―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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意外な話

『光』23号、昭和24(1949)年8月20日発行

 近来、日本人の死亡率や伝染病減少を喜んでいるがこれは大間違いである、むしろ油断の出来ない現象で、その理由を説明してみよう。
 吾々の常に唱うる病気は、浄化作用である以上、上の健康体は浄化発生はないが、一般人は中の健康だから病気発生しやすい、その場合医療を受ける、医療は浄化停止だから摩擦を生じ、病勢悪化死亡する、伝染病も同様の理で、その証拠には普通健康民族は伝染病に罹りやすい、伝染病が老人に少なく、幼少青年期に多いのにみても明らかである、とすれば伝染病減少は体力弱化のためであり、死亡率減少は体力弱化のため、浄化が起り得ないから罹病率が少ない事になるからともかく健康が維持される。
 右の理は先進国の人口統計が物語っている、それは死亡率減少の次に来るものが人口減少である事は、英仏の統計にみて明らかである、英が近年人口増加率逓減によって国力が衰え、仏の人口マイナスは有名な話である。
 しかも日本は産制まで行う以上、数年ならずして人口大減少時代の来る事は吾らの確言するところである。