―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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人体は綜合体である

『光』38号、昭和24(1949)年12月3日発行

 現代医学がいかに間違っているかをかいてみよう。
 それは種々専門的に分類されてる事である。脳神経科、耳鼻咽喉科、眼科、泌尿科、婦人科、小児科等々であるが、考えてみるがいい、人形のように手足や胴体を別々に造って繋ぎ合せたものではない、全体が相互関係で成立っている、これについて二、三の例をあげてみよう。
 以前私は肛門から排便時、便所が真赤になるくらい出血をし、一週間続いてピタリと止った事がある。ところがそれまで私は後頭部が始終重く、長話をすると圧迫感が強くなり堪えられない程であった。それが右の出血によってとても軽くなった、その頃は医学の誤謬を知ってからであったから、放任しておいたためよかったのである、もし医師へかかったら痔の病気とされ出血を止められたかも知れない、これによってみても、痔出血は頭脳と関係のある事を知ったのである。
 次にある若い女の歯痛で、浄霊するやすぐ治ったが、翌日また痛いという、みると淋巴腺に凝りがある、そこを浄霊するとすぐ治ったが、翌日また痛いという、よくみると肋骨に固結がある、それを浄霊するとすぐ治ったが翌日また痛いと言って来た、今度はもっと下だろうと思い、盲腸部をみるとそこに固結があるので、そこを浄霊すると、今度は本当に治ってしまった、これはどういうわけかというと、この女は盲腸炎で手術をした事がある。その際用いた消毒薬が残存膿化して歯ぐきから出ようとする。そのための痛みであった、ゆえにもし歯医者へ行ったところで治るはずはない、これによってみても人体は綜合体である事が判るのである。
 今一つこういう事があった、それは高熱、咳嗽、喀痰等の症状で医師からは肺結核とされていた、ところが私が診ると右側の股間鼠蹊部に固結があるので、これだなと思ってそこを浄霊したところ短期間に全治したので、私は「あなたの肺は股にあったのだ」と言って大いに笑った事がある、これは全く鼠蹊部の固結が浄化によって喀痰となり、肺臓内へ移行して咳と痰になったのを肺結核と誤ったので、これらはよくある話である、これも人体の綜合体を知るによい例である。
 これを国にたとえてみよう、仮に日本とすれば関東が隆盛で関西が萎靡(いび)しているという事はあり得ない、国全体が連鎖関係である以上、影響し合うからである、この道理に目覚めない限りいか程研究しても人を救う真の医学が出来ようはずはない。