―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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真の宗教

『光』34号、昭和24(1949)年11月5日発行

 真の宗教とは、世界主義を建前としなくてはならない、一国一民族一階級を対象としたものは真の宗教ではない、という訳はそのように極限されたものは必ず勢力争いが生れるおそれがあるからで、元来宗教なるものは和が基本である以上、争いを絶無にするのがその本質でなくてはならない、ゆえに争う事はそれ自体が宗教を放棄した事になる。
 ところが、昔から洋の東西を問わず宗教争いという事も史上幾多の実例がある、そうして極限的宗教を小乗信仰といい、汎(はん)世界的宗教を大乗宗教というのである。
 以上によってみても、大乗宗教こそ真の宗教である。