―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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医師の医学迷信

『栄光』117号、昭和26(1951)年8月15日発行

 この標題を見ただけではちょっと不思議に思うであろうが、段々読むに従ってなるほどと肯(うなず)くであろう、現在医学が大いに進歩したとしており、このまま続けてゆけば、人類から病気は段々減るものと信じて、一生懸命専攻的に研究している学者もあるし、また直接病人にぶつかって、治病に専念している臨床家もあるという訳で、それらの医家は今地球上何十万あるか知れないであろう、日本でさえ現在臨床家だけで七万人くらいあるとの事だから、研究、予防、臨床、学校教授等を合計すれば、十万以上に上るのは間違いないであろう、にもかかわらず現在は相変らず、結核や伝染病、小児麻痺、中風、喘息(ぜんそく)、盲腸炎、精神病等々の悪質な病気をはじめ、色々な病気が格別減らない事実をみれば、現在病で苦しんでいる人を数えたら、大変な数に上るであろう。
 これら病気のためのマイナスは、官民合せて一カ年何千億に上るか分らないとしたらこれらを見るにつけ、私は実に焦心の外ないのである、何となれば私がいつもいうごとく、現代医学は根本的に誤っているからであって、それは言うまでもなく、一時的苦痛緩和を治療の本道と錯覚して、この方法を進歩さえさせれば解決が出来るものと信じ、他を顧みる余裕すらなく、向う見ず的努力を続けつつあるのだから困ったものである、ところが事実は苦痛緩和の手段そのものが反って悪化させたり、別の病気を作ったりするという点でそれに気が付かないのであるから問題は大きい、何よりも今日病気のため多額の出費と、苦悩に喘いでいる実状を、おかげ話の報告で見る毎に痛心に堪えないのは、それをよく物語っているからである、私は何とかして、この医学の迷蒙を目醒めさせるべく、今日まであらゆる合法的手段をとって、絶えず警告を与えつつあるにかかわらず、仲々目が覚めるどころではないが、これも無理はあるまい、何しろ全世界の学者専門家が、何世紀に渉(わた)って研究に研究を重ね、形だけでも立派な学問となった今日、それを叩き込まれて来たからである。
 そこで理屈は別として実際に病を治している本教浄霊の驚くべき効果である、治った本人は固(もと)より、周囲の者までが驚くと共に、今まで受けたあらゆる治療法の誤りを悟り、無駄な金銭を使った事を後悔し残念がるが、このように気の毒な人々の余りに多い現在社会である、ところがこのような不幸な人々が一度本教に救われるや、病気の心配から解放され、真の安心立命の生活者となるという実例は本紙に山のごとく載っているから、何ら疑う余地はないのである、これらの人達といえども最初は現代医学を絶対的信じていたので、浄霊など頭から信じられず、疑い疑い受けるので、これは信者はみんな知っているであろう。以上によってみても、現代医学の可否を公平に批判する眼はなく、現代医学以上のものはないと迷信してしまっているので他のいかなるものでも盲目的に拒否して、地獄行となるのであるから、全く憐れむべき人々である。何よりも本教浄霊によって、いかに起死回生された奇蹟を見たり聞いたりしても、目を蔽(おお)い、耳を塞いでいる専門家のあるのを常に聞くのである、としたらこの態度こそ忌憚なくいえば、反って医師諸君が医学迷信に陥っているのであって、吾々としては、この医学迷信こそ何よりも打破しなければならない重要事で、これによってのみ人類の悩みは根本的解決されるのである。