたかにみのるとうとさ
惟神 御土を浄め清き種子 蒔けば豊かに稔る尊さ
 
16 つちけがし こころをけがしみをけがし くるしみのたねまくおろかさよ
土汚し 心を汚し身を汚し 苦しみの種蒔く愚かさよ
 
17 ちはやぶる かみのみわざはまがかみの つくりしぶんかたてなおすなり
千早振る 神の御業は曲神の 作りし文化建て直すなり
 
18 おおいなる よのきりかえはひとのめに みえねどひにひにすすみゆくなり
大いなる 世の切替は人の眼に 見えねど日に日に進みゆくなり
 
     
     春季大祭御詠   昭和27年3月23日  
1 もものはな よもにさきそむいまはしも たのしくつどうはるのみまつり
百の花 四方に咲き初む今はしも 楽しく集ふ春の御祭
 
2 はるまつり めぐりくるごとうれしくも かみのみわざはひろごりにつつ
春祭 巡り来る毎嬉しくも 神の御業は拡ごりにつつ
 
3 おおいなる みめぐみたたえまめひとの ことほぎつどうきょうのみまつり
大いなる 御恵み讃え信徒の 祝ぎ集ふ今日の御祭
 
4 いくまんねん ながきしぐみはようやくに ならんとすなりこのちのうえに
幾万年 長き仕組は漸くに 成らんとすなり此地の上に
 
5 ちじょうてんごく そのいしずえははやすでに うちたてられけりめにうつらぬも
地上天国 其礎〔ゑ〕は早や既に 打樹てられてけり眼に映らぬも
 
6 ゆめにだも おもほえぬほどうるわしき ちじょうてんごくいまきずくなり
夢にだも 思ほえぬ程美はしき 地上天国今築くなり
 
7 およそよに あらんかぎりのびをあつめ さいおうてんごくのさまをうつさん
凡そ世に あらん限りの美を蒐め 最奥天国の状を映さむ
 
8 こころゆく ばかりしぜんとじんこうの びぞかがやかさんちじょうてんごく
心ゆく ばかり自然と人工の 美ぞ輝かさむ地上天国
 
9 とつくにの ひともあこがれはるばると よりつどうらんびのてんごくへ
外国の 人も憧れ遥々と 寄り集ふらむ美の天国へ
 
10 きりすとや しゃかののぞみをわれはいま はたさんとしてひによにいそしむ
キリストや 釈迦の望みを吾は今 果さんとして日に夜に励しむ
 
11 ぶんめいの ふるきころもをぬぎすてて さらつのころもにかゆるわがわざ
文明の 古き衣を脱ぎ棄てて 新つの衣に換ゆる我業
 
12 いとひくき かがくのれべるひきあげて かみのかがくにたてかえるなり
いと低き 科学のレベル引上げて 神の科学に建〔て〕替えるなり
 
13 わがもてる まにのほっしゅのひにつきに かがやきませどたもみえざらめ
我有てる 麻邇の宝殊の日に月に 輝き増せど誰も見えざらめ
 
14 たまてばこ うちあけぬればさんとして まばゆかるらんみすまるのたま
玉手箱 打明けぬれば燦として 眩ゆかるらむ美須麻留の玉
 
15 さんぜんせかい たてなおせよとおおかみは こんごうりきをわれにたまえり
三千世界 建て直せよと大神は 金剛力を吾に賜へり
 
16 おおやしま そびゆるやまのいただきも ふかたにがわにもしぐみひめてし
大八洲 聳ゆる山の頂も 深谷川にも仕組秘めてし
 
17 みぎによらず ひだりによらぬなかみちを すすむひとこそいずのめのたま
右に寄らず 左に寄らぬ中道を 進む人こそ伊都能売の魂
 
18 ひとにあらぬ ひとをまことのひとにかえ みなすくうなりかみのまみちに
人にあらぬ 人を真の人に変え 悉救ふなり神の真道に
 
     
  美術館開館兼神仙郷完成記念祝賀式典御歌 昭和27年6月15日  
1 めでたくも しんせんきょうはようやくに なりてことほぐきょうのみまつり
目出た〔芽出度〕くも 神仙郷はやうやくに 成りて祝ぐ今日の御祭
 
2 やんがてに とつくにびともあくがれて よりつどいこんしんせんのその
やんがてに 外国人も憧れて 寄集ひ来む神仙の苑
 
3 なもたかき はこねのやまのいただきに てんごくのそのうつしけるわれ
名も高き 箱根の山の頂に 天国の苑映しける吾
 
4 かむながら わがひのもとはびのくにと さだまりいるなりわすれなよゆめ
かむながら 我日の本は美の国と 奠まりゐるなり忘れなよゆめ
 
5 けがれおおき よぞきよめんとびのやかた われつくりけりきよきはこねに
汚れ多き 世ぞ浄めんと美の舘〔館〕 吾造りけり清き箱根に
 
6 ちじょうてんごく みろくのよとはげいじゅつの あまねくにおうよにぞありけり
地上天国 ミロクの世とは芸術の あまねく匂ふ世にぞありけり
 
7 げいじゅつは しゅうきょうをうみしゅうきょうは またげいじゅつをうむにぞありける
芸術は 宗教を生み宗教は 亦芸術を生むにぞありける
 
8 なんぎょうや くぎょうとてなくいとやすく すくわるるなりめしやのみおしえ
難行や 苦行とてなくいと易く 救はるるなりメシヤの御教
 
9 げいじゅつを たのしみながらみもたまも きよまるこそかみのみめぐみ
芸術を 楽しみ乍ら身も魂も 清まる〔る〕こそ神の御恵
 
10 げいじゅつを たのしむこころゆたかなる ひとはみたまのたかきがゆえなり
芸術を 楽しむ心裕かなる 人は身魂の高きが故なり
 
11 まがかみの きらうはびなりてんごくは びのみちあふるきよどにありせば
曲神の 嫌ふは美なり天国は 美の満ち溢る清土にありせば
 
12 びをこのむ ひとつくらんとわれはいま びじゅつのやかたうちたてにける
美を好む 人作〔造〕らんと吾は今 美術の舘〔館〕打建てにける
 
13 しんはみち ぜんはおこないびはこころ つちかわんとてこころくだくも
真は道 善は行ひ美は心 培はんとて心砕くも
 
14 おこないも こころもことばもうるわしき ひとこそてんごくてんにんなりける
〔ひ〕も 心も言葉も美はしき 人こそ天国天人なりける
 
15 ちりのよも しばしわすれんしんせんの うるわしきみそのさすらいぬれば
塵の世も 暫し忘れむ神仙の 美はしき神苑さすらひぬれば
 
16 すみきらい ちりひとつなきかんれいの そのにけがれしたまあらわなん
澄みきらひ 塵一つなき函嶺の 苑に汚れし魂洗はなん
 
17 やまあおく ながれはきよしさながらに てんごくなるらんしんせんのさと
山蒼く 流れは清し宛らに 天国なるらむ神仙の郷
 
18 しんぜんび まったきせかいをつくらんと みちからふるうわれにぞありける
真善美 完き世界を作〔造〕らんと 神力揮ふ吾にぞありける
 
     
     秋季大祭御詠  昭和27年9月23日  
1 しんせんきょう ようやくなりしうれしさを はれてことほぐあきのみまつり
神仙郷 やうやく成りし嬉しさを 晴れて祝ぐ秋の御祭
 
2 ちじょうてんごく そのいしずえはひのもとの とうざいむすびのたかねになりける
地上天国 其礎〔ゑ〕は日の本の 東西結びの高嶺に成りける
 
3 めでたきは みろくのみよのはやすでに ちのれいかいにたちにけるなり
目出た〔芽出度〕きは ミロクの御代の早已に 地の霊界に建ちにけるなり
 
4 とうざいの ぶんかをむすぶひのもとの とうときえにしわれしらすなり
東西の 文化を結ぶ日の本の 尊き縁我知らすなり
 
5 いとちさき かみぞのなれどひにつきに ひろぎてちじょうてんごくなりなむ
いと小さき 神苑なれど日に月に 広〔拡〕ぎて地上天国成りなむ
 
6 ひのもとの ひがしとにしのむすびめは はこねのやまのいただきなりける
日の本の 東と西の結び目は 箱根の山の頂なりける
 
7 たてよこの むすびのかなめにうるわしき たまのおんこはうまれたまいぬ
経緯の 結びの要に美しき 玉の御子は生まれ給ひぬ
 
8 とうざいの ふるきぶんかをあたらしき ぶんかにかゆるわがみわざかも
東西の 古き文化を新しき 文化に換ゆる我御業かも
 
9 ひとのちえ ひたにふるうもせんなけれ かみのしぐみのはかりしらねば
人の智慧 ひたに振ふも詮なけれ 神の仕組の測〔計〕りしらねば
 
10 けがれたる よびときよめんわざこそは かみのひかりをまくばるるなり
穢れたる 世人浄めん業こそは 神の光を間配るるなり
 
11 いかならん えらびととてもおおかみの みめよりみればわらべなりけり
如何ならむ 偉人とても大神の 御眼より見れば童なりける
 
12 さまよえる こひつじたちのあわれさよ すがらんまことのちからみえねば
さ迷へる 小羊達の哀れさよ 縋らむ真の力見えねば
 
13 きりすとの きせきといえどわがでしは おちこちひにひにあらわしいるなり
キリストの 奇蹟といへど我弟子は をちこち日に日に顕〔は〕しゐるなり
 
14 なにげなく のるわがことたまのふしぶしに しんぴのなぞのふくまれいるなり
何気なく 宣る我言霊の節々に 神秘の謎の含まれゐるなり
 
15 わがちから やがてせかいにあらわれん ときこそよびといかにあわてん
わが力 やがて世界に現はれん 時こそ世人如何に慌てむ
 
16 ただかみの みむねにまかせすすむこそ かしこきひとのしるしなりける
〔只〕神の 御胸に任せ進むこそ 賢き人のしるしなりける
 
17 えいちなり ああえいちなりえいちこそ やみじをてらすひかりなるらん
叡智なり 嗚呼叡智なり叡智こそ 闇〔暗〕路を照らす光なるらん
 
18 わがもてる しんちによらでいかにして まことのぶんめいつくりうべしや
我持〔有〕てる 神智によらで如何にして 真の文明作〔造〕り得べしや
 
     
     御生誕祭御歌   昭和27年12月23日  
1 きょうはしも われしちじゅうのせいたんを ことほぎつどうまめひとのむれ
今日はしも 吾七十の生誕を 祝ぎ集ふ信徒の群
 
2 ななそまわり としかさねてすぎかたを おもえばくしきわがさだめかも
七十廻り 年を重て過ぎ方を 思えば奇しき我運命かも
 
3 われこそは ああわれこそはひとのよに ためしとてなきさだめもつなり
吾こそは 噫々吾こそは人の世に 例しとてなき運命有つなり
 
4 かりこもの みだれたるよをすくうこそ わがちからよりほかなしとおもうも
刈菰の 乱れたる世を救ふこそ 我力より外なしと思ふも
 
5 ばんにんの つみやけがれをきよめんと たまのひかりをてらすわれかも
万人の 罪や穢れを浄めんと 霊の光を照らす吾かも
 
6 ながきよを つもりつもりしつみとがを ゆるさんとしてわれはよにいず
長き世を 積り積りし罪咎を 赦さんとして吾は世に出づ
 
7 やおよろず かみとしいえどつみあれば われゆるすなりすしんにかわりて
八百万 神としいえど罪あれば 吾赦すなり主神に代りて
 
8 ひにつきに われもつひかりひろごりて やがてだいちをくまなくてらさん
日に月に 吾有つ光拡ごりて やがて大地を隈なく照らさむ
 
9 ただひとり われただひとりすのかみの よさしをおびてよぞすくうなる
只一人 吾只一人主の神の 任しを帯びて世ぞ救ふなる
 
10 しょくざいぬし いでしためしはありぬれど まことのすくいのぬしぞわれなる
贖罪主 出でし例しはありぬれど 真の救ひの主ぞ吾なる
 
11 ばんみんの つみゆるさんとえいこうの くもよりくだりぬすくいのぬしは
万民の 罪赦さんと栄光の 雲より降りぬ救ひの主は
 
12 とうほうの ひかりはひにひにひろごりて まがつのちからよわりゆくなり
東方の 光は日に日に広〔拡〕ごりて 曲津の力弱りゆくなり
 
13 とうほうの ひかりにひむるかみのなぞ とけなんときぞよのおわりなる
東方の 光に秘むる神の謎 解けなん時ぞ世の終りなる
 
14 つきはおち ほしのひかりはきえぬらん のぼりそめけるあさひのかげに
月は落ち 星の光は消えぬらん 昇り初めける旭の光に
 
15 いまはしも ほろびんとするつみのよを いかすはめしやのちからなりけり
今はしも 滅びんとする罪の世を 生かすはメシヤの力なりけり
 
16 ちからなり ああちからなりわがふるう ちからぞしゅいつのものにぞありける
力なり 嗚呼力なり我揮ふ 力ぞ主一のものにぞありける
 
17 よのけがれ きよめきよめてすいしょうの たまのせかいにみがくわれかも
世の汚れ 清め浄めて水晶の 玉の世界に磨く吾かも
 
18 しんぴなり ああしんぴなりことのはも ふでもあらわすよしなきわれかな
神秘なり 嗚呼神秘なり言の葉も 筆も表はす由なき吾かな
 
     

 

昭和28年

     
     新年御歌  昭和28年元旦  
1 あらたまの としをむかえてめでたけれ そらはれわたるきょうのはつひに
新玉の 年を迎へて目出た〔芽出度〕けれ 空晴れ亘る今日の初日に
 
2 しんねんを ことほぐきもちほがらかに おのずからなるきょうのこのあさ
新年を 祝ぐ気持朗かに 自からなる今日のこの朝
 
3 あだぐもは とうさりゆきてひさかたの そらにかがようはつひのひかり
仇雲は 遠去りゆきて久方の 空にかがやふ初日の光
 
4 おおいなる れきしのふしはちかよりぬ まなこひらきてよのさまをみよ
大いなる 歴史の節は近寄りぬ 眼開きて世のさまを見よ
 
5 たたかいの なやみやまいのくるしみに おののきあえぐおおとうげくも
戦ひの 悩み病の苦しみに 戦き喘ぐ大峠来も
 
6 ただかみに すがるよりなきよのおわり きつればひとびとくいあらたむるらん
〔只〕神に 縋るよりなき世の終り 来つれば人々悔ひ改むるらむ
 
7 ことしより いばらのみちをあとにして さかえのみちをすすみゆかなん
今年より 茨の道を後にして 栄えの道を進みゆかなむ
 
8 ふたそまわり ごろくしちのとしをへて ひらけゆくらめはちじのすがたに
二十廻り 五六七の年を経て 開けゆくらめ八字の姿に
 
9 めにみゆる ちからはかぎりあるなれど みえぬちからぞかぎりなきなり
目に見ゆる 力は限りあるなれど 見えぬ力ぞ限りなきなり
 
10 めにみえぬ こんごうりきをわれふるい だいせんせかいをきよめぬくらむ
目に見えぬ 金剛力を吾揮ひ 大千世界を浄めぬくらむ
 
11 さんかけつじつ はやこしかたのゆめとすぎ このみそだとうときとなりぬる
結実 はや越し方の夢とすぎ 木の実育とう時となりぬる
 
12 いくとせぷり いとさわやかなこころもて にいはるむかうけさのひととき
幾歳振り いと爽やかな心もて 新春迎ふ今朝のひととき
 
     
     立春祭御歌  昭和28年2月4日  
1 ことしこそ たつはるいわうみまつりの ふかきしんいをさとれまめひと
今年こそ 立つ春祝ふ御祭の 深き神意を覚れ信徒
 
2 としごとに たつはるいわうめでたさの ひとしおなりけりきょうのみまつり
年毎に 立つ春祝ふ目出た〔芽出度〕さの 一入なりけり今日の御祭
 
3 せいしんは よろこびのひぞまがかみは かなしみのひぞきょうのみまつり
正神は 喜びの日ぞ曲神は 悲しみの日ぞ今日の御祭
 
4 とうほうの ひかりはいよよひろごりて やがててらさんにしのはてしに
東方の 光はいよよ広〔拡〕ごりて やがて照らさん西の涯しに
 
5 おおかみは ひかりのみてげがれにし くにぐにくまなくきよめますらん
大神は 光の御手に穢れにし 国々隈なく浄めますらむ
 
6 すのかみの みちからかりてまがかみの ふかきしぐみをわれくだかなん
主の神の 御力借りて曲神の 深き仕組を吾砕かなむ
 
7 ぜったいの ちからのまえにいかならん まがつかみとておののくなるらん
絶対の 力の前に如何ならむ 曲津神とて戦くなるらむ
 
8 じんるいの いのちをちぢむおそろしき いやしのわざのほろぶるとききぬ
人類の 命を縮む恐ろしき 医しの業の亡ぶる時来ぬ
 
9 むかしより いくつかかくめいありつれど いがくほどおおきかくめいなかりき
昔より いくつか革命ありつれど 医学ほど大き革命なかりき
 
10 いくちとせ ぜんじんるいがしんじきし いがくをわれはかくめいせんとす
幾千年 全人類が信じ来し 医学を吾は革命せんとす
 
11 まがかみの てににぎられしにんげんの いのちはかみのみてにかえらん
曲神の 手に握られし人間の 命は神の御手に復へらむ
 
12 にじゅうおくの めしいのまなこひらかんと ひかりまくばるわれにぞありける全集未収録
二十億の 盲の眼開かんと 光まくばる吾にぞありける
 
13 ながきよの かりのぶんめいうちくだき まことのぶんめいうちたてんかも
長き世の 仮の文明打砕き 真の文明打ち樹てんかも
 
14 やばんてき ぶんめいぶんかてきぶんめいに おきかゆるなりかみのちからに
野蛮的 文明文化的文明に 置き換ゆるなり神の力に
 
15 くにぐにに たまりたまれるつみけがれ きよむるときぞよのおわりなる
国々に 溜り溜れる罪穢 浄むる時ぞ世の終りなる
 
16 いかならむ くにもひとはもしんぱんの いずのあみのめくぐりうべしや
如何ならむ 国も人はも審判の 厳の網の目潜り得べしや
 
17 ながきよの えいがほこりしくにとても ほろぶるときのすでにきつるも
長き世の 栄華誇りし国とても 滅ぶる時の已に来つるも
 
18 いまはしも きたらんとするしんぱんの まぬかるるみちこそめしやのみちなる
今はしも 来らんとする審判の 免るる道こそメシヤの道なる
 
     
    春季大祭御歌  昭和28年3月23日  
1 としごとに ことほぐはるのみまつりも ことしはひとしおいぎふかからめ
年毎に 祝ぐ春の御祭も 今年は一入意義深からめ
 
2 はるさりて みわたすかぎりのもやまも もえずるがごとわがみわざかな
春さりて 見渡す限り野も山も 萌えずるが如我神業かな
 
3 ゆきしもを しのぎしのぎてようやくに はなさくはるにあうここちすも
雪霜を 凌ぎ凌ぎて漸くに 花咲く春に逢う心地すも
 
4 うれしくも すくいのみわざはようやくに うみのそとまでひろごりにける
嬉しくも 救ひの御業はやうやくに 海の外まで広ごりにける
 
5 わがねがう てんごくせかいはひにつきに ひろぎゆくなりかみのまにまに
我希ふ 天国世界は日に月に 広ぎゆくなり神のまにまに
 
6 いにしえゆ あまたおしえはあるなれど まことさらつのわがおしえかも
古へゆ 数多教へはあるなれど まこと新つの我教へかも
 
7 なにごとも にっしんげっぽのよにありて ふるきおしえにすくわるべしやは
何事も 日進月歩の世にありて 旧き教へに救はるべしやは
 
8 かしこくも かみのつくりしまさみちの ひとのつくりしりにはまるべき
畏くも 神の作りし真道の 人の作りし理に嵌るべき
 
9 きせきなり ああきせきなりしゅうきょうに きせきなければたましいなきなる
奇蹟なり 嗚呼奇蹟なり宗教に 奇蹟なければ魂なきなる
 
10 ぶんかなどと いかにほこるもなつのよの かのなくこえにひとしかるらめ
文化などと 如何に誇るも夏の夜の 蚊の鳴く声に等しかるらめ
 
11 じんちなど しんちのまえにはまひるまの ともしびとしるひとこそかしこき
人智など 神智の前には真昼間の 灯と知る人こそ賢き
 
12 せかいじゅう はかせあつめておしえたし まことただしきがくもんのみち
世界中の 博士集めて教へたし 真正しき学問の道
 
13 われはいま みかえるとなりやまかわを どよもしたたんこのどのうえに
吾は今 ミカエルとなり山河を どよもし立たん此土の上に
 
14 われいまし こうりゅうとなりちをけって てんにむかっておどりいでなん
吾今し 蚊龍となり地を蹴つて 天に向つて躍り出でなん
 
15 ぐんもうの なにほどくびをかしぐとて わからざらめやわれとうものの全集未収録
群盲の 何程首を傾ぐとて 分らざらめや吾とふものの
 
16 きりすとも しゃかもわがわざたすけんと たまのせかいにはげみいるなり
キリストも 釈迦も我業援けむと 霊の世界に励みゐるなり
 
17 しんぶつの つみをゆるすはわれのほか なきなりましてひとのつみをや
神仏の 罪を赦すは吾の他 なきなり況して人の罪をや
 
18 われこそは つみあるものをすくわんと けんいをもちてよにくだりける
吾こそは 罪ある者を救はんと 権威を有ちて世に降りける
 
     
    箱根地上天国完成記念祭御歌  昭和28年6月15日  
1 ささやかな かたにしあれどてんごくは いよようまれぬかんれいのえに
小やかな 型にしあれど天国は いよよ生まれぬ函嶺の上に
 
2 しんせんきょう てんごくなりぬひろごりて やがてせかいはかくやなりなむ
神仙郷 天国成りぬ広ごりて やがて世界はかくやなりなむ
 
3 おおいなる しぐみといえどいとちさき かたよりはじまるものにぞありける
大いなる 仕組といへどいと小さき 型より始まるものにぞありける
 
4 めにみえぬ ひとつのたまがだいしぜんの めぐみによりてひととなるなり
眼に見えぬ 一つの魂が大自然の 恵みによりて人となるなり
 
5 このはなの すのたねはるとなりぬれば はなさきよもににおうなるらん
兄の花の 主の種春となりぬれば 花咲き四方に匂ふなるらむ
 
6 めにみえぬ とうときにょいのみひかりを てらせばせかいはゆらぎはじめん
眼に見えぬ 尊き如意の御光を 照らせば世界は揺ぎはじめむ
 
7 しぜんびと じんこうびよくまっちして びのてんごくのそのわれつくりぬ
自然美と 人工美よくマッチして 美の天国の苑吾造りぬ
 
8 しんせんの そのをたずぬるたれもかも くちをそろえてほめそやすなり
神仙の 苑を訪ぬる誰も彼も 口を揃へて賞めそやすなり
 
9 しゅうきょうは げいじゅつなりとくちにすも かたちなければうつろにひとしき
宗教は 芸術なりと口にすも 形なければ空ろに等しき
 
10 いくちたび いばらくぐりしわれなれど そのかいありてたろういまはし
幾千度 茨潜りし吾なれど その甲斐ありて足らふ今はし
 
11 てんごくの そのにゆうゆうたのしみつ すくいのわざにいそしむわれかも
天国の 苑に悠々楽しみつ 救ひの業にいそしむ吾かも
 
12 にんげんの こころをけがすちりあくた あらうげいじゅつのそのつくりける
人間の 心を汚す塵芥 洗ふ芸術の苑造りける
 
13 なにものも おもいのままによりくるは にょいのちからのあらわれにぞある
何物も 思ひのままに集りくるは 如意の力の現れにぞある
 
14 れいかいに ときをまたれしかみほとけ いさみてわれをたすくるとききぬ
霊界に 時を待たれし神仏 いさみて吾を援くる時来ぬ
 
15 にょらいぼさつ だいししょうにんこじぜんじ てがらたてんときそうたまのよ
如来菩薩 大師上人居士禅師 手柄立てんと競ふ霊の世
 
16 てんごくの そのうつよにうつしける ためしはいまだあらじとぞおもう
天国の 苑現し世に写しける 例しは未だあらじとぞ思ふ
 
17 げいじゅつの みそのはこねのやまのえに つくりてよびとたのしますわれ
芸術の 美苑箱根の山の上に 造りて世人楽します吾
 
18 やおよろず かみもほとけもつどいきて われにぬかづきめぐみねぐなり
八百万 神も仏も集ひ来て 吾に額突き恵願ぐなり
 
     
      秋季大祭御歌  昭和28年9月23日  
1 よをすくう しぐみのもといなりなりて めでたくいわうきょうのみまつり
世を救ふ 仕組の基成りなりて 目出た〔芽出度〕く祝ふ今日の御祭
 
2 たかやまの したついわねにちよよろず ゆるがぬいしずえたちにけるかも
高山の 下津磐根に千代万 揺がぬ礎え建ちにけるかも
 
3 とうほうの ひかりはいよよおおぞらに のぼりてせかいくまなくてらさん
東方の 光はいよよ大空に 昇りて世界隈なく照らさむ
 
4 ときなれや かみのめぐみのいやちこに まめひとたちにみゆるこのごろ
時なれや 神の恵みのいやちこに 信徒達に見ゆるこのごろ
 
5 おおいなる めしやのひかりとつくにに かがやきそむるときとなりぬる
大いなる メシヤの光外国に 輝き初むる時となりぬる
 
6 ひとのめに うつらぬなれどおちこちに かみのしぐみはもえそめにける
人の目に 映らぬなれどをちこちに 神の仕組は燃え初めにける
 
7 このしぐみ ばんにんのめうつるとき そのふためきやいかにありなん
此仕組 万人の目に映る時 そのふためきや如何にありなん
 
8 とよあしはら みずほのくにのあわれさよ あだむしたのもにみちあれにける
豊葦原 瑞穂の国の哀れさよ 仇虫田の面に満ち荒れにける
 
9 あめかぜを いとわずあせのかいもなく みわたすかぎりたのもかれにき
雨風を いとはず汗の甲斐もなく 見渡すかぎり田の面枯れにき
 
10 にんげんの いのちのたからうむつちを ひどくにけがすおろかなるよや
人間の 命の宝生む土を 肥毒に汚す愚かなる世や
 
11 あぜにたち ひどくになえしあきのたを なみだにみつむるあわれたびとら
畦に佇ち 肥毒に萎えし秋の田を 涙に見つむる哀れ田人等
 
12 みのかぎり いなだあれけりああわれは いかにひどくのまよいさまさん
見の限り 稲田荒れけり嗚呼吾は 如何に肥毒の迷ひ覚まさむ
 
13 ひどくには みみかたむけぬたびとらも めざめけんかもこのかれほみて
肥毒には 耳傾けぬ田人等も 目覚めけんかも此枯穂見て
 
14 ばんにんに しんちをあたえもののりを あかすめしやのおおいなるわざ
万人に 神智を与へ物の理を 明かすメシヤの大いなる業
 
15 さかしらの ことにきづかぬめしいらの まなこひらかんかみのひかりに
逆しらの 事に気附かぬ盲等の 眼開かん神の光に
 
16 しゃかきりすと まほめっとたちわがすくい いかにまたれんながきとしつき
釈迦キリスト マホメット達我救ひ 如何に待たれん長き年月
 
17 わがかくす めしやのちからあらわせば だいせんせかいはうちふるうらん
我蔵す メシヤの力表せば 大千世界は打ち震ふらむ
 
18 えいこうの くもよりあもるきりすとに かんこのこえはちをどよもさん
栄光の 雲より天降るキリストに 歓呼の声は地をどよもさむ
 
     
     御生誕祭御歌  昭和28年12月23日  
1 しちじゅうねん ふりさけみればわがすぐせ あまりにくしくあまりにうずなる
七十年 振りさけみれば我過去 あまりに奇しくあまりに珍なる
 
2 ひとのよの はじまりてよりためしなき われがさだめをつくづくおもうも
人の世の 肇りてより例しなき 吾が運命をつくづく思ふも
 
3 きゅうせいの みわざひにひにすすみゆき やがてせかいにどよめきわたらん
救世の 神業日に日に進みゆき やがて世界にどよめき渉らむ
 
4 いまだめに みえねどみろくのせいだいは すでになりけりたまのよのおく
未だ目に 見えねど弥勒の聖代は 已に成りけり霊の世の奥
 
5 わがもてる たまのひかりはひにつきに かがやきますなりこころせよみな
我有てる 玉の光は日に月に 輝き増すなり心せよみな
 
6 くろまくを さっとおとせばわがひかり そのまばゆさにまなこくらまん
黒幕を サツと落せば我光 その眩ゆさに眼くらまん
 
7 にんげんの ちからとかみのちからとの ちがいさちえもてはかりうべしや
人間の 力と神の力との 異ひさ智慧もて計り得べしや
 
8 しんぴなり ああしんぴなりわがいわれ くちやふでもてあらわすよしなき
神秘なり 嗚呼神秘なり我因縁 口や筆もて表はす由なき
 
9 ゆめとのみ おもいしこともまざまざと まこととなりぬこのごろのわれ
夢とのみ 思ひし事もまざまざと 実となりぬこのごろの吾
 
10 さながらに このよからなるてんごくと みまごうばかりずいうんきょうかも
さながらに この世からなる天国と 見まごふばかり瑞雲郷かも
 
11 ゆうげんびみょう ふかさもしらぬかみのなぞ かたちとなりてあれなんとすも
幽幻微妙 深さも知らぬ神の謎 形となりて現れなんとすも
 
12 あくがれの ちじょうてんごくいまはしも あたみのおかにたつぞうれしき
あくがれの 地上天国今はしも 熱海の丘に立つぞ嬉しき
 
13 いにしえゆ いまのいままでゆめとのみ おもいしこのよのてんごくうまれし
古へゆ 今の今まで夢とのみ 思ひしこの世の天国生まれし
 
14 ぜんせかい まなこみはらんいとたかき びのてんごくはあたみにうまれぬ
全世界 眼瞠らむいと高き 美の天国は熱海に生まれぬ
 
15 ひのもとの くにのほこりとわれはいま はこねあたみにてんごくつくりぬ
日の本の 国の誇りと吾は今 箱根熱海に天国造りぬ
 
16 かむわざと みるのほかなしときのまに なりぬあたみのげいじゅつのさと
神業と 見るの外なし時の間に 成りぬ熱海の芸術の郷
 
17 うみやまの けいかんをせにびのらくど われはつくりぬあたみのおかに
海山の 景観を背に美の楽土 吾は造りぬ熱海の丘に
 
18 はこねあたみの ちじょうてんごくとつくにの ひとはせかいのめいしょといいける
箱根熱海の 地上天国外国の 人は世界の名所と言ひける
 
     

昭和29年

     
     新年御歌  昭和29年元旦  
1 あらたまの としをむかえておもうかな こぞにくらべてきょうのあかるさ
新玉の 年を迎えて思ふかな 去年に比べて今日の明るさ
 
2 うまのとしは はねあがるとうことわざを ふとうかべけりけさのひととき
午の年は 跳ね上るとふ諺を ふと浮かべけり今朝の一とき
 
3 としごとに さかゆるみわざにたろうわれ めでたくいわいぬとしのはじめに
年毎に 栄ゆる神業に足らふ吾 目出た〔芽出度〕く祝ひぬ年の初めに
 
4 おおいなる かみのしぐみはひにつきに めにはみえねどいやすすむなり
大いなる 神の仕組は日に月に 目には見へねどいや進むなり
 
5 じつげつちの ふかきめぐみにみきふとり えだしげるがのわがみわざかも
日月地の 深き恵みに幹太り 枝繋るがの我神業かも
 
6 ようやくに あたみちじょうてんごくの なるときおもいこころたのしも
漸くに 熱海地上天国の 成る秋想ひ心たのしも
 
7 ことしより わがかむわざのめざましく なるきざしみえこころときめく
今年より 我神業の目覚しく なる兆見え心ときめく
 
8 ひとのめに みえねどかみのけいりんは すでになりけりたまのせかいに
人の眼に 見えねど神の経綸は 已に成りけり霊の世界に
 
9 わがゆめの まこととならんひのちかみ むねのふくるるこのひころかも
我夢の 実とならん日の近み 胸のふくるるこの日頃かも
 
10 にせんよねん かかりししゃかやきりすとの わざにもまさんわれのじゅうねん
二千余年 かかりし釈迦やキリストの 業にも勝さん吾の十年
 
11 いかならん えらびととてもわがめには やんちゃぼうずとしかうつらぬも
如何ならん 偉人とても我眼には ヤンチャ坊主としか映らぬも
 
12 ゆうげんびみょう かみのしぐみのいやふかく いうことばさえなきぞかしこし
幽幻〔玄〕微妙 神の仕組のいや深く いふ言葉さへなきぞ畏し
 
13 きりすとの ちちなるかみはすのかみと しれよまめひとわれとあわせて
キリストの 父なる神は主の神と 知れよ信徒吾と併せて
 
14 すのかみ われにちからとちえたまい いきとしいけるものみなすくわる
主の神は 吾に力と智慧給ひ 生きとし生けるものみな救はる
 
15 わがふるう ちからはたいようのひかりにて いかなるまがつもおそれにげゆく
我揮ふ 力は太陽の光にて 如何なる曲津も恐れ逃げゆく
 
16 ぜんじんるい やがてわがまえにひざまづき いのちをこうるときちかまりぬ
全人類 やがて我前に跪き 命を乞ふる時近まりぬ
 
17 きりすとも しゃかまほめっともわがいずる までのよをもるやくめなりける
キリストも 釈迦マホメットも我出づる までの世を護る役目なりける
 
18 ながきよを おもいのままにふるまいし さたんもあわれほろぶるとききぬ
長き世を 思ひのままに振舞ひし サタンもあわれ滅ぶる時来ぬ
 
     
      立春祭御歌  昭和29年2月4日  
1 ゆきしもの きびしきふゆをたへしのび はるたつきょうをいわうみまつり
雪霜の 厳しき冬を堪へ忍び 春立つ今日を祝ふ御祭
 
2 しらうめの かおりもたかくさきがけて とつくにまでもにおいぬるらん
白梅の 香りも高く魁けて 外国までも匂ひぬるらん
 
3 このはなの かおりゆかしもてんごくの そのよりにおうことしこのはる
兄の花の 香り床しも天国の 苑より匂ふ今年この春
 
4 ひとのめに みえねどたまのせかいはも きよめのみわざひにすすむなり
人の眼に 見えねど霊の世界はも 浄めの神業日に進むなり
 
5 れいたいの いっちのちからぞおおかみの ひめたるいちりんのみたまなるらん
霊体の 一致の力ぞ大神の 秘めたる一輪の御魂なるらん
 
6 ぜんちきゅう じゅうじにむすぶときこそは じんるいことごとまなこさまさむ
全地球 十字に結ぶ時こそは 人類悉と眼醒〔ま〕さむ
 
7 さいりんの きりすととなりかがやいて よにいずのめのうずのおおかみ
再臨の キリストとなり輝いて 世に伊都能売の珍の大神
 
8 とうほうの ひかりはひにひにのぼりゆき やがてせかいをてらしつつまん
東方の 光は日に日に昇りゆき やがて世界を照らし包まむ
 
9 つきほしの ひかりひにひにうすれゆくは あまつひかげののぼればなりけり
月星の 光日に日に薄れゆくは 天津日光の昇ればなりけり
 
10 ながきよの あくがれのゆめようやくに まこととならんときぞきにける
長き世の 憧れの夢漸くに 実とならん時ぞ来にける
 
11 このしぐみ いうてはならじいわざれば ならじとのたまうとこたちのかみ
この仕組 言ふてはならじ言はざれば ならじと宣給ふ常立の神
 
12 もしもわれ このどにいでずばぜんじんるい ほろびはてなんつみのおもにに
若しも吾 この土に出でずば全人類 滅び果てなん罪の重荷に
 
13 さばかるる ひをしらぬげによくにほうけ うおうさおうのひとびとのむれ
審かるる 日を知らぬげに慾にほうけ 右住左往の人々の群
 
14 あなあわれ あすをもしらぬいのちもて よこしまごとにふけるひとびと
あな哀れ 明日をも知らぬ命もて 邪事に耽る人々
 
15 よのおわり しらぬがほとけのひとびとの おちゆくさきはろくどうのつじ
世の終り 知らぬが仏の人々の 落ちゆく先は六道の辻
 
16 いどのはしに ちゃわんをおいたごとしとで よをいましむるうしとらのかみ
井戸の端に 茶碗を置いた如しとで 世を戒むる艮の神
 
17 たいようの ひかりのごとくかがやける わがかむわざをしるやしらずや
太陽の 光の如く輝ける 我神業を知るや知らずや
 
18 やまよりも たかくうみよりもなおふかし かみのめぐみのかぎりしらねば
山よりも 高く海よりも尚深し 神の恵みの限り知らねば
 
     
     春季大祭御歌  昭和29年3月23日  
1 もえいづる はるににかようここちすも ことしこのときはるのみまつり
萌え出づる 春に似通ふ心地すも 今年この時春の御祭
 
2 とつくにの たみもひにひにすくわるる たよりをみみにむねふくるるも
外国の 民も日に日に救はるる 便りを耳に胸ふくるるも
 
3 やおよろず かみもほとけもわがまえに ぬかづきすくいをもとむるいまはし
八百万 神も仏も我前に 額き救ひを求むる今はし
 
4 じんるいを すくうみわざはまずかみや ほとけをさきにすくうにぞある
人類を 救ふ神業は先づ神や 仏を前に救ふにぞある
 
5 ふしあなの ごときちいさきまなこもて わがわざみるもわかりうべしや
節穴の 如き小さき眼もて 我業見るも分り得べしや
 
6 ぜんじんるい すくうなどとうおおいなる のりごとりじにはいらざらめや
全人類 救ふなどとふ大いなる 宣り言俚耳に入らざらめや
 
7 ときめける えらびととてもまぬかれじ かみのさばきのときのきぬれば
ときめける 偉人とても免れじ 神の裁きの時の来ぬれば
 
8 ぼんがんに うつりうべしやいとたかき かみのみすがたあらわれたまうも
凡眼に 映り得べしやいと尊き 神の御姿現はれ給ふも
 
9 いまはまだ しずまりおれどれいかいの うごきはひにひにいちぢるかりける
今はまだ 静まりをれど霊界の 動きは日に日に著るかりける
 
10 わがひかり ふかまるにつれめもくらみ あわてよろめくまがつかみども
我光 深まるにつれ目もくらみ 慌てよろめく曲津神共
 
11 すいしょうの せかいとなればいかならん かくしごととてあらわるるなり
水晶の 世界となれば如何ならん 隠し事とて表はるるなり
 
12 ながきよを おもいのままにふるまいし まがのかしらもようやくしおれぬ
長き世を 思ひのままに振舞ひし 曲の頭もやうやく萎れぬ
 
13 いかならん かみもほとけもわがまえに いずればひれふしつみわびるなり
如何ならむ 神も仏も我前に 出づれば平〔鰭〕伏し罪詫びるなり
 
14 ながきよを れきしのうえにあおがれし せいじゃもみすくいもとめくるなり
長き世を 歴史の上に仰がれし 聖者も御救ひ求め来るなり
 
15 おおいなる ひかりにふためきこくりゅうも くいあらたむるいまとなりける
大いなる 光にふためき黒龍も 悔い改むる今となりける
 
16 ゆだんすな めにはみえねどしんぱんの ときはひにひにせまりくるなり
油断すな 眼には見へねど審判の 時は日に日に迫りくるなり
 
17 いずのかみ このよのえんまとあらわれて よのつみさばくときとなりける
厳の神 この世の閻魔と現はれて 世の罪裁く時となりける
 
18 やおよろず かみやほとけのあやまてる つみゆるさんとえほばあもりぬ
八百万 神や仏の禍てる 罪赦さんとエホバ天降りぬ