Gosanka Poems
for the Kannon Society,
1936, unpublished
観音会御賛歌集(未発表)昭和十一年
救世の力(一) |
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1 | かしこくも せんじゅのみてをさしのべて さんがいばんれいすくうみほとけ 畏くも 千手の御手をさしのべて 三界万霊救ふ御仏 |
2 | かんぜおん ぼさつとねんずたまゆらに このみこのたまよみがえりけり 観世音 菩薩と念ずたまゆらに 此身此魂甦りけり |
3 | しらぬまに すくわれにけりかんのんの やさしきみことわれききてより 知らぬ間に 救はれにけり観音の やさしき御言吾聴きてより |
4 | まんがんの ふみよまずともねんずれば まことのちえをたまうかんのん 万巻の 書籍読まずとも念ずれば 真の智慧を賜ふ観音 |
5 | ほうにそれず のりにかないてとみさかゆ みちはかんのんぎょうにありける 法に外れず 教にかなひて富栄ゆ 道は観音行にありける |
6 | めっぽうの よをすくいますみちからは かんのんりきよりとになしとおもう 滅法の 世を救ひます御力は 観音力より外になしと思ふ |
7 | たいぼうの すくいはあれぬけいしょうを ひたうちならしよびとさまさん 待望の 救は現れぬ警鐘を ひた打鳴らし世人醍さん |
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千手観音(二) | |
8 さんぜんせかい よみがえさんとかしこくも せんじゅかんのんはあれましにける 三千世界 甦へさんと畏くも 千手観音は現れましにける | |
9 じゆうむげ せんじゅはおろかまんおくの みてさしのべてすくいますらん 自由無礙 千手はおろか万億の 御手さしのべて救ひますらむ | |
10 せんのみてに ぶっかをさずけせんのみめに ひかりめぐもうせそんとうとき 千の御手に 仏果を授け千の御眼に 光恵まふ世尊貴き | |
11 たらちねの ははのちぶさをしたうがに よびとすがらんせんのたまてに 垂乳根の 母の乳房を慕ふがに 世人縋らん千の玉手に | |
12 やまいなく ひんなくあらそいなきみよを うみたまわんとひたにねぐなり 病無く 貧無く争無き御世を 生み賜はんとひたに願ぐなり | |
13 せんようの みてのちからにまがかみも まつろいみまえにぬかづくなるらん 千様の 御手の力に曲神も 服ひ御前に額くなるらむ | |
14 みすくいに もるるはあらじうつしよに うれいになやむもののいのちは 御救ひに 漏るるはあらじ現世に 患ひに悩むものの命は | |
15 しんらばんしょう よのことごとにけじめなく みひかりたまうせんじゅかんのん 森羅万象 世の悉々に差別なく 御光賜ふ千手観音 | |
16 さしのぶる ちぐさのみてにもれもなく もののいのちはすくわれゆくなり さし伸ぶる 千種の御手に漏もなく ものの命は救はれゆくなり | |
17 とうほうの ひかりまくばるせんのみてに とこよのやみはうちはれぬらん 東方の 光間配る千の御手に 常世の闇はうち晴れぬらん | |
観音下生(三) 18 いとふかき だいじだいひにましますや ぼさつのみなにすくいますかも いと深き 大慈大悲に在しますや 菩薩の御名に救ひますかも 19 とめるものに なみだをあたえとぼしきものに かてをめぐまうかんぜおんかも 富める者に 涙を与へ乏しき者に 糧を恵まふ観世音かも 20 えすがたと たがおもうらんさながらに いけますごとくてらうみおもて 絵姿と 誰が思ふらん宛らに 生けます如く照らふ御面 21 おおいなる ひかりとねつをもれもなく ゆたかにめぐもうかんぜおんかも 大いなる 光と熱を漏もなく 豊かに恵まふ観世音かも 22 おうごんの おんみにあらすかんぜおん いつかばぶっしつゆたかなりける 黄金の 御身にあらす観世音 斎かば物質豊なりける 23 みすがたを あさなゆうなにあおぎます ごとになやみはきえてゆくなり 御姿を 朝な夕なに仰ぎます 毎に悩みは消えてゆくなり 24 たらちねの ははにもましてなつかしく うちあおぐかなやさしきみすがた 垂乳根の 母にも増して懐しく 打仰ぐかなやさしき御姿 25 いかならん いたつきとてもねんずれば とくいやしますかんぜおんかも 如何ならむ いたつきとても念ずれば 疾く癒します観世音かも 26 かんぜおん いつきまつりしときよりぞ わがいえぬちはあかるくなれり 観世音 斎き奉りし時よりぞ わが家内は明くなれり | |
東方光(四) 27 ひさかたの あまつみそらはとうほうの ひかりのいでてさやけかりける 久方の 天津御空は東方の 光の出でてさやけかりける 28 とうほうの ひかりといえどかんのんの ぐせのひかりのことにあるらん 東方の 光といへど観音の 救世の光の事にあるらむ 29 とうほうの ひかりとはとうほうひのもとの くによりいずるすくいなりけり 東方の 光とは東方日の本の 国より出づる救ひなりけり 30 いそのかみ ふるきよすでにとうほうの ひかりのことのはとなえそめける 石の上 古き世既に東方の 光の言の葉唱へ初めける 31 みかえるも めしやもえほばもかんのんの おうしんけそうのみなにありけり ミカヱルも メシヤもヱホバも観音の 応身化相の御名にありけり 32 せいほうの ぶんめいただしとことはに おさまるひがしのみちおしゆなり 西方の 文明釐し永遠に 治まる東の道教ゆなり 33 ひのひかり つきのせいれいここにこり ひがしのぶんかとあれそめにけり 日の光 月の精霊ここに凝り 東の文化と現れ初めにけり 34 ゆきもどり ならぬとどめのよをすくう ちからはとうほうのひかりなるかも 行き戻り ならぬ艮の世を救ふ 力は東方の光なるかも 35 まちのぞむ ひかりとちからはみすくいの けんいをおわすかんのんなりける 待ち望む 光と力は御救ひの 権威を負はす観音なりける 36 つきもほしも かげをひそめんひんがしの あまつおおぞらあかるみそめて 月も星も 光をひそめむひむがしの 天津大空明るみ初めて | |
天地開明(五) 37 とうほうの ひかりのいでてばんかいの やみのとばりはひらかれにけり 東方の 光の出でて万界の 闇の帳は開かれにけり 38 よのひじり とくよしもなきもろもろを つぶさにあかすむげのみひかり 世の聖 解くよしもなきもろもろを つぶさに明す無礙の御光 39 かんのんの みょうちのかぎにちよろずの おしえのなぞはうちひらかれん 観音の 妙智の鍵に千万の 教の謎はうち開かれむ 40 とけがたき なぞのとびらもかんのんの おんてにふれてひらかれにける 解けがたき 謎の扉も観音の 御手にふれて開かれにける 41 あめつちの もものじっそうめにうつり まよいのくものはるるうれしさ 天地の 諸の実相眼にうつり 迷ひの雲の晴るる嬉しさ 42 よしやよし はちまんよんせんのきょうもんを そらんずとてもまよいははれじ よしやよし 八万四千の経文を 諳んずとても迷ひは晴れじ 43 しゃくそんも いえすもしらぬみちからに ひとのこのよはよみがえりぬらん 釈尊も イヱスも知らぬ御力に 人の此世は甦へりぬらむ 44 せいほうの よろずのおしえもとうほうの ひかりのいでてあからけくなれり 西方の 万の教も東方の 光の出でて明らけくなれり | |
三尊の弥陀(六) 45 さんぞんの みだとはかんのんしゃかあみだ みっつのにょらいをたたえていうなり 三尊の 弥陀とは観音釈迦阿弥陀 三つの如来を称へていふなり 46 さんぞんの みだのみちからひとつみに そなえみすくうせいかんのんかも 三尊の 弥陀の御力一つ身に 具へ御救ふ聖観音かも 47 ばいぶるの さんみいったいのことのはは かんのんりきのことにぞありぬ バイブルの 三位一体の言の葉は 観音力の事にぞありぬ 48 ひだりには しゃくそんみぎにはみだにょらい せいかんのんはまなかのみくらい 左には 釈尊右に弥陀如来 聖観音は真中の御位 49 しゃかみだに すくいよさしてみちとせを かくろいませしかんぜおんかも 釈迦弥陀に 救任さして三千年を 隠ろひませし観世音かも 50 ほうりんを てんいましましむげこうを あまねくたまうせそんとうとき 法輪を 転移ましまし無礙光を 普く賜ふ世尊尊き 51 おもいきや えすきりすとのさいりんは せいかんのんのすくいにぞある 思ひきや ヱスキリストの再臨は 聖観音の救ひにぞある 52 まにのたま にょいのほうしゅはよをすくう せいかんのんのうつわなりける 麻邇の玉 如意の宝珠は世を救ふ 聖観音の器なりける 53 おうしんの みろくにおわすやおすがたは おのこおみなのけじめわかぬも 応身の 弥勒に在すや御姿は 男女の差別わかぬも 54 てんごくの なりなりますがちかみけり せいかんのんのたまのひかりに 天国の 成り鳴りますが近みけり 聖観音の玉の光に 55 ふだらかの やまにのぼりてかんのんの みおしえききししゃかにょらいかな 補陀落迦の 山に登りて観音の 御教聴きし釈迦如来かな 56 せいほうは みだのくになりとうほうは せいかんのんのたまのふるさと 西方は 弥陀の国なり東方は 聖観音の霊の故郷 57 いやはてに にしもひがしもかんのんの だいじのみてにむすばるるなり いやはてに 西も東も観音の 大慈の御手に結ばるるなり | |
金剛胎蔵(七) 58 たいぞうかい いでますみろくをひたすらに またせたまいしあまつおおかみ 胎蔵界 出でますミロクを只管に 待たせ給ひし天津大神 59 こんごうかいに みろくげしょうをまたされし しょぜんしょぶつややおよろずかみ 金剛界に 弥勒下生を待たされし 諸善諸仏や八百万神 60 たいぞうの みろくあれましぶっせつの よろずのなぞはとけそめにけり 胎蔵の ミロク生れまし仏説の 万の謎は解け初めにけり 61 かんぜおん ふるうちからはやおよろず かみのまたれしこんごうりきなる 観世音 揮ふ力は八百万 神の待たれし金剛力なる 62 とうかいの ふようのみねにときまちし このはなひめはかんのんなりける 東海の 芙蓉の峰に時待ちし 兄の花姫は観音なりける 63 よのみだれ ただすちからはかんぜおん ぼさつのほかにあらじとおもう 世の乱れ ただす力は観世音 菩薩の外にあらじと思ふ 64 いかならん つみもゆるさせいかならん つみもとがむるあめつちのかみ 如何ならむ 罪も赦させ如何ならむ 罪も尤むる天地の神 65 あずさゆみ はるたちそめてこのはなの かおりはよものくにににおわん 梓弓 春立ち初めて兄の花の 香は四方の国ににほはん | |
救ひの光(八) 66 ゆめにだも しらでありけりとうほうの すくいのひかりははやかがやける 夢にだも 知らでありけり東方の 救の光ははや暉やける 67 そのころを かえりみすればおそろしも やみじつえなくさまよえるなり その頃を 顧みすれば恐ろしも 闇路杖なく彷へるなり 68 だんがいの ゆくてにあるがしられけり すくいのひかりをわれあみてより 断崖の 行手にあるが知られけり 救の光を吾浴みてより 69 ふきすさぶ よあらしとてもわすれける だいじのひかりにわれつつまれてより 吹き荒ぶ 世嵐とても忘れける 大慈の光に吾包まれてより 70 かんのんの ひかりにまなこさめぬれば こがねとみしはあらがねのつち 観音の 光に眼醒めぬれば 黄金と見しは荒金の土 71 ひとごとと おもいしこともいつかしら わがみのうえにふりかかるよなり 人事と 思ひし事も何時かしら 我身の上にふりかかる世なり 72 うきくさの ところさだめぬわがこころ まなこさむればうごくよしなき 浮草の 所定めぬ我心 眼覚むれば動くよしなき 73 みめぐみの ふかきをしらでまよいける わがこころねのはずかしくなれり 御恵みの 深きを知らで迷ひける わが心根の愧しくなれり 74 かんのんの みょうちによらでいかにして もものさかごとわからざらめや 観音の 妙智に依らで如何にして 百の逆事解らざらめや 75 かんのんの みすくいなくばわれはいま そこなきぬまにはまりてありなん 観音の 御救ひなくば吾は今 底なき沼にはまりてありなん 76 いまさらに すぎにしことはいわざらめ わがおろかさのとがにありせば 今更に 過ぎにし事は言はざらめ 我愚さの尤にありせば 77 ちからなく つえなくともしびもたぬみの あやめもわかぬやみじにすくわる 力なく 杖なく灯有たぬ身の 黒白もわかぬ闇路に救はる 78 はるののに あそぶがごとくうらたのし せそんがれいいのそでにつつまれ 春の野に 遊ぶが如く心楽し 世尊が霊衣の袖に包まれ 79 かずならぬ みにしあれどもおんわざの はしになりともくわえさせたまえ 数ならぬ 身にしあれども御業の 端になりとも加へさせたまへ | |
“Fruit of the Peach (9)” 桃の実 (Momo no Mi) | |
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80 | SEIOUBO HAGUKUMI MASESHI MOMO NO MI WA SEIKANNON NO IKUMITAMA NARU MO 西王母 育くみませし桃の実は 聖観音の生身魂なるも |
The fruit of the peach, / Cultivated by the Queen / Mother, is the living / Body and soul of the / Sacred Regarder of Cries. | |
81 | MICHITOSE NO OUBO NO SONO NO MOMO MINORI KAMI NO UTSUWA TO YO NI AREMASHINU 三千歳の 王母の園の桃実り 神の器と世に現れましぬ |
After three thousand years / The garden of the Queen Mother / Bears the peach that / Appears in the world / As God’s vessel. | |
82 | KÔKIN NO GYOI NO MISODE O HIRUGAESHI KIMI NI SASAGURU MOMO NO HITOTSU MI 黄錦の 御衣の御袖を翻へし 君に棒ぐる桃の一つ実 |
Turning inside out / The sleeve of the / Robe of golden brocade, / The fruit of one peach / Is presented to You. | |
83 | SEIOUBO NO SONO TOSHI IU WA BUSSETSU NO TAIZÔKAI NO KOTO NIZO ARI KERU 聖王母の 園としいふは仏説の 胎蔵界の事にぞありける |
What is known as the / Garden of the Western / Queen Mother is / That of the Womb- / Store world of Buddhism. | |
84 | OMOIKIYA MUKASHI GATARI NO MOMOTARÔ WA SENJUKANNON NO KEGEN NI MASERI 思ひきや 昔語りの桃太郎は 千手観音の化現にませり |
Unbeknownst, Momotaro, / Talked about since old, / Is a manifestation / Of the Thousand-armed / Regarder of Cries. | |
85 | RACHI MO NAKI OTOGIBANASHI NI KOTO YOSETE SHIRASHIME TAMAERU MIKOKORO FUKASHI 埒もなき 御伽噺に事よせて 知らしめ給へる御心ふかし |
The fairy tales / Of old can teach us / Much about the / Depths, the profundity / Of divine will. | |
86 | ISAGIYOSHI YOMOTSUHIRASAKA NO TATAKAI NI ISAOSHI TATSURU MOMO NO MI NO TAMA 潔し 黄泉比良坂の戦に 勲建る桃の実の魂 |
The soul of the / Fruit of the peach that / Gallantly performs / Great deeds at the / Battle of the Yellow Springs Slope. | |
87 | OOSHIKU MO MATA YASASHIKERE KANNAGARA HINOMOTO ICHI NO MOMOTARÔ WA MO 雄々しくも 又優しけれ惟神 日の本一の桃太郎はも |
Manfully and valiantly, / Kindly and gently, / Acting in accord with /
God, Peach Boy, Supreme of the / Land of the source of the sun. | |
88 | ONIGASHIMA YAGATE MATSURAWAN MOMOTARÔ WA SAISHÔMYÔNYORAI NO KESHIN NI OWASEBA 鬼が島 やがて服はむ桃太郎は 最勝妙如来の化身に在せば |
The island of demons / Ultimately will be / Overcome by Momotaro, / Manifestation of the / Supreme and Excellent Thus-Come. | |
89 | TARACHINE NO JÔ TO UBA TOWA MOMOTARÔ NO ISAOSHI HAROBARO MACHI TAMAU RAN 垂乳根の 尉と姥とは桃太郎の 勲はろばろ待ち給ふらむ |
The nurturing / Old man and / Old woman / Patiently wait / For the Peach Boy. | |
90 | NAGI NAMI NO NISON WA JÔ TO UBA TO NARASE TAKASAGOJIMA O KIYOME MASU KAMO 那岐那美の 二尊は尉と姥とならせ 高砂島を浄めますかも |
The two nobles, Inviting Male and / Inviting Female, become / The old man and / The old woman / To purify Takasago Jima. | |
91 | CHIHAYABURU KAMI NO MIKUNI O KIYOME MASU ISAOSHI NO NUSHI WA MOMOTARÔ KAMO 千早振 神の御国を潔めます 勲の主は桃太郎かも |
The lord of the power to / Purify the divine / Nation of ever- / Swift God is / The Peach Boy. |
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法の華(十) 92 はちまんと しせんのきょうもんちぢむれば みょうほうれんげきょうのごじにつくるも 八万と 四千の経文約むれば 妙法蓮華経の五字に尽くるも 93 ほけきょうの はなのうてなにのりのみは かんのんふもんぽんいっかんにありける 法華経の 花の台に教の実は 観音普門品一巻にありける 94 かんのんの みなねんずればいぶかしも わがこころねはすがしくなれり 観音の 御名念ずれば訝かしも わが心根はすか〔が〕しくなれり 95 くしびなる ああくしびなりいかならん ねぎごとなりとかなえますなり 奇びなる 噫奇びなり如何ならむ 願言なりとかなへますなり 96 ゆきくれて まようこひつじのこりなく すくいあげますかんのんのみて ゆきくれて 迷ふ小羊のこりなく 救ひ上げます観音の御手 97 ちよろずの おしえあれどもおおかたは にしよりひがしへうつりけるなり 千万の 教あれども大方は 西より東へ移りけるなり 98 ひろぐれば よろずのおしえちぢむれば せいかんのんのみこころなるらめ 拡ぐれば 万の教約むれば 聖観音の御心なるらめ 99 のりのはな ちりてむすびしひとつみは せいかんのんのいくみたまなる 法の華 散りて結びし一つ実は 聖観音の生身魂なる 100 うないごも おにをもひしぐたけきおも じひのおんめにしたいよるらん うなゐ児も 鬼をも拉ぐ猛き男も 慈悲の御眼に慕ひ寄るらん 筆の光(十一) 101 かんぜおん いつきまつりていえぬちは まひるまのごとあかるくなれり 観世音 斎き奉りて家内は 真昼間の如明るくなれり 102 やみのなき あかるきいえにやまいがみ まがつかみなどさやるべしやは 闇の無き 明るき家に病神 曲津神など障るべしやは 103 しらかみへ すみもてかきしもじさえも ひかりをはなつかんのんりきかも 白紙へ 墨もて書きし文字さへも 光を放つ観音力かも 104 うごくもじ ひかるもんじのあらめやと おもえどまなこにうつるくしびさ 動く文字 光る文字のあらめやと 思へど眼に映る奇びさ 105 えすがたと などおもうべきほほえまう たまのかんばせうちあおぐとき 絵姿と など思ふべき微笑まふ 玉のかんばせ打仰ぐとき 106 ひていする ひとのめにさえまざまざと うつるかんのんのふかしぎりょくかも 否定する 人の眼にさへまざまざと 写る観音の不可思議力かも 107 にしひがし はくしがくしゃはさわあれど ひかるもじえをいかにとくらん 西東 博士学者は沢あれど 光る文字絵を如何に解くらむ 108 おちこちの おしえつかさらとうほうに いでしひかりにまなこむけよかし 遠近の 教司等東方に 出でし光に眼向けよかし 109 ひとたびは しゃくをもじゅずをもばいぶるも うちすてうずのひかりたずねよ 一度は 笏をも珠数をもバイブルも 打棄て珍の光明尋ねよ 110 かみといい ほとけといえどもみきもあり えだもいさはもありとこそしれ 神といひ 仏といへども幹もあり 枝もいさ葉もありとこそ知れ ※いさは(斑葉)=葉緑素の欠乏などで白・黄のまだらや筋の生じた葉。斑(ふ)入り。 111 かしこくも かんぜおんぼさつはやおよろず かみやほとけのひじりにおわせり 畏くも 観世音菩薩は八百万 神や仏の聖に在せり 112 くしびなる かんのんりきはうつそみを とおしてよびとすくわせたまう 奇びなる 観音力は現身を 通して世人救はせ給ふ 金龍神(十二) 113 やすがはら あめのまないにかくろいし たつがみいよよあれましにける 八洲河原 天の真奈井にかくろひし 龍神いよよ現れましにける 114 ひさかたの あめのまないのやすがわら うけいにあれしやたりおめがみ 久方の 天の真奈井の八洲河原 誓約に生れし八人男女神 115 やたりおとめ たつがみとならせおちこちに かくれてときをまたせたまえり 八人男女 龍神とならせ遠方近方に 隠れて時を待たせ給へり 116 ぶつめつの みよをかぎりにあれましぬ はちだいりゅうおうのやたりおとめは 仏滅の 御世を限りに現れましぬ 八大龍王の八人男と女は 117 きんりゅうの こんごうりきをしりしなば あわれさたんもまつろうならめ 金龍の 金剛力を知りしなば あはれサタンも服ふならめ 118 ぐせのため じゆうむげなるかんのんは りゅうじんあしゅらとなりますことあり 救世の為 自由無礙なる観音は 龍神阿修羅となります事あり 119 あまかけり くにかけりつつおおいなる みちからふるわんきんりゅうみょうじん 天翔り 国翔りつつ大いなる 御力揮はむ金龍明神 | |
“Poems of the Path (13)” 道歌 (Dôka) | |
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120 | TSUTANAKU MO MAKOTO NI IZURU KOTONOHA WA HITO O UGOKASU CHIKARA ARI KERI 拙なくも 誠に出づる言の葉は 人を動かす力ありけり |
Clumsy though they may be, / Words uttered with / Love and sincerity / Do possess the / Power to move others. | |
121 | IU BEKI TO IWADE YOKI KOTO ARU YO NARI MICHI NI ARU MONO KOKORO SEYO YUME 言ふべきと 言はでよき事ある世なり 道にある者心せよゆめ |
Know that in this world / Some things should be said, / Others, not.
Those dedicated / To the spiritual path, / Keep this in mind. | |
122 | SASAYAKA NA KOTO TOSHI IEDO YURUGASE NI SENU HITO NI SHITE ÔKI KOTO NARU 小やかな 事としいへど忽せに せぬ人にして大き事成る |
Great things does the / Individual who does / Not ignore even / The most insignificant / Of matters. | |
123 | JÔ KON NO HITO NO SHIRUSHI WA MAJIWARI TE NANIKA WA SHIRA NI YUKASHISA HONOMEKU 上魂の 人のしるしは交はりて 何かは知らに床しさほのめく |
The sign of a person who / Possesses the soul of higher levels / Is
that when together, those / Around somehow feel the / Glimmerings of
modesty and humility. | |
124 | KOKOROYOKI WA SHIROKI O SHIROSHI TO SONOMAMA NI NORU KOTONOHA O KIKU NI ARIKERU 快きは 白きを白しとそのままに 宣る言の葉を聞くにありける |
Pleasant and refreshing / It is to hear / Words uttered, / White as white, / Plainly as they are. | |
125 | ISASAKA NO KUMORI MO KÔMYÔKAI NITE WA MONONO SAWARI NI NARU TO SHIRE KASHI いささかの 曇りも光明界にては ものの障りになると知れかし |
Know that in the / World of Divine Light, / Even the slightest / Bit of cloud will / Cause harm. | |
126 | ENMAN NI MONO O OSAMURU HITO NI SHITE MOROMORO NO HITO SHITAI YORU NARI 円満に ものを治むる人にして 諸々の人慕ひよるなり |
People who bring / A harmonious end / To any issue / Are esteemed / By all those around. | |
127 | MONOGOSHI MO NORU KOTOTAMA MO HOGARAKANA HITO WA KANNONGYÔ NO HITO NARU 物腰も 宣る言霊も朗かな 人は観音行の人となる |
Those cheerful individuals, / Whether in demeanor or / Language used,
are those who / Become persons of the way of / The Regarder of Cries. | |
128 | IKANARAN KOTO MO KORAETE SIZUKA NARU HITO WA KANNONGYÔ NO HITO NARU 如何ならむ 事も耐へて静なる 人は観音行の人なる |
The individual who can / Endure any matter or affair, / Calmly and
serenely, is / One who is of the way of / The Regarder of Cries. | |
129 | TADABITO NO ME NIWA YOSHI TOSHI UTSURU KOTO MO KAMI NO MIME NIWA ASHIKI KOTO MO ARI 凡人の 眼には善とし写る事も 神の御眼には悪き事もあり |
Some things / Which seem good, / Even right to human sight / May not be good or right / In God’s eyes. | |
130 | IKANARAN KOTO MO KORAETE HEIZEN TO HOHOEMI TATAURU HITO TO NARE KASHI 如何ならむ 事も耐へ平然と 微笑み湛ふる人となれかし |
Try to become the / Kind of person who / Can calmly / Wear a smile in the / Face of any adversity. | |
131 | TAE GATAKI IKARI OSAYURU CHIKARA KOSO KANNONGYÔ NO ARAWARE NIZO ARU 堪へ難き 怒制ゆる力こそ 観音行の現れにぞある |
The very power, strength / To overcome unbearable / Anger is sign of / The way of the / Regarder of Cries. | |
千姿万容(十四) 132 あこがれて かみながたちのまちのぞむ みろくのたまはげしょうしまさん 憧れて 髪長たちの待望む 弥勒の霊は下生しまさん 133 きりすとは さいりんまさんとうほうの こがねのくににちかいのごとく キリストは 再臨まさん東方の 黄金の国に誓ひのごとく 134 ぬすびとの よるくるごとくきりすとは こがねのくににあもりますらん 盗人の 夜来る如くキリストは 黄金の国に天降りますらむ 135 よにかてる めしやはいともはればれと にしのみやこにいらすよきとき 世に勝てる メシヤはいともはればれと 西の都に入らすよき時 136 えいこうの くもよりくだるきりすとに よろこびいさまんにしのくにびと 栄光の 雲より降るキリストに 歓び勇まむ西の国人 137 はれるやの かんこのうずのただなかに しずかにあもるめしやきりすと ハレルヤの 歓呼の渦の直中に 静かに天降るメシヤキリスト 138 いすらえるの たみもかんこのこえあげん あくがれまちしまことのめしやに イスラエルの 民も歓呼の声挙げむ あくがれ待ちし真のメシヤに 139 ぱりさいびとら くいあらためてぬかづかん えいかんかがやくめしやのみまえに パリサイ人等 悔ひ改めて額かん 栄冠耀くメシヤの御前に 140 えんまんに さんじゅうさんそうそなえます みほとけこそはひじりかんのん 円満に 三十三相具へます 御仏こそは聖観音 141 しゃかにょらい あみだにょらいはやおよろず かみやほとけのみつかさなりける 釈迦如来 阿弥陀如来は八百万 神や仏の御司なりける | |
医しの神業(十五) 142 いそのかみ ふるきかみよはもろびとの ことぶきひゃくをみなこえしとう 石の上 古き神代は諸人の 寿百をみな越えしとふ 143 ひとのよわい ひゃくをこえたるかみのよは くすしとうものなかりしという 人の齢 百を越えたる神の代は 薬師とふものなかりしといふ 144 くすりちょう ものあらわれてひとのよわい みじかくなりしぞうたてかりける 薬てふ もの現はれて人の齢 短かくなりしぞうたてかりける 145 せいほうゆ わたりしいじゅつはひとのちえ がくによりけるかりそめのもの 西方ゆ 渡りし医術は人の智慧 学によりけるかりそめのもの 146 まことなる かみのいじゅつはおおけなくも すでにみくににありしなりける 真なる 神の医術はおほけなくも 已に神国にありしなりける 147 いっときの くるしみおさゆちからあれど いたつきなおさぬとつくにのすべ 一時の 苦しみ制ゆ力あれど 病なほさぬ外国の医術 148 すこやかに ひといかしゆくちからこそ まことすくいのいやしとぞいうなり 健かに 人生かしゆく力こそ 真救ひの医とぞいふなり 149 まったきの みちふみしゆくひとにして いたつきなどになどかかるべき 完きの 道ふみし行く人にして 病などになど罷るべき 150 ためしなき ことにこそあれやまいちょう もののねをたつかんのんりきかも 例しなき 事にこそあれ病てふ ものの根を絶つ観音力かも 151 まめひとの いかにますとてやむひとの なきぞいぶかしかんのんかいかも 信徒の 如何に増すとて病む人の 無きぞ訝かし観音会かも 152 こころいやし からたまいやしよをいやす せいかんのんはちからのみほとけ 心癒し 身体医し世を癒す 聖観音は力の御仏 153 やむひとの なきよたてんとかんぜおん ぼさつはみちからふるわせたまえり 病む人の 無き世建てむと観世音 菩薩は御力揮はせ給へり 154 いたつきに なやむものとくきたれよと みてひろげますせんじゅかんのん 病気に 悩む者疾く来れよと 御手拡げます千手観音 155 ひのもとの しんのいじゅつうつしよに ふたたびあれますとききたりけり 日の本の 真の医術現世に 再び現れます時来りけり 156 いたつきに かかるはかかるいわれあり よくかえりみよちえのひかりに 病に 罹るはかかる謂れあり よく省みよ智慧の光に 157 いかならん いたつきとてもいやすちから もつはめしやのしるしなりけり 如何ならむ 病とても癒す力 もつはメシヤの徴なりけり 158 やむひとの さわなるいまのうつしよを すくうちからぞこよなきものなる 病む人の 沢なる今の現世を 救ふ力ぞ此上なきものなる | |
救の力(十六) 159 かしこくも すのおおかみはきゅうせいの みちからかんのんにあたえたまえり 畏くも 主の大神は救世の 御力観音に与へ給へり 160 かりこもの みだれたるよをうちきりて うましみくににすくいますかも 苅菰の 乱れたる世を打断りて 美し御国に救ひますかも 161 みちとせの ながきをもものひじりたち よをすくわんとしてはたさざりけり 三千歳の 長きを百の聖達 世を救はんとして果さざりけり 162 よをすくう まったきちからはかんのんの いくみたまよりほかなかりけり 世を救ふ 完き力は観音の 生身魂より外なかりけり 163 おおかみの よさしのちからによらざれば まがつかみにはかたんすべなき 大神の 任さしの力に依らざれば 曲津神には勝たむすべなき 164 ちからなり あいなりじひなりいまはしも さんがいばんれいよみがえるらん 力なり 愛なり慈悲なり今はしも 三界万霊甦へるらむ 165 ぜったいの すくいのちからをうちふるう みほとけこそはかんぜおんなる 絶対の 救の力を打揮ふ 御仏こそは観世音なる 166 いかならん まがもとがむるちからこそ かんのんりきのいづのあらわれ 如何ならむ 曲も罰むる力こそ 観音力の厳のあらはれ 167 おうしんの かんのんならでいかにして じゆうむげなるちからふるわん 応身の 観音ならで如何にして 自由無礙なる力揮はん 168 かんのんの ちからはうづのひかりにて とこよのやみをうちはらすなり 観音の 力は珍の光にて 常夜の暗を打晴らすなり 169 りくごうに おおきみのみいつかがやかん ためしなきときちかまりにける 六合に 大君の御稜威暉かむ 例しなき秋近まりにける 170 よこしまな おしえもゆがみのまがみちも かんのんこうにあえばきえなん 邪な 教も歪みの曲道も 観音光に遭へば消えなん 171 かんのんの ちからというはちえがくに とけぬふしぎなちからなりける 観音の 力といふは智慧学に 解けぬ不思議な力なりける 172 ためしなき ことにこそあれなやみなき だいせんせかいのあれまさんとは 例しなき 事にこそあれ悩みなき 大千世界の生れまさんとは | |
観音行(十七) 173 あめつちの もものうごきのくるいなきは かんのんぎょうのかがみなりけり 天地の 諸の動きの狂ひなきは 観音行の鏡なりけり 174 れいせつと じゅんじょをまもることにこそ かんのんぎょうのかなめありける 礼節と 順序を守る事にこそ 観音行の要ありける 175 かんのんぎょうの まったきひとはいささかの いつわりごともこのまざるなり 観音行の 完き人は些かの 佯り言も好まざるなり 176 たれもかも したいてくなりおのずから かんのんぎょうしゃのとくをしのびて 誰も彼も 慕ひて来なり自ら 観音行者の徳を偲びて 177 くるいなき わざにしあればいかならん こともすなおにすすみゆくなる 狂ひなき 行にしあれば如何ならん 事も順調に進みゆくなる 178 しゃかくじや ヤソのおしえもかんのんぎょうに いたるがまでのよすがなりけり 釈迦孔子や 耶蘇の教も観音行に 到るが迄のよすがなりけり 179 いかならん わざわいとてもかんのんぎょうに いればいつしかきえてあとなし 如何ならむ 災とても観音行に 入ればいつしか消えて跡なし 180 なにごとも ほどのいちじをまもりなば たやすかるべきこのよなりける 何事も 程の一事を守りなば たやすかるべき此世なりける 181 よわきものよ なれをなづけてまがという つみにうちかつちからなければ 弱き者よ 汝を名付けて曲といふ 罪に打克つ力なければ 182 およそよに つよきはおのれをうちわすれ ただしきみちをつらぬくひとなる 凡そ世に 強きは己を打忘れ 正しき道を貫く人なる 183 ししんなく ひたすらみちにいそしめば おおみめぐみはゆたにうくるなり 私心なく 只管道に励めば 大御恵は豊に享くるなり 184 くにのため よのためひとのためのみを ときじくおもうまびととうとき 国の為 世の為人の為のみを ときじく思ふ真人尊き 185 さもしきは おのがてがらをよのひとに しめさんとするこころにぞある さもしきは 己が手柄を世の人に 示さんとする心にぞある 186 ちゅうこうの みちよそにしてひのもとの みちはあらじなこころせよかし 忠孝の 道よそにして日の本の 道はあらじな心せよかし 187 ちゅうこうの みちふみゆけばいつかしら かんのんぎょうのかどにいるなり 忠孝の 道踏みゆけば何時かしら 観音行の門に入るなり 188 ゆかしけれ わがみのことをあとにして ひとのよかれとねがうこころの 床しけれ 我身の事を後にして 他人の良かれと希ふ心の | |
Way of the Boddhisattva (18) 菩薩行 (Bosatsugyô) | |
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189 | GUSE NO TAME BOSATSU TO NARASE TAMAISHI WA DAIJI DAIHI NI OWASEBA NARI KERU 救世の為 菩薩とならせ給ひしは 大慈大悲に在せばなりける |
For the sake of / World salvation was / Manifested as / Boddhisattva in great / Compassion and in great mercy. | |
190 | TAKAKI HIKUKI NI KEJIME TOTE NAKU NEMOGORO NI OSHIU DAIJI NO SESON TATAEN 高き低きに 差別とてなくねもごろに 誨ふ大慈の世尊讃へん |
Praising
the World-honored / One of Great Compassion who / Without distinction
to high / Or low, warmly and cordially / Helps, teaches others. | |
191 | CHI NO UE NO ARAN KAGIRI NO IKIMONO WA KANNONRIKI NI YOMIGAERU NARAME 地の上の あらん限りの生きものは 観音力に蘇るならめ |
Restored to life / By the power of / Kannon will be / Life on the / Face of the earth. | |
192 | ARIGATASHI JIHI NO OKOTOBA KIKU GOTO NI WAGA KARATAMA WA CHIKARA MASU NARI 有難し 慈悲の御言葉聞く毎に 我体魂は力増すなり |
Every time I hear / The inspired, sacred / Words of compassion, / My body and soul / Increases in strength. | |
大御恵(十九) | |
193 ありがたし ああありがたしかんぜおん ぼさつのみめぐみいやふかければ 有難し 嗚呼有難し観世音 菩薩の御恵みいやふかければ | |
194 みめぐみに むくいまつらでおくべきや いきしこのみのさちをおもえば 御恵みに 酬ひ奉らでおくべきや 生きし此身の幸を思へば | |
195 わがいのち よみがえるさえうれしきに いやしのわざまでゆるされにける 我生命 甦るさへ嬉しきに 医しの業まで許されにける | |
196 いのちさえ あやうきほどのいたつきも いえてめぐみにひたるうれしさ 生命さへ 危き程の病も 癒えて恵みにひたる嬉しさ | |
197 ちからなき ひとのみなれどかかぶれる かんのんりきによびといやさん 力無き 人の身なれど蒙ぶれる 観音力に世人医やさむ | |
198 みめぐみの まんぶんいちにとどかねど まことのみしるしうけさせたまえ 御恵みの 万分一に届かねど 誠の御しるし受けさせ給へ | |
199 みめぐみに むくゆすべなしひとのよの たからといえどかぎりありせば 御恵みに 酬ゆ術なし人の世の 宝といへど限りありせば | |
200 つみおおき このみもとがめたまわずて おおみめぐみをたれませるなり 罪多き 此身も尤め給はずて 大御恵を垂れませるなり | |
201 いのちほど とうときものはよにあらじ ひたにすがりてよわいのばさん 生命程 尊きものは世にあらじ ひたに縋りて齢延ばさむ | |
202 いかにして ああいかにしてむくゆべき いのちたまいしことをおもえば 如何にして 嗚呼如何にして酬ゆべき 生命賜ひし事を思へば | |
203 いたつきの いやされたりしうれしさよ いのちにかえるたからなければ 病の 医されたりし嬉しさよ 生命に代へる宝なければ | |
204 たまきはる いのちたまいしみほとけに むくわでおかんわがよのかぎり 魂機張る 生命給ひし御仏に 酬はでおかん我世のかぎり | |
観音力(二十) | |
205 みちをとく もものひじりらゆめだにも しらぬまことのちからとうもの 道を説く 百の聖等夢だにも 知らぬ真の力とふもの | |
206 かんのんの ちからといえどひとのめに うつるよしなしかたちなければ 観音の 力といへど人の眼に 映るよしなし形なければ | |
207 うしといいし よはすぎにけりもろびとの たのしきみよはちかまりにける 憂しと言ひし 世は過ぎにけり諸人の 楽しき御代は近まりにける | |
208 いやはてに よのいたつきをなみさるる かんのんりきはたもしらざりし いやはてに 世の病を無みさるる 観音力は誰も知らざりし | |
209 かんのんの ちからというはひとつきと つちのちからのえきすなりける 観音の 力といふは日と月と 土の力のエキスなりける | |
210 あなうれし のぞみをたちしわれなれど かんのんしりてよみがえりける あな嬉し 望みを絶ちし吾なれど 観音知りて蘇りける | |
211 のりごとの ひとつひとつがときたちて あらわれいづることのくしびさ 宣言の 一つ一つが時経ちて 顕はれ出づる事の奇びさ | |
212 ばんきょうを ひらくみかぎははやすで かみのみくににそなわりしならめ 万教を 開く御鍵は早已に 神の御国に具はりしならめ | |
黎明(二十一) 213 ながきよの やみのとばりもしずしずと あけはなれけりひがしのひかりに 長き世の 暗の帳もしづしづと 明け放れけり東の光に 214 いまわしき ことのみおおきうつしよは やみのとばりのまだのこるなり 忌まはしき 事のみ多き現世は 暗の帳の未だ残るなり 215 かくかくと ひはのぼりけりありあけの つきのひかりはほのぼのうすれつ 赫々と 日は昇りけり有明の 月の光はほのぼの薄れつ 216 まひるびの あかるきあめがしたみれば ちにたつもののかげさえみえず 真昼日の 明るき天ケ下見れば 地に立つものの影さへ見えず 217 うばたまの やみよになれしひとのめに まばゆかるらんまひのひかりは 烏羽玉の 暗世に慣れし人の眼に 眩ゆかるらん真昼の光は 218 にちりんの ひかりのごとくおおきみは やがてりくごうてらしすべなん 日輪の 光の如く大君は やがて六合照らし統べなむ 219 れいめいに きづくひとこそまことなる まなこをもてるしるしなりける 黎明に 気付く人こそ真なる 眼をもてる徴なりける 玉川郷(二十二) 220 つきゆきはな ながめあかなきぎょくせんきょうは このよからなるてんごくなりける 月雪花 眺め飽かなき玉川郷は 此世からなる天国なりける 221 むかしより きよくながるるたまがわは むさしのくにのきよめのみずかも 昔より 清く流るる玉川は 武蔵の国の浄めの水かも 222 ふじがねを はるけくのぞみみずきよき たまのながれをみはるかすさと 富士ケ嶺を 遥けく瞻み水清き 玉の流を見はるかす郷 223 しらじらと しずかにうねるたまのかわ あさなゆうなのながめなりける 白々と 静かにうねる玉の川 朝な夕なの眺めなりける 224 はるのはな あきのもみじにふゆのゆき つきはよごとににわもてらすも 春の花 秋の紅葉に冬の雪 月は夜毎に庭面照らすも 225 ばんしょうだい はろかにみればすんのうま まめのとゆくがめずらしきかな 万象台 はろかに見れば寸の馬 豆の人行くが愛づらしきかな 226 さながらに はこにわのごとしたまがわきょうの たかだいにいてうちながむれば 宛らに 箱庭の如し玉川郷の 高台に居て打挑むれば 227 むさしのは よしけがるともたまがわの ながれはとわににごらざるらん 武蔵野は よし穢るとも玉川の 流は永久に濁らざるらむ 228 むさしのの うずのめいしょとやがてよの ひとよりてこんぎょくせんのさと 武蔵野の 珍の名所と軈て世の 人寄りて来ん玉川の郷 229 りくごうに まことのおしえひろめます あてのゆにわかたまのれいきょう 六合に 真の教拡めます 貴の斎場か玉の霊郷 230 たまがわの きよきながれにもろびとの たまあらわんとわれはねぐなり 玉川の 清き流に諸人の 魂洗はんと吾は願ぐなり 231 みずすめる たまのかわもをときじくに ながむるれいちにこころあらうも 水澄める 玉の川面を非時に 挑むる霊地に心洗ふも 232 ちはやふる まことのおしえのみひかりは たまがわきょうよりかがやきそめなん 千早振 真の教の御光は 玉川郷より輝き初めなん 233 やまとみず はるかにながめはなもみじ ときじくかおるたまのれいきょう 山と水 遥かに眺め花紅葉 非時かほる玉の霊郷 234 たまがわの なをきくさえもゆかしけれ むかしもいまもにごりしらねば 玉川の 名を聞くさへも床しけれ 昔も今も濁り知らねば 235 うれしくも みろくのおしえはじめます きょうのよきひをほぎうたわなん 嬉しくも 五六七の教肇めます 今日の吉き日を祝ぎ歌はなん |
Gratitude and Its Expression (23) 感謝報恩 (Kansha Hô-on) | |
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236 | 健やかに 今我在るはおほけなくも 世尊が情けの恵みなりける |
That I exist now / In health is all / The blessings of the / Compassion of the / World-honored One. | |
237 | 現世に 生きとし生ける物みなは 神の恵みに外るるはあらじ |
All sentient / Beings of this / Physical world / Thoroughly receive / The blessings of God. | |
238 | 千億の 富にも増して嬉しきは 恙なみける生命なりけり |
Even more than receipt of / A fortune of billions, / Happy am I that / Safe and sound / Is my life. | |
239 | 高殿に 錦纏ふも病きに 悶える人ぞ哀れなりける |
Even those / Wrapped in expensive
clothes / Living in stately mansions / Are so pitiful as they / Writhe
in the agony of disease. | |
240 | 観世音 菩薩の恵みなかりせば 此身此魂滅びしなるらめ |
This body and this soul / Would perish without the / Blessings of the / Enlightened One Regarder / Of the Cries of the World. | |
241 | 村肝の 生命賜ひし御恵を うち忘れなば獣なるらむ |
To forget that / I have been granted / The blessing of / Life most precious, / I would be a beast. | |
242 | 人の身の 尊き訳は諸の恩 心に刻みて忘れねばなり |
Impress on your heart / And do not
forget that / The endless help and / Countless favors of others are /
The reason for human existence. | |
243 | 君の恩 打忘らんや畏くも 賤を赤子とみそなはし給ふ |
That ever should I / Forget my debt to your majesty, / With due reverence, / Please look over / Even this subject of low rank. | |
244 | 垂乳根の 父母なくば現世に 此身此魂あらじと思ふ |
Without my parents / I believe I / Would not be here / In this world either / In spirit or in body. | |
245 | 類ひなき 日の本人の貴きは 神と君との恩知ればなり |
Known is the unparalleled /
Nobleness of the people of / The origin of the sun when / The debt to
God and Your majesty is understood. | |
246 | 同胞と 睦み合ふ身となりにける 真の光に我照らされてより |
Come have I to / Live harmoniously / With my fellow human beings / Since being illumined / In the true light. | |
247 | 恙なく ただ在るさへもおほけなきに 救ひの道に入りし嬉しさ |
How happy am I / To have begun this path, / Safe and sound, in / Circumstances better / Than could have been expected. | |
248 | 讃へても 称へ尽せぬは皇神の 海より深き恵なりけり |
Deeper than the sea / Are the blessings of / God whom no matter / How much I praise, / I cannot extol enough. | |
249 | 世を呪ひ 人を怨みし其頃の 心の曇りは消えて跡なき |
Have disappeared and / No trance
is there of the / Clouds on my spirit when I cursed the world, / Bore
resentment toward others. | |
250 | 暗かりし 心の空も宛(さなが)らに 真昼の如く成りし嬉しさ |
My clouded heart, / Like the sky / Becomes like the / Brightened midday. / The happiness! | |
251 | 大前に 額く毎に涙しぬ 救はれたりし此身思へば |
Before your presence, / Each time I prostrate / Myself, tears fall / Thinking of how you have / Saved this human being. | |
252 | 救はれし 幸を思へば身を竭くし 心尽して酬はでやおかん |
I think of my joy / Of being saved, and there is / No way I can pay / Back my gratitude in / Either labor or spirit. | |
253 | 磯の辺の 真砂に等しものなれど 受けさせ賜へ誠心を |
As only a grain of sand / On the beach am I, / Still please receive / The love and sincerity / Of my heart. | |
254 | 力なき 人の身なれど世の為に 尽さむ心憐み給へ |
I am only an individual, / Without any power, but / Please show compassion on me / So that I may work / To help the world. | |
真の救(二十四) 255 くさぐさの おしえあれどもまったきの まことのおしえはいまだあらじな 種々の 教あれども完きの 真の教は未だあらじな 256 ものしりに あらねばとけぬふみをもて あまねくよびとをすくわるべしやは 物識に あらねば説けぬ書物をもて 遍く世人救はるべしやは 257 こめかみの いたむがごときりをときて よをすくわんとするものしりあわれ 顳[需頁]の 痛むが如き理を説きて 世を救はんとする物識あはれ 258 まつぶさに いかにりをときつくすとも ひとのこころをすくうよしなさ ま備さに 如何に理を説き尽すとも 人の心を救ふよしなさ 259 よのひとを すくうちからはりにあらず まことのあいとちえにぞありける 世の人を 救ふ力は理にあらず 真の愛と智慧にぞありける 260 とうとけれ ああとうとけれかんぜおん ぼさつはむしけらまでもすくわす 尊とけれ 嗚呼貴とけれ観世音 菩薩は虫螻までも救はす 261 いそのかみ ふることぶみにもみあたらぬ かんのんみょうちはよぞいぶかしむ 石の上 古事記にも見当らぬ 観音妙智は世ぞ訝かしむ 262 うるわしき まことのみこえもきくらげの みみにははまのまつかぜのごとし 美はしき 真の御声も木耳の 耳には浜の松風のごとし 263 しゃかヤソの ときしはかりのおしえにて まことのおしえはかんのんののり 釈迦耶蘇の 説きしは仮の教にて 実の教は観音の教 264 かりそめの しゃかののりもてすくわんと するはまことをしらねばなりけり 仮初の 釈迦の教もて救はんと するは真を識らねばなりけり 265 あいをとき じひさとすとておこないの ともなわざればまつかぜのおと 愛を説き 慈悲諭すとて行の 伴なはざれば松風の音 266 しゃかくじや ヤソのおしえをいやはてに いかさんとするかんぜおんかも 釈迦孔子や 耶蘇の教をいやはてに 生かさんとする観世音かも | |
霊山会場(二十五) 267 久方の 天津御空の さやかなる 下びにひろごる 武蔵野の 果(はて)に白じら 流らへる 其名も清き 玉川の 郷(さと)の真秀良場(まほろば) 世 を救ふ 珍(うづ)の霊魂(みたま)の 永遠(とことは)に 鎮まり給ふ いと聖(きよ)き 霊山会場(れいざんゑぢやう)と 奠(さだ)めまし 教を四 方(よも)に 弘めます 芽出度き時と なりにける 芽出度き御代と なりにける | |
大聖観世音(二十六) 268 月の国 補陀洛迦(ふだらか)山に 世を忍び やがて来ぬべき 実相の 満ち足る御代を 示されぬ 世の大方は 幾千歳 待ちに待ちけん 吉爰(ここ)に 漸く 循(めぐ)り(よ)き時は 来ぬ 元津御名(もとつおんな)は 観自在 今は大聖(だいせい) 観世音 菩薩の御名に 諸人(もろびと)を 大慈大 悲の 御心に 救はん為に 長き世を 隠ろひまして 畏くも 応変自在の 御業(みわざ)もて 暗黒無明(むみやう)の 現世(うつしよ)に 光を賜ひ 恵ませし 噫(ああ)有難き 極(きは)みなれ アヽおほけなき 限りなれ | |
蓮華台(二十七) 269 月に良き 花に又好(よ)く 雪に美(よ)き 玉川郷を 現世(うつしよ)の 救ひの地場(ぢば)と 定めまし 爰(ここ)に 大聖 観世音 貴(あて) の御魂を 鎮めまし 御宮(みみや)を建つる それまでを いとも清(すが)しき この館(やかた) 信徒(まめひと)たちの 誠もて 礎成りし 御祭り を 執(と)り行はす 芽出度さよ 集(つど)へる人の 誰も彼も 面(おも)輝きて 紅葉照る 風もすがしき 秋の日を 睦み楽しく 称(たた)へ言 (ごと) 謡(うた)ひて今日の 芽出度さを 祝ひ奉(まつ)らん 嬉しさよ 祝ひ奉らん 楽しさよ | |
大覚(二十八) 昭和十年十一月一日 270 ながきよの つみあやまちをねもごろに さとすせそんのめぐみうれしき 長き世の 罪過ちをねもごろに 諭す世尊の恵うれしき 271 わだのはら そこいもしれぬいとふかき めぐみにおにもなみだするらん 和田の原 底ひも知れぬいと深き 恵に鬼も涙するらむ 272 ゆめにだも しるよしもなきくしびなる かんのんふるわすみょうちりきかも 夢にだも 識るよしもなき奇びなる 観音揮はす妙智力かも 273 いぶかしむ なかれよびとよおもうこと ならぬはこころによこしまあるなり 訝かしむ 勿れ世人よ思ふ事 成らぬは心に邪あるなり 274 むかしより もものせいじゃはいでしかど やみうちはらすちからなかりき 昔より 百の聖者は出でしかど 暗うち晴らす力なかりき 275 ささやかな ひとのちえもてためしなき ぐせのみわざのわからざらめや 小やかな 人の智慧もて例しなき 救世の御業の判らざらめや 276 まことなる さとしのまにまにすすみなば はなさきみのりいやさかゆなり 真なる 諭しのまにまに進みなば 花咲き実り弥栄ゆなり 277 とことわに ふゆなきよるなきてんごくに たまいこませんはやきたれかし 永遠に 冬なき夜なき天国に 魂憩ませんはや来れかし | |
The Great Judgment (29) 大審判 (Daishinpan) | |
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278 | IKU CHITOSE
TSUMORI TSUMORI SHI SANGAI NO KEGARE KIYOMURU TOKI WA KINU RASHI 幾千年 積りつもりし三界の 穢浄むる時は来ぬらし |
The time has come to / Purify the impurities / Of the three worlds / That have accumulated / Over the many centuries. | |
279 | HI TO MIZU NO
SENREI NAKUBA KEGARE NISHI HITO NO KONO YO WA HOROBURU NARU RAN 火と水の 洗霊なくば汚れにし 人の此世は滅ぶるなるらむ |
The world of human beings / Would perish from impurities / Were it not for / The cleansing of the spirit / Of fire and water. | |
280 | YORU NO OWARI
KITSURU O SHIRADE YUME SAME NU HITO KOSO YO NIMO AWARE NARI KERU 夜の終り 来つるを知らで夢醒めぬ 人こそ世にも憐れなりける |
Pitiful in the world, / The very persons who / Do not know of the coming / Of the end of night, / Not awakening from their dreams. | |
281 | TAKAKI HIKUKI NO
KEJIME SAE NAKU ÔKAMI WA SABAKI TAMAWAN YO ZO IKASU TAME 高き低きの 差別さへなく大神は 裁き給はん世ぞ生かす為 |
Without distinction / To high or low, / Those who help, teaching others / Warmly and cordially / Are in accord with God’s will. | |
282 | AMETSUCHI NO
MAKOTO NO MICHI O MAMORU YORI HOKA NI SUBE NASHI HITO NO KONO YO WA 天地の 真の道を守るより 外に術なし人のこの世は |
In this world, nothing / Else do people / Have to do than / Follow the true path / Of heaven and earth. | |
283 | YASURAKE KI
UMASHI NO MIYO WA TATE RAREN KIYO KU TADASHI KI KONO CHI NO UE NI 安らけき 美しの御代は建てられん 清く正しく此地の上に |
A peaceful, / Beautiful age, / We are building with / Purity and righteousness / On this land. | |
284 | OGOSOKA NA
KAMI NO SABAKI NI YURUSARURU HITO NI KOSO NARE MITAMA KIYOME TE 厳かな 神の審判に赦さるる 人にこそなれ身魂浄めて |
Purifying spirit and body, / Become the very person / Who is forgiven / In the judgment / By God solemn. | |
285 | TÔHÔ NO HIKARI NI YORADE IKANI SHITE NISHI NO KUNIBITO SUKUWARU BESHIYA WA 東方の 光によらで如何にして 西の国人救はるべしや |
How can ever be / Saved the peoples / Of the West unless / They rely on / The light from the East? | |
286 | HITO NO MOTSU CHIKARA WA CHIISASHI HATE MO NAKU ÔKI WA TENCHI NO CHIKARA NARI KERU 人の持つ 力は小さし果てもなく 大きは天地の力なりける |
The power people have / Is small; that which is / Unlimited, the greatest, / Is the power of / Heaven and earth. | |
End of
Night (30) 夜の終り (Yo no Owari) |
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烏羽玉の 夜の終 りとはなりにけり はや東にあかときの鐘 | |
287 | The dark night / Has come to / An end and the bell / Of the dawn has rung / In the east. |
はや已に 常闇の
夜のすぎけるを 知らで迷へる子羊あはれ |
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288 | Pitiful are flocks of / Sheep that continue to / Stray, not knowing that the / Ever-lasting night / Has already passed. |
ほのぼのと 世の
黎明来つるなり 東の果に眼とどめそ |
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289 | Glimmering, / The dawn of the world / Is coming. / Cast your eyes / On the extreme East. |
夜の教 夜のもろ もろははや済みぬ 光明世界のはや来れかし | |
290 | The teachings of night, / All affairs of the night / Have swiftly passed; / The world of divine light / Is indeed here. |
罪穢 秘し事など
うち絶えぬは 常暗の世のしるしなりける |
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291 | Sin, impurities, and / Secrets are proof that / We still live in / A world of / Eternal darkness. |
真昼日の 明るき
御代に如何にして 隠事などよもあらめやは |
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292 | In the daylight world / How can there be / Circumstances and / Events to / Keep secret? |
月
照るも 小暗きかりせばもろもろの 罪や穢の生るぞせんなし |
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293 | Many are the kinds of / Sins and impurities that / Exist in the dark shadows of the / Shining moon. All are / Utterly useless. |
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西方に 現れし教 は月の神の 創め給ひしものにぞありける | |
294 | In the West, / The teaching / That appeared was / What was begun / By the god of the moon. |
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東方の 光は 真昼の光なり 六合隈なく照りて明るし | |
295 | The light from the East / Is the light of broad daylight, / Illuminating and making clear / Every corner and recess / Of the six points. |
無礙の光 漏なく 間配り闇晴らす 転輪菩薩の功徳称へん | |
296 | The adaptable, flexible light / Reaches all without exception, / Clearing away the dark, / Let us praise the virtue of / The Boddhisattva Wheel-Rolling! |
光 明如来 まばゆき光を和めさせ 世に観音と化現しませり | |
297 | The Tathagata of Divine / Light softens the intense / Light and manifests as / Regarder of the Cries of the World / For all of humanity. |
光和め 塵にまみ れて救ひます 大慈大悲の観世音かも | |
298 | The truly compassionate / Regarder of the Cries of the World / Softens the light / To save all those / Covered in impurities. |
罪を問はず 過ぎ 事尤めず救ひ給ふ 世尊の慈悲に及ぶものなき | |
299 | Nothing can reach / The compassion of the / World-honored One who / Saves all without regard to / What sins have been committed. |
夜は更ち 星の光 は薄れきぬ いで明日の日の備へなさなん | |
300 | As night ends, and / The light of the stars dim, / We must prepare for / The sun of tomorrow / That will appear. |
Daybreak
(31) 朝明 (Asa-ake) |
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301 | HONOBONO
TO HINGASHI NO SORA AKARUMI TE REIMEI TSUGURU KAKEDORI NO KOE ほのぼのと 東の空明るみて 黎明告ぐる家鶏鳥の声 |
Dimly the sky / In the east / Brightens and, / Announcing the dawn, / The crow of the rooster. | |
302 | IKU
CHITOSE AKUGARE MACHISHI KÔMYÔ NO KAGAYAKU MIYO WA
KINU BEKARI KERI 幾千年 あくがれ待ちし光明の 暉く御代は来ぬべかりけり |
Long expected, / Awaited, over the / Centuries, the age / Shining divine light / Has indeed come now. | |
303 | YAMI
NO NAKI MIYO NI NAYAMI NO ARU BESHIYA MAGA NO SAYARAN SUKI NO NAKEREBA 闇の無き 御代に悩みのあるべしや 曲の障らん隙の無ければ |
Suffering should not exist / In an age without darkness— / There is no room for the / Machinations of the / Evil forces to enter. | |
304 | HUYU
NO YO WA HAYA SUGISARI TE HANA WARAI TORI UTAUNARU HARU HA KIINUMERI 冬の世は はや過ぎさりて花笑ひ 鳥歌ふなる春は来ぬめり |
Winter nights / Passed quickly and / The spring where flowers / Bloom and all birds sing / Must be here. | |
305 | YORU
NO YAMI NI NARESHI MOROBITO KOKORO SEZUBA MAHI NO HIKARI NI MANAKO
ITAMEN 夜の暗に 慣れし諸人心せずば 真陽の光に眼いためん |
All of you people who are used / To the darkness of night, / If you do not become aware, / Your eyes will be damaged / By the true light of the sun. | |
306 | NOKI
SHITA NO SUZUME NO KOE MO ISAMASHISHI ASAHIKO NO KAGE SASI
SOMETE YORI 軒下の 雀の声も勇ましし 朝日の光射し初めてより |
The sparrows / Under the eaves / Sing courageously / As the morning sun / Begins to send forth its rays. | |
307 | AKEGARASU
NAKU NE NI MIREBA SORA AKAKU SOMETE KAGAYOU ASAHIKO NO KAGE 明烏 啼く音に見れば空紅く 染めてかがやふ朝日子の光 |
Casting an eye to / The sound of the morning / Crow, the sky tinted / Red and the shining / Rays of the morning sun. | |
308 | ADAGUMO WA
TÔNOKI NI KERI HISAKATA NO MISORA AKARUKU NARU NI TSURE TUTU 仇雲は 遠退きにけり久方の 御空明るくなるにつれつつ |
Threatening clouds / Clear away and / The vast expanse of / Sky gradually / Brightens. | |
大 御稜威(三十二) | |
309 | ÔKIMI
NO MIITSU O YOMO NI TERASAN TO KÔMYÔNYORAI WA
ARAWARE MASERI 大君の 御稜威を四方に照らさんと 光明如来は応現ませり |
310 | SUMEKAMI
NO TSUKURI TAMAISHI AMETSUCHI WA ITSUMADE YAMI NI TOZASARU BESHIYAWA 皇神の 造り賜ひし天地は いつまで闇に閉ざさるべしやは |
311 | DAIKÔMYÔ
SEKAI TO IU WA HINOMOTO NO MIKADO OSAMURU MIYO O IU NARU 大光明 世界といふは日の本の 帝治むる御代をいふなる |
312 | ONOMO
ONOMO YAMATO GOKORO NI TACHIKAERI MAKOTO NO HIKARI NI TAMA TERASE KASHI おのもおのも 大和心に立還り 真の光に魂照らせかし |
313 | MOROBITO
NO KOKORO NO IWATO HIRAKUREBA KONO YO NO YAMI WA UCHI KIYURU NARI 諸人の 心の岩戸開くれば 此世の闇は打消ゆるなり |
314 | SUME
ÔKAMI ITSUKI OROGAMU KOKORO KOSO IWATO HIRAKESHI HITO NI ZO
ARIKERU 皇大神 斎き拝がむ心こそ 岩戸開けし人にぞありける |
戒 心(三十三) | |
315 | ÔWASHI
WA KAMI NO MIKUNI O ARASANN TO MOROZUME TOGITE NERAI IRU KAMO 大鷲は 神の御国を荒さんと 双爪研ぎて狙ひゐるかも |
316 | YAGATE
KON KUNI NO NAYAMI WA YUME NI DAMO OMOWANU SUSAMAJIKI MONO NI ARINAN やがて来む 国の悩みは夢にだも 思はぬ凄さまじきものにありなん |
317 | IKANARAN
NAYAMI TURUTOMO SONAE AREBA FUTAMEKI SAWAGU KOTOSHI ARAJINA 如何ならん 悩み来るとも備あれば ふためき騒ぐ事しあらじな |
318 | CHIHAYABURU
KAMI NO MIKUNI O ARASAN TO NAGAKI YO NERAERU MAGATSUKAMI DOMO 千早振 神の美国を荒さんと 長き世狙へる曲津神共 |
319 | KUNIBITIO
YO KOKORO YURUMENA ADAGUNI NO TORIFUNE ÔZORA MAU YAMO SHIREZU 国人よ 心ゆるめな敵国の 鳥船大空舞ふやも知れず |
320 | KAZU
SHIRENU ADA NO TORIFUNE SORA ÔUMO KATAKI SONAE WA KONOHA
TOYASEN 数知れぬ 敵の鳥船空蔽ふも 固き備は木の葉とやせん |
321 | UMI
RIKU NI SORA NI ADABITO SEMEKU TOMO HARAWADE OKAN YAMATO ONOKO WA 海に陸に 空に仇人征めくとも 払はでおかん大和男の子は |
人 の運命(三十四) | |
322 | MI
MO TAMA MO SUMI KIYOMARISHI HITO NI SHITE NAYAMI NO TOKI MO YASUKU
KOENAN 身も魂も 澄み清まりし人にして 悩の時も安く越えなん |
323 | MONO
NO YOKU HODOHODO NI SEYO KOEGATAKI NAYAMI KIYUREBA IKANI TOYASEN 物の欲 程ほどにせよ越え難き 悩み来ぬれば如何にとやせん |
324 | IKANARAN
NAYAMI NO YO NIMO UGONAWAJI MAKOTO HITOTSU NO YAMATO ONOKO WA 如何ならん 悩みの世にもうごなはじ 誠一つの大和男の子は |
325 | SHÛCHAKU
TO KIRINAKI YOKU NO SHIGARAMI NI MI MO TAMASHII MO HOROBI YUKURAN 執着と 限りなき欲の■〔柵〕に 身も魂も滅びゆくらん |
326 | YO
NO HITO NO OMOI YORAJINA IKUCHITOSE NO TSUMI YA KEGARE O KIYOMU TO IU
KOTO 世の人の 思ひもよらじな幾千年の 罪や穢を浄むとふ事 |
327 | HAKANAKI
WA ASU OMO SHIRANU SADAME MOTSU HITO NO KIRINAKI YOKU NI KOSO ARE 儚なきは 明日をも知らぬ運命もつ 人の限りなき欲にこそあれ |
328 | TADA
WAGAMI YOKARE NO KOKORO NI TORAWARETE HOROBI NO TANE O MAKU HITO ZO USHI 唯我身 よかれの心に捉はれて 滅びの種を播く人ぞ憂し |
覚 醒(三十五) | |
329 | TADANARANU
YO TOWA NARIKERI ATARASHIKI TARU MIYO UMI NO NAYAMI NARUKAMO ただならぬ 世とはなりけり新しき 足御代生みの悩なるかも |
330 | GAKU
NOMI NI TAYORISHI KOTO NO HAKANASA O YOBITO SATORAN TOKI WA KI NI KERU 学のみに 頼りし事のはかなさを 世人悟らん時は来にける |
331 | CHIKAMI
KURU TADASHIKI MIYO O SHIRAZU SHITE MAGAGOTO IMADA TAKUMU AWARESA 近み来る 正しき御代を知らずして 曲事未だ企む哀れさ |
332 | AYAMARERU
OSHIE YA MICHI NI KIZUKAZUBA YAGATE HOROBIN KAMI NO SABAKI NI 誤れる 教や道に気付かずば やがて滅びん神の審判に |
333 | IKU
CHITOSE KAKARITE MICHI O KURUWASESHI MAGATSU HOROBURU TOKI WA KI NI KERI 幾千歳 かかりて道を狂はせし 曲津滅ぶる時は来にけり |
334 | AYAUKI
WA MAGA NO TORIKO NI NARI NAGARA IMADA MEZAMENU HITO NO YUKUSUE 危きは 曲の俘虜になりながら 未だ目覚めぬ人の行末 |
建 国祭(三十六) 昭和十一年二月十一日 | |
335 | KASHIKOSHI
YA WAGA HINOMOTO NO ISHIZUE O KATAME TAMAISHI JINMU TAITEI 畏こしや 我日の本の礎を 固め給ひし神武大帝 |
336 | AMATERASU
SUME ÔMIKAMI NO MIKOTONORI NI SAKAE HATENAKI HIOMOTO NO KUNI 天照す 皇大神の神勅に 栄え果てなき日の本の国 |
337 | AMETSUCHI
TO TOMO NI KIWAMARI NAKI KUNI TO NORASE TAMAISHI MIKOTO TÔTOKI 天壌と 共に窮り無き国と 宣らせ給ひし神言尊き |
338 | CHIHAYAFURU
KAMI NO MISUE NO ÔKIMI O AOGI ITADAKU KUNITAMI NO SACHI 千早振 神の御裔の大君を 仰ぎ戴く国民の幸 |
339 | TAMASHIKI
NO MIYAKO MO MURA MO KOTOHOGAN KUNI NO HAJIME NO KYÔ NO YOKI
HI O 玉敷の 都も鄙も寿がん 国の肇めの今日の吉き日を |
340 | CHIYOROZU
NO KUNI WA AREDOMO IKKEI NO KIMI SHIROSHIMESU KUNI TOTE WA NAKI 千万の 邦はあれども一系の 君知召す国とてはなき |
341 | KIMIGAYO
WA CHIYO NI YACHIYO NI SAKAE NAN AMATSU MIOYA NO MAMORI ARISEBA 君ケ代は 千代に八千代に栄えなん 天津御祖の守りありせば |
342 | AMATSUKAMI
KUNITSUKAMI NADO YAOYOROZU KAMI MO HOGINAN KYÔ NO MIMATSURI 天津神 国津神等八百万 神も祝ぎなん今日の御祭 |
343 | SHIRAUME
MO NIOI SOME KEN ASAHARU NO KYÔ NO MEDETASA KYÔ NO
URESHISA 白梅も 匂ひ初めけむ浅春の 今日の芽出度さ今日の嬉しさ |
344 | SAKUKUSHIRO
ISO SUZUGAWA NO MINAMOTO YU NAGARE TSUKISENU KAMI NO OSUKUNI さくくしろ 五十鈴川の源ゆ 流尽きせぬ神の食国 |
345 | HARU
GASUMI TANABIKI SOMETE MATSU AOKI ÔUCHIYAMA O AOGI UTAWAN 春霞 靉きそめて松青き 大内山を仰ぎ歌はん |
ハ ルマゲドンの戦(三十七) 昭和十一年四月一日 | |
346 | IYAHATE
NO YO NO TATAKAI NO OSOROSHI MO HARUMAGEDON TO YOHANE IIKERU いやはての 世の戦の恐ろしも ハルマゲドンとヨハネいひける |
347 | NAGAKIYO
NO TAKUMI O KOKO NI TOGEN TOTE FURUI SUSABURU YASO MAGATSU KAMI 永き世の 企みを爰に遂げんとて 奮ひ荒ぶる八十曲津神 |
348 | ÔYASHIMA
TE NI OSAMEN TO IKUCHITOSE TAKUMISHI MAGA NO HOROBURU TOKI KINU 大八洲 手に収めんと幾千年 企みし曲の亡ぶる時来ぬ |
349 | ÔWASHI
WA YAMATO SHIMANE O ARASAN TO TSUME TOGERU NARI KOKORO YURUSUNA 大鷲は 大和島根を荒さんと 爪研げるなり心許すな |
350 | HITO
NO YO NO NAGAKI REKISHI NI SAEMO NAKI ÔKI TATAKAI YAGATE
ARINAN 人の世の 長き歴史にさへもなき 大き戦やがてありなん |
351 | KAMI
KATSUKA MAGATSU KATANKA IYAHATE NO YO NO ARASOI NO OSOROSHIKI KAMO 神勝つか 曲津勝たむかいやはての 世の争の恐ろしきかも |
352 | IKANARAN
IKUSA ARITOTE MI MO TAMA MO KIYOMISHI HITO WA KOKORO HIRANARI 如何ならむ 戦ありとて身も魂も 清みし人は心平らなり |
353 | TADASHIKI
TO KAMI NI SOMUKISHI HITOBITO NO HOROBURU TOKI NO ONOZUKARA NARU 正しきと 神とに背きし人々の 滅ぶる時の自らなる |
354 | AMARINIMO
KEGARE HATETARU KARATAMA WAHOROBUNARIKERI NORI NI ARISEBA あまりにも 汚れ果てたる身体は 滅ぶなりけり則にありせば |
The
Crystal World (38), March 23, 1936 水晶世界 (Suishô Sekai) |
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355 | KÔMYÔ
NO SEKAI TO IU WA KEGARE TARU IYASHIKI HITO NO NAKI YO IU NARU 光明の 世界といふは汚れたる 卑しき人のなき世いふなる |
The world of divine / Light is an age where / There are no ignoble / Individuals, no / Impure persons. | |
356 | SUMEKAMI
WA AMETSUCHI MOMO O SUMI KIYOME KÔMYÔ
SEKAI O HIRAKASEMASU RAN 皇神は 天地諸を澄み清め 光明世界を開かせますらむ |
God will / Clear and clean / All on earth and / In heaven to start / The world of divine light. | |
357 | SUISHÔ
SEKAI UCHI TATEN TOTE SUMEKAMI WAAMETSUCHI MOMO O KIYOMEMASU RAN 水晶世界 打樹てんとて皇神は 天地諸を浄めますらむ |
To construct a / Crystal world, / God will cleanse / Everything in / Heaven and on earth. | |
358 | YO
NO KEGARE KIYOMETE MOMO NO KURUI TAME KAKUSHITE SUISHÔ SEKAI
WA KINU RAN 世の穢 浄めて諸の狂ひ矯め かくして水晶世界は来ぬらむ |
To purify the / Impurities of the world, / To straighten out the madness, / Confusion of all, / Is coming the crystal world. | |
359 | YOKI
HITO NO YOROKOBI ASHIKI HITO NAGEKU TADASHIKI MIYO NO KURU ZO URESHIKI 善き人の 喜び悪しき人歎く 正しき御代の来るぞ嬉しき |
Happiness is / The coming of / The just world where / The evil lament and / The good rejoice. | |
360 | MAGAKAMI
WA YO NO KOTOGOTO O KURUWASESHI MO KAMI WA MAKOTO NO MOTO NI KAESAN 曲神は 世の悉を狂はせしも 神は真の元に還さん |
Though
the evil forces / May confuse / Completely this world, / God will
restore the / True base and basis to all. |
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Although
evil spirits / Have upset everything in the world, / God will bring it
back / To the original condition that is / No more or less than truth
itself. Mar.21.2010 by taki
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361 | CHIRI
HODO NO TSUMI YA KEGARE MO KAKUSARE NU MIYO O SUISHÔ SEKAI TO
IU NARU 塵程の 罪や穢も匿されぬ 御代を水晶世界といふなる |
The age in which / Cannot be hidden / Sins and impurities / That have gathered like dust / Is called the crystal world. | |
362 | KUMO
HITOTSU KAKUSU YOSHI NAKI ÔZORA WA SUISHÔ SEKAI NO
SUGATA NARU KAMO 雲一つ 隠すよしなき大空は 水晶世界の姿なるかも |
The sky in which / Not even one cloud / May hide is how / The crystal world / Will look. | |
363 | ITATSUKI
NO ARU WA KOKORO NI KUMORI ARU SHIRUSHI NARISEBA HAJIYO YO NO HITO いたつきの あるは心に曇ある しるしなりせば恥ぢよ世の人 |
People of the world! / Do feel shame that / Sickness is proof that / There are clouds / On the heart. | |
364 | MURAKIMO
NO KOKORO NO KEGARE KAKUSANN TO SUREDO YAMAI TO ARURU HAKANASA 村肝の 心の汚れかくさんと すれど病と現るる儚なさ |
How ephemeral that the / Individual who tries to / Hide the stains on the heart, / Find that they / Appear as sickness. | |
365 | SUISHÔ
NO GOTO SUMI KIRERU KOKORO MOTSU HITO HA TOKIJIKU SUKOYAKA NARIKERU 水晶の 如澄み切れる心もつ 人は非時健かなりける |
Those with / Hearts clear as / Crystal in / All seasons will be / Sound in health. | |
366 | ITATSUKI
NI KAKARU WA KURORI NO KASANARERU SHIRUSHI NARIKERI KOKORO SEYO KASHI 病きに 罹るは曇の重なれる しるしなりけり心せよかし |
Be aware that / Becoming sick is / Proof of the great / Amount of clouds that / Have accumulated. | |