―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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『アメリカを救う』P.141、昭和28(1953)年1月1日発行

 この病気の原因はもちろん薬毒であるが、その固結個所が後頭部及び股間鼠蹊部が主で、その他全身的にある毒血が、浄化によって溶け、肛門部から出ようとする。それが脱肛、痔核、出血、痛み、痒み等の症状である。ただ痔瘻(じろう)はちょっと違う。これは薬毒の強烈なのが肛門部に溜結し、排泄されようとして小形の腫物になり非常に痛むものである。これを放っておけば少しずつ破れた粘膜から滲出、あるいは小穴が穿いて排泄され治るのであるが、これに無知である医学は手術をするが、これが大変な誤りである。というのは手術で固結を除くや、必ずその隣にまた出来る。また切るというように、ついには蜂の巣のようになり、堪えられぬ程の激痛が続いて苦しむものである。
 ここで注意したい事は、痔瘻に限らずいかなる腫物でも、自然にしておけば腫れるだけ腫れて、末期になると、その部が紅くブヨブヨになって小さな穴が穿き、血膿が出て治るものであるから、いかに大きな腫物でも必ず治るから心配はないのである。ところが手術はもちろんだが、針の頭くらいの穴でも穿けたが最後、毒素の集中は停ってしまい隣接部へ腫れる。またいじるとその隣へというように、膿のあるだけは幾つでも腫れるので、頸部淋巴腺の場合など呼吸困難となり、生命までも失う事があるから、大いに注意すべきである。