―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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結核の経路

『天国の福音』昭和22(1947)年2月5日発行

 結核初期に到るまでの経路はさきに述べた通りであるが、次の段階からが問題である。すなわち医師はまず絶対安静、薬剤使用、栄養食、空気療法等 を奨めるが、空気療法以外はいずれも浄化停止療法である。まず安静法は最も効果ある衰弱法で、その結果浄化力微弱になるから下熱を始め、他の症状は緩和す る。また薬物栄養療法も同様浄化停止法である以上、軽快に向かうよう誤認するのである。故にたまたま患者が運動をなす場合浄化力発生し発熱する。医師は驚 いて運動を戒めるという事実は、結核者の常に経験する所であろう。
 ここで注意すべきは、解熱剤使用は最初はある程度効果を奏するも、これを持続 する時は漸次反動作用を起し、執拗な高熱が持続し、いかなる解熱法も奏効せぬようになるものである。すべて薬物持続は中毒的反動作用を起し、逆効果となる のである。彼の下剤持続者が慢性便秘症となる事や、モルヒネ、コカイン等の中毒者がいつしか放す事が出来なくなるにみても肯かるるであろう。
 以 上のごとき高熱症状が長時日持続する場合漸次衰弱を増し斃れるのである。また末期の場合多くは喉頭結核及び腸結核に侵されるものであるが、実は私の研究に よれば喉頭結核とは腐敗せる古き痰の猛烈なる毒素が咽喉を通過するためと喉頭付近の毒結に浄化発生のためとであり、腸結核はさきに説いたごとくである