――― 岡 田 自 観 師 の 御 歌 集 ―――

 

御     歌

原   典

とうかいの しまねにはゆるふじがねは へいわのみよのすがたとやみん
東海の 島根に映ゆる富士ケ嶺は 平和の御代の姿とや見ん
明麿近詠集
237
真の
大和魂
とうかいの ふようのみねにときまちし このはなひめはかんのんにおわせり
東海の 芙蓉の嶺に時待ちし 木の花姫は観音に在せり
御讃歌集
118
金剛胎蔵
とうげゆく まごのかたまでほすすきの しげむがみえぬやまのふもとに
峠ゆく 馬子の肩まで穂薄の 茂むがみえぬ山のふもとに
山と水 0588
S 7.10.12
秋 草
とうざいの ふるきぶんかをあたらしき ぶんかにかゆるわがみわざかも
東西の 古き文化を新しき 文化に換ゆる我御業かも
S27. 9.23 秋季大祭
御歌08
とうざいの ふるきぶんかをあたらしき ぶんかにかゆるわがみわざかも
東西の 古き文化を新しき 文化に換ゆる我御業かも
地上天国41
S27.10.25
 
とうざいの ぶんかをむすぶひのもとの とうときえにしわれしらすなり
東西の 文化を結ぶ日の本の 尊き縁我知らすなり
S27. 9.23 秋季大祭
御歌04
とうざいの ぶんかをむすぶひのもとの とうときえにしわれしらすなり
東西の 文化を結ぶ日の本の 尊き縁我知らすなり
地上天国41
S27.10.25
 
とうざいの ぶんめいむすぶかなめかも たいへいようにうかぶハワイは
東西の 文明結ぶ要かも 太平洋に浮かぶ布哇は
「栄光」 241
S29. 1. 1
ハワイ本部御生誕祭
とうだいの ひはあさもやのたちこむる そこにかそけくめいめつなせり
灯台の 灯は朝靄のたちこむる 底にかそけく明滅なせり
山と水 0042
S 6. 6.15
安房
歌紀行
とうとうと けごんのたきはふたあらの やまのしんぴをかたるべらなり
鼕々と 華厳の滝は二荒の 山の神秘を語るべらなり
※鼕々=波や水の流れが勢いよく音をたてるさま。
山と水 0271
S 6.10.18
日光の秋
とうとうと はくえんたてつふりおつる たきのしぶきにわがおもぬるる
とうとうと 白煙たてつふりおつる 滝のしぶきにわが面ぬるる
山と水 0882
S 8. 6.19
とうとうなくなっちゃった ぶんしょうになるほどのじんかくしゃが にほんに
とうとう無くなつちやつた 文相になる程の人格者が 日本に
山と水 1104
S 9. 4.16
昭和九年四月
とうときは ひととうものなりいきかわり しにかわりつつはてなのいのち
尊きは 人とふものなり生き変り 死に変りつつ果てなの生命
御讃歌集
(改)462
救霊
とうときは ひとのいのちなりされどされど しらでくすりもてちぢむるおろかさ
尊きは 人の命なりされどされど 知らで薬もて縮むる愚かさ
地上天国30
S26.11.25
 
とうときは ふうふのなかもむつまじく いくちよかけてかわらぬにあり
尊きは 夫婦の仲も睦じく 幾千代かけて変らぬにあり
御讃歌集
(改)450
結 婚
とうときは まことなりけりくろがねの いわおもとおすちからなりせば
尊きは 誠なりけり鉄の 巌も通す力なりせば
明麿近詠集
S21. 3. 7
261
とうとくも かみよりうけしいのちなれば おろそかにすなみちをしまもりて
尊くも 神より禀けし生命なれば 疎かにすな道をし守りて
明麿近詠集
S18. 2. 5
142
立 春
とうとくも わがひのもとはびのくにと かみさだまれるくににぞありける
尊くも 我日の本は美の国と 神奠まれる国にぞありける
「栄光」 161
S27. 6.18
 
とうとけれ ああとうとけれかんぜおん ぼさつはいきとしいけるみなをすくわむ
尊とけれ 嗚呼尊とけれ観世音 菩薩は生きとし生ける悉を救わむ
御讃歌集
206
最後の救
とうのうえの ゆうべのそらにむらがらす さっとまいたちながれさりける
塔の上の 夕べの空にむら鴉 さつと舞い立ち流れさりける
山と水 0459
S 7. 1.15
梵 鐘
とうほうの ひかりというはおおかみの ふかきしぐみのことばなりける
東方の 光といふは大神の 深き仕組の言葉なりける
地上天国42
S27.11.25
 
とうほうの ひかりというはわがもてる すくいのちからにありとしれかし
東方の 光といふは我有てる 救ひの力にありと知れかし
「栄光」 179
S27.10.22
 
とうほうの ひかりにてらされまがかみも ひれふすときぞひにちかむなり
東方の 光に照らされ曲神も 鰭伏す時ぞ日に近むなり
「栄光」 181
S27.11. 5
 
とうほうの ひかりにひむるかみのなぞ とけなんときぞよのおわりなる
東方の 光に秘むる神の謎 解けなん時ぞ世の終りなる
S27.12.23 御聖誕祭
御歌13
とうほうの ひかりにひむるかみのなぞ とけなんときぞよのおわりなる
東方の 光に秘むる神の謎 解けなん時ぞ世の終りなる
地上天国44
S28. 1.25
御聖誕祭
御詠
とうほうの ひかりはいともひそやかに くもよりいでぬひとしらねども
東方の 光はいとも窃やかに 雲より出でぬ人知らねども
「栄光」 181
S27.11. 5
 
とうほうの ひかりはいよよおおぞらに のぼりてせかいくまなくてらさん
東方の 光はいよよ大空に 昇りて世界隈なく照らさむ
S28. 9.23 秋季大祭
御歌03
とうほうの ひかりはいよよおおぞらに のぼりてせかいくまなくてらさん
東方の 光はいよよ大空に 昇りて世界隈なく照らさむ
地上天国53
S28.10.25
秋季大祭
御詠
とうほうの ひかりはいよよひろごりて やがててらさんにしのはてしに
東方の 光はいよよ広〔拡〕ごりて やがて照らさん西の涯しに
S28. 2. 4 立春祭
御歌04
とうほうの ひかりはいよよひろごりて やがててらさんにしのはてしに
東方の 光はいよよ広拡ごりて やがて照らさん西の涯しに
地上天国46
S28. 3.25
 
とうほうの ひかりはすでにかくかくと のぼりそめけりしるやしらずや
東方の 光は已に赫々と 昇り初めけり知るや知らずや
「栄光」 182
S27.11.12
 
とうほうの ひかりはとうほうのくによりぞ いずるはかみのさだめなりける
東方の 光は東方の国よりぞ 出づるは神の定めなりける
地上天国42
S27.11.25
 
とうほうの ひかりはひにひにのぼりゆき やがてせかいをてらしつつまん
東方の 光は日に日に昇りゆき やがて世界を照らし包まむ
祭典時御歌
S29. 2. 4
立春祭
御詠 08
とうほうの ひかりはひにひにのぼりゆき やがてせかいをてらしつつまん
東方の 光は日に日に昇りゆき やがて世界を照らし包まむ
地上天国 58
S29. 3.25
立春祭
御詠
とうほうの ひかりはひにひにひろごりて とつくにまでもくまなくてらさん
東方の 光は日に日に拡ごりて 外国までも隈なく照らさむ
「栄光」 241
S29. 1. 1
ハワイ本部御生誕祭
とうほうの ひかりはひにひにひろごりて まがつのちからよわりゆくなり
東方の 光は日に日に広〔拡〕ごりて 曲津の力弱りゆくなり
S27.12.23 御聖誕祭
御歌12
とうほうの ひかりはひにひにひろごりて まがつのちからよわりゆくなり
東方の 光は日に日に拡ごり て曲津の力弱りゆくなり
地上天国44
S28. 1.25
御聖誕祭
御詠
とうほうの ひかりはやがてとつくにを くまなくてらすときのちかみぬ
東方の 光はやがて外国を 隈なく照らす時の近みぬ
地上天国52
S28. 9.25
 
とうろうの こけあおあおといけのもに うつりてほそあめしきりにふるも
灯籠の 苔青あおと池の面に 映りて細雨しきりに降るも
山と水 0077
S 6. 7. 1
梅  雨
とおながれ くるうぐいすのこえにひかれ それがちになるはるののじかな
遠流れ くる鶯の声にひかれ それがちになる春の野路かな
山と水 0474
S 7.**.**
春の山
とおみゆる やまなみよろしもあかばねの てっきょうふたつゆうひにしるき
遠みゆる 山並よろしも赤羽の 鉄橋二つ夕陽にしるき
山と水 0731
S 8.**.**
板 橋
新東京を詠む
ときおりの たびのそらにもおもおゆは あたみにまさるよきちありやと
時折の 旅の空にも思ほゆは 熱海に勝るよき地ありやと
地上天国 59
S29. 6.15
熱海の春
とぎすめる かがみのごときゆのこみれば あきのしらねのすそまうつれる
研ぎすめる 鏡の如き湯の湖見れば 秋の白根の裾ま映れる
山と水 0278
S 6.10.18
日光の秋
ときつかぜ ふききよめけりながきよの ちりやあくたのなごりとどめで
時津風 吹き浄めけり長き世の 塵や芥の名残とどめで
明麿近詠集
S21. 3.10
264
ときなれや ああときなれやいまはしも まにのちからのよにいづるなり
時なれや 嗚呼時なれや今はしも 麻邇の力の世にいづるなり
明麿近詠集S19. 2. 5 171
立春其他
ときなれや ああときなれやしんりきを ふるうもときのきつればなりけり
時なれや 嗚呼時なれや神力を 揮ふも時の来つればなりけり
地上天国35
S27. 4.25
 
ときなれや かみのめぐみのいやちこに まめひとたちにみゆるこのごろ
時なれや 神の恵みのいやちこに 信徒達に見ゆるこのごろ
S28. 9.23 秋季大祭
御歌04
ときなれや かみのめぐみのいやちこに まめひとたちにみゆるこのごろ
時なれや 神の恵みのいやちこに 信徒達に見ゆるこのごろ
地上天国53
S28.10.25
秋季大祭
御詠
ときはいま きげんまつなりあたらしき きげんにはじまるちじょうてんごく
時は今 紀元末なり新しき 紀元に肇まる地上天国
地上天国48
S28. 5.25
 
ときみちて かみのゆにわのはつまつり まいきかがやくまめひとのおも
時満ちて 神の斎庭の初祭 参来かがやく信徒の面
※斎庭=斎(い)み清めた所。祭りの庭。
明麿近詠集
S23. 5.**
353
早雲寮初祭
ときめきし くにつかさらつぎつぎに おちゆくさまのあわれなりける
時めきし 国の司等次つぎに 落ちゆくさまの哀れなりける
明麿近詠集
S21. 2. 5
177
黎 明
ときめきし ひとたちつぎつぎおちゆくは さらつよあるるしるしなるらん
時めきし 人達次つぎ落ちゆくは 新つ世生るる徴なるらん
明麿近詠集
S22. 1. 8
297
新世界
ときめきし ものいまはしもささやかに いくるをききてなにかかなしき
時めきし もの今はしも小やかに 生くるを聞きて何か悲しき
明麿近詠集
S21. 3.10
262
ときめきて しょうがつまちしこのころの こころのこるかおいけるいまはも
ときめきて 正月待ちし子の頃の 心のこるか老ひける今はも
山と水 0665
S 7.12.30
ときめける えらびととてもまぬかれじ かみのさばきのときのきぬれば
ときめける 偉人とても免れじ 神の裁きの時の来ぬれば
祭典時御歌
S29. 3.23
春季大祭
御詠 07
ときめける えらびととてもまぬかれじ かみのさばきのときのきぬれば
ときめける 偉人とても免れじ 神の裁きの時の来ぬれば
地上天国 59
S29. 6.15
 
ときめける えらびととてもわがめには いたずらこぞうとうつるなりける
時めける 偉人とても我眼には 悪戯小僧と映るなりける
地上天国52
S28. 9.25
 
とぎれとぎれ かえるなくなりさなえだふく かぜすこしありてゆうづきあわき
とぎれとぎれ 蛙鳴くなり早苗田ふく 風少しありて夕月あわき
山と水 0863
S 8. 6.12
とこいけの まつのえこけにみやまぢを しのびけるかもしずけさのごご
床活けの 松の枝苔に深山路を 偲びけるかも静けさの午後
山と水 1167
S10. 1.10
春未だし
とこしえに このどのうえにうちたたむ あくがれまちしゆめのてんごく
永久に 此土の上に打樹たむ あくがれ待ちし夢の天国
御讃歌集
102
地上天国
とこしえに このどのうえにうちたてん まこととなりしゆめのてんごく
永久に 此土の上に打樹てむ 実となりし夢の天国
御讃歌集
(改)221
大経綸
とこしえに ひとのいのちはあるものと しりてはじめてひとたるひとなり
永久に 人の生命はあるものと 知りて初めて人たる人なり
御讃歌集
(改)336
せいしいちにょ
生死一如
とこしえに へいわのみよのいしずえを したついわねにうちたてんいま
永久に 平和の御代の礎えを 下津磐根に打樹てん今
地上天国28
S26. 9.25
神と吾
とこしへに みどりさかゆるときわぎの まつもたおれぬかみかぜのふき
永久に 緑栄ゆる常盤木の 松も倒れぬ神風の吹き
明麿近詠集
S21. 3.10
267
とこしへの よのいしずえといはがねの うえにたてけりすがしきいおりを
永久の 世の礎と巌ケ根の 上に建てけり清しき庵を
明麿近詠集
S23. 9.15
364
石楽園
とことはに おおあめつちのさかゆるは もものうごきのくるいなければ
永遠に 大天地の栄ゆるは 諸の動きの狂ひなければ
明麿近詠集S11. 5.** 021
美しき此世
とことわに ふゆなきよるなきてんごくに たまやすませむはやきたれかし
永遠に 冬なき夜なき天国に 魂安ませむはや来れかし
御讃歌集
215
大慈大悲
とことわに ふゆなきよるなきてんごくに よびとすくはんはやきたれかし
永遠に 冬なき夜なき天国に 世人救はむはや来れかし
御讃歌集
(改)294
地上天国
とことわの いのちのさちをつくれかし このうつしよにありしあいだに
永遠の 生命の幸を作れかし 此現世にありし間に
御讃歌集
(改)337
せいしいちにょ
生死一如
とこはるの さまをこのどにあらわして ちじょうてんごくいまつくらんとすも
常春の 様を此土に表はして 地上天国今造らむとすも
地上天国16
S25. 8.15
瑞雲天国
とこはるの すがたそのままあらわして ちじょうてんごくわれつくらんとすも
常春の 姿そのまま表はして 地上天国吾造らむとすも
御讃歌集
(改)369
瑞雲天国(一)
とこはるの ひがんはろかにみゆるなり おしえのみふねにすすみゆくみは
常春の 彼岸はろかに見ゆるなり 教の御舟に進み行く身は
明麿近詠集
S11. 5.15
019
真理
とこやみ よみちさまようよのひとの あかりとならんわがときしふみ
常暗の 夜途さ迷ふ世の人の 灯とならむわが説きし書
明麿近詠集S21. 3. 3 232
神の愛
とこやみに あえぎうごめくこひつじを ひかりのみちにいざなうわがわざ
常暗に 喘ぎうごめく小羊を 光の道に誘ふわが業
地上天国17
S25.10.15
 
とこやみの このうつしよもはれぬらん たまのひかりのかがやきそめてゆ
常暗の 此現し世も晴れぬらん 玉の光の輝き初めてゆ
地上天国38
S27. 7.25
 
とこやみの そこにうごめくもろびとは かみをせにせしとがにぞありける
常暗の 底に蠢めく諸人は 神を背にせし咎にぞありける
地上天国36
S27. 5.25
 
とこやみの みちつえもたですすみゆく ひとのあやうきよにぞありける
常暗の 道杖もたで進みゆく 人の危ふき世にぞありける
地上天国19
S25.12.25
 
とこやみの みちにさまようこひつじを いとねもごろにみてにいざなう
常暗の 道に彷ふ小羊を いと懇ろに神手に誘ふ
御讃歌集
(改)184
やみのよ
闇〔暗〕の世
とこやみの みちにさまようこひつじを すくうはかみのひかりよりなき
常暗の 道にさ迷ふ小羊を 救ふは神の光よりなき
地上天国31
S26.12.25
 
とこやみの よはあけぬらんことしはも たつはるのきょうさかいともなり
常暗の 世は明けぬらむ今年はも 立つ春の今日境ともなり
明麿近詠集
S18. 2. 5
138
立 春
とこやみの よやてのひらをうちかえす ごととこはるとなるぞうれしき
常暗の 世や掌を打かえす 如常明となるぞ嬉しき
「救世」53
S25. 3.11
五六七祭
御歌
とこやみの よをあきらけくはらさんと こうみょうにょらいはいでましにける
常暗の 世を明けく晴さんと 光明如来は出でましにける
明麿近詠集
S23. 1. 1
324
新 年
とこやみの よをてらさんとひのかみは にっこうでんをつくらせたまいぬ
常暗の 世を照さむと日の神は 日光殿を造らせ給ひぬ
地上天国出来るまで08
S25. 9.21
とこやみの よをてらさんとひのかみは にっこうでんをつくらせたまいぬ
常闇の 世を照さむと日の神は 日光殿を造らせ給ひぬ
光宝会資料
S25. 9.21
秋季大祭御詠08
とこやみの よをてらさんとひのかみは にっこうでんをつくらせたまいぬ
常暗の 世を照さむと日の神は 日光殿を造らせ給ひぬ
「栄光」 72
S25.10. 4
秋季大祭御歌08
ところどころ いしのほとけのこけさびて さみしくたてりけんこんのやま
ところどころ 石の仏の苔さびて さみしく立てり乾坤の山
山と水 0020
S 6. 6.15
乾坤山
ところどころ つりびとみえてあきぞらの うつれるいけにいとたれており
ところどころ 釣人見えて秋空の うつれる池に糸垂れてをり
山と水 0306
S 6.10.20
古 池
としごとに いわうはるたつこのよきひ ことにまつらんかみのみまえに
年毎に 祝ふ春立つ此のよき日 ことに祀らむ神の御前に
御光話録補
S23. 2. 5
 
としごとに かたきちぎりをかけまくも あまのかわらのほしあいのよい
年毎に かたき契りをかけまくも 天の河原の星会いの宵
※かけまくも=心にかけて思うこと。言葉に出して言うこと。
山と水 0193
S 6. 8.20
七 夕
としごとに ことほぐはるのみまつりも ことしはひとしおいぎふかからめ
年毎に 祝ぐ春の御祭も 今年は一入意義深からめ
S28. 3.23 春季大祭
御歌01
としごとに ことほぐはるのみまつりも ことしはひとしおいぎふかからめ
年毎に 祝ぐ春の御祭も 今年は一入意義深からめ
地上天国47
S28. 4.25
春季大祭
御詠
としごとに さかゆるみわざにたろうわれ めでたくいわいぬとしのはじめに
年毎に 栄ゆる神業に足らふ吾 目出た〔芽出度〕く祝ひぬ年の初めに
祭典時御歌
S29. 1. 1
新年御詠 03
としごとに さかゆるみわざにたろうわれ めでたくいわいぬとしのはじめに
年毎に 栄ゆる神業に足らう吾 芽出度く祝いぬ年の初めに
地上天国 57
S29. 2.25
新年御詠
としごとに たつはるいわうみまつりに おもいぞうつるわれにぞありける
年毎に 立つ春祝ふ御祭に 思ひぞ移る吾にぞありける
S27. 2. 5 立春祭
御歌02
としごとに たつはるいわうみまつりに おもいぞうつるわれにぞありける
年毎に 立つ春祝ふ御祭に 思ひぞ移る吾にぞありける
地上天国33
S27. 2.25
 
としごとに たつはるいわうめでたさの ひとしおなりけりきょうのみまつり
年毎に 立つ春祝ふ目出た〔芽出度〕さの 一入なりけり今日の御祭
S28. 2. 4 立春祭
御歌02
としごとに たつはるいわうめでたさの ひとしおなりけりきょうのみまつり
年毎に 立つ春祝ふ芽出度さの 一入なりけり今日の御祭
地上天国46
S28. 3.25
 
としごとに はるたちそむるきょうのひを まことのひとたちよせてほぐわれ
年毎に 春立ち初むる今日の日を 誠の人たち集せて祝ぐ吾
明麿近詠集
S19. 2. 5
156
立春其他
としせまり ことしとれどもこころもえず あたらしきとしまつこととせり
年せまり 事しとれども心もえず 新しき年待つこととせり
山と水 0662
S 7.12.30
としふりし ももきのみきのあおごけと はなのてりあいみのさりがたき
年ふりし 桃木の幹の青苔と 花のてりあい見の去りがたき
山と水 0564
S 7. 5.12
二子の桃
とつくにに メシヤのひかりかがやけば ふためくならんひのもとのたみ
外国に 救主の光輝けば ふためくならん日の本の民
地上天国52
S28. 9.25
 
とつくにの すくいのたちのさきがけと ハワイのみやこにたちてけるかも
外国の 救ひの館の魁と 布哇の都に建ちてけるかも
「栄光」 241
S29. 1. 1
ハワイ本部御生誕祭
とつくにの たみもひにひにすくわるる たよりをみみにむねふくるるも
外国の 民も日に日に救はるる 便りを耳に胸ふくるるも
祭典時御歌
S29. 3.23
春季大祭
御詠 02
とつくにの たみもひにひにすくわるる たよりをみみにむねふくるるも
外国の 民も日に日に救はるる 便りを耳に胸ふくるるも
地上天国 59
S29. 6.15
 
とつくにの ひともあこがれはるばると よりつどうらんびのてんごくへ
外国の 人も憧れ遥々と 寄り集ふらむ美の天国へ
S27. 3.23 春季大祭
御歌09
とつくにの ひともたたえんかんれいの やまのおのえにびのやかたみて
外国の 人も讃えむ函嶺の 山の尾の上に美の館観て
※函嶺、箱根山の異称。
「栄光」 160
S27. 6.11
 
とつくにの ひともやがてはつどいこん よにふたつなきぱらだいすなれば
外国の 人もやがては集ひ来む 世に二つなきパラダイスなれば
御讃歌集
(改)385
瑞雲天国
(二)
とっけんかいきゅうとはだいしんぶんとそうしてふごう
特権階級とは大新聞とそうして富豪
山と水 1103
S 9. 4.16
昭和九年四月
とっけんかいきゅうによいきょうかしょができた ご・いちごじけんのさいばんちょうしょ
特権階級に良い教科書が出来た 五・一五事件の裁判調書
山と水 0945
S 8. 8.21
五・一五事件
とっけんかいきゅうのこえいがさびしい ひじょうじのあき
特権階級の孤影がさびしい 非常時の秋
山と水 0975
S 8. 9.18
五・一五事件から
とっけんかいきゅうをゆすぶっている めにみえぬ じしん
特権階級をゆすぶつてゐる 眼にみえぬ 地震
山と水 1034
S 8.12.29
日 本
とつじょ うきがつくるわ わ こどうがめにほとばしる
突如 浮子がつくる輪 輪 鼓動が眼にほとばしる
山と水 0490
S 7. 2.10
ととのえる あきちひろらにくさかれて のわきはいまをしきりふける
整える 空地ひろらに草枯れて 野分は今をしきり吹ける
山と水 0687
S 8.**.**
目 黒
(新住宅地)
新東京を詠む
とのごとき あしたのうみにほをたてて すべるふねありくましろくひき
砥の如き 朝の海に帆を立てて すべる舟あり隈白くひき
山と水 0670
S 8. 1. 1
勅題
朝の海
とのごとき こめんにちさくあさづきの うつりてやまにまだきりのこる
砥の如き 湖面に小さく朝月の うつりて山にまだ霧のこる
山と水 0853
S 8. 5.20
朝 月
※砥の如き=砥石のように平坦であること    
とのすきを もるさむかぜのみにしむも しょうじのかみのおりおりなれる
戸の隙を もる寒風の身にしむも 障子の紙のをりをり鳴れる
山と水 0375
S 6.12.23
寒 夜
とびはなれたかるわざし あどるふ ひっとらー
飛び放れた軽業師 アドルフ ヒットラー
山と水 0862
S 8. 5.28
ヒットラー
とまぶねの すきまにあかくひのみえて あおあおしもよつきのよのかわ
苫舟の すきまに赤く灯のみえて 青あおしもよ月の夜の川
※苫舟=菅(すげ)・茅(かや)などで作った苫で屋根を葺(ふ)いた舟。
山と水 0627
S 7.12.10
寒 月
とめるものに なみだをあたえまずしきものに ものをめぐもうかんぜおんかんも
富める者に 涙を与え貧しき者に 物を恵もう観世音かも
御讃歌集
012
観音下生
ともすれば せいじかのしょうじょうかんねんを だいじょうかんねんにきりかえたくおもうも ともすれば 政治家の小乗観念を 大乗観念に切替へたく思うも 「栄光」 237
S28.12. 2
 
ともすれば ぼうりょくふるうにんげんは けもののさがののこればなりけり
ともすれば 暴力ふるう人間は 獣の性の残ればなりけり
「栄光」 156
S27. 5.14
 
とよあしはら みずほのくににひりょうもて けがせしとがにあえぐぞあわれ
豊葦原 瑞穂の国を肥料もて 穢せし尤に喘ぐぞ哀れ
S27. 2. 5 立春祭
御歌14
とよあしはら みずほのくにのあわれさよ あだむしたのもにみちあらしける
豊葦原 瑞穂の国の哀れさよ 仇虫田の面に満ち荒らしける
地上天国53
S28.10.25
秋季大祭
御詠
とよあしはら みずほのくにのあわれさよ あだむしたのもにみちあれにける
豊葦原 瑞穂の国の哀れさよ 仇虫田の面に満ち荒れにける
S28. 9.23 秋季大祭
御歌08
とよあしはら みずほのくにをひりょうもて けがせしとがにあえぐぞあわれ
豊葦原 瑞穂の国を肥料もて 穢せし尤に喘ぐぞ哀れ
地上天国34
S27. 3.25
 
※豊葦原瑞穂の国=日本国の美称。    
とらっくや でんしゃゆきかうこのみちは おうしゅうがいどうとまちびといいけり
トラックや 電車往き交ふこの道は 奥州街道と町人言ひけり
山と水 0706
S 8. 1.10
足 立
(千 住)
新東京を詠む
とりうたい ももはなにおうてんごくの さまをうつせるずいうんきょうかな
鳥歌ひ 百花匂ふ天国の 様を写せる瑞雲郷かな
地上天国16
S25. 8.15
瑞雲天国
とりたつる ほどのけいなきむさしのも たまがわあたりのあきはこのもし
とりたつる ほどの景なき武蔵野も 玉川あたりの秋はこのもし
山と水 0994
S 8.10.18
武蔵野探秋
とりたてて いうほどもなきけいながら むさしのべにもあきはみゆめり
とりたてて 言ふほどもなき景ながら 武蔵野辺にも秋は見ゆめり
山と水 0970
S 8. 9.18
武蔵野をゆく
とるにたらぬ いがくのきせきでかでかと しんぶんにみるめいしんのよや
取るに足らぬ 医学の奇蹟デカデカと 新聞に見る迷信の世や
「栄光」 244
S29. 1.20
 
とをくれば ありあけのつきそらにあり このはのゆらぎみえぬしずけさ
戸をくれば 有明の月空にあり 木の葉のゆらぎみえぬ静けさ
※有明の月=夜が明けて、なお空に残っている月。
山と水 0824
S 8. 4.10
とんぼつるこのくろいかおがならんで かきのなかのきんぎょにそそいでいるめ め め
蜻蛉釣る子の黒い顔が並んで 垣の中の金魚に注いでゐる眼 眼 眼
山と水 0239
S 6. 9.20
秋(二)

 

 

御     歌

原   典

どうすればいいかをしりすぎて なさないおれというもの
どうすればいいかを知り過ぎて 為さない俺というもの
山と水 0509
S 7. 3. 1
自分の今
どっとふく かぜにこのはのまうがごと とおぞらよぎるすずめのむれはも
どつと吹く 風に木の葉の舞ふが如 遠空よぎる雀の群はも
山と水 0367
S 6.11.10
どてうえの さくらはかぜにまいくるい つちあるところはなびらのうず
土堤上の 桜は風に舞いくるい 土あるところ花びらのうづ
山と水 0546
S 7. 3.16
どのいわも こけあおあおとなずみけり しんざんにまがうこのごろのにわ
どの岩も 苔青々となづみけり 深山にまがふ此頃の庭
地上天国51
S28. 8.25
箱根の夏31
どらいぶの じどうしゃのまどふきいるる あきのよかぜのみにしむるなり
ドライブの 自動車の窓吹きいるる 秋の夜風の身にしむるなり
山と水 0949
S 8. 9.16
秋 風
どらいぶの まどよりとびきゆあきのやま おりおりめにいるいろもみじかも
ドライヴの 窓より飛び消ゆ秋の山 折々目に入る色紅葉かも
地上天国53
S28.10.25
箱根の秋15
どろぬまの そこにのたうつあわれなる ひといざなうもびのてんごくに
泥沼の 底にのたうつ哀れなる 人誘ふも美の天国に
地上天国38
S27. 7.25
 
どんかいろうの しばふのにわにむしろのべ うたかいなどをひらきてたのしむ
呑海楼の 芝生の庭に莚のべ 歌会などを開きてたのしむ
山と水 0053
S 6. 6.15
安房
歌紀行

140首