―― 岡 田 自 観 師 の 論 文 集 ――

help

薬師如来

『地上天国』13号、昭和25(1950)年2月20日発行

 薬師如来は、観世音菩薩の化身であって、一名東方薬師如来ともいう。私は、観音様の働きをしながら、薬は毒だという説を唱えているにかかわらず、薬師如来は薬の仏様というのであるから、すこぶる矛盾している訳であるが、ここについてその真相を開明してみよう。
 仏法の存在する期間は夜の世界と私は常に言っている。従って、その期間は火素より水素の方が多いから、毒素溶解の力が足りなかったので、固める方が有利であった。そこで毒素を固めるべく薬を服めという訳で、彼の釈尊も薬草喩品(ゆぼん)という経文を説いたのである。
 しかし薬師如来は、物質の薬剤は良くないから、霊的薬剤によって病気治癒の御利益を下されたのである。ところがいよいよ昼の世界になりつつある現在、今度は毒素溶解排除手段をとられたのである。それが私の発揮しつつある観音力である。