―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

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宗教と信仰

『地上天国』15号、昭和25(1950)年4月20日発行

 単に宗教といい信仰というと、世間は同一のように思い勝だが、実は別々の場合も多くあるのである。世間よくいう鰯(いわし)の頭も信心からなどの言葉は、これは信仰ではあるが宗教ではない。これと同様、野蛮人が木や石で作った怪異な偶像を拝むのも信仰ではあるが、宗教ではないのである。
 以上の意味において、今日の文化人が偶像信仰などは低級として顧みないのは無理もないのである。といって宗教でさえあればいいという訳にもゆかない。それは単に宗教といっても上中下の段階があるからである。人間が本当に救われるのは上級宗教でなくてはならないが、ちょっと聞くと宗教に上中下のあるなど変に思われやすいが、万物一切は上中下の差別があり、宗教といえどもそれに漏るるはずはないのである。すなわち上の宗教とは最高神が主宰され給うもので、その威徳は高く大にして強力である以上、救いの力もそれに伴うのは当然で、何よりも奇蹟の顕著である事である。
 本教が、医学で治らない病気が治り、危機一髪の間に災害を免れたり、当然焼けるべき火難を免るる等の奇蹟はそれがためである。従って現当利益が顕著であればあるほど、その宗教の中心には最高神が御在(おわし)ます事を知るべきである。